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吉田遼平先生・大崎能伸先生らの論文がアクセプトされました

吉田病院 副院長/臨床研究センター所⻑ 吉田遼平先生・最高顧問/呼吸器センター センター長 大崎能伸先生らが作成された論文「Real-world Efficacy of Ensitrelvir in Hospitalized Patients with COVID-19 in Japan: A Retrospective Observational Study」が、Cureus Journal of Medical Scienceにアクセプトされました。

以下、論文の概要です。


タイトル:
Real-world Efficacy of Ensitrelvir in Hospitalized Patients with COVID-19 in Japan: A Retrospective Observational Study

研究背景と目的:
COVID-19パンデミックにおいて、高齢者を含む高リスクグループに対する抗ウイルス薬の有効性を評価することが求められる。
本研究では、入院患者に対するレムデシビル(ベクルリー®️)、モルヌピラビル(ラゲブリオ®︎)、エンシトレルビル(ゾコーバ®️)の三種類の抗ウイルス薬の効果を比較し、特にSARS-CoV-2抗原レベル、入院期間、および症状のなかで発熱に注目した。

方法:
対象: 2022年7月1日から2023年9月15日までにCOVID-19と診断され、慶友会吉田病院に入院した154名の患者。
診断: 独自の抗原検査またはLAMP法によりCOVID-19が確認された患者。
除外基準: 病院外で治療を受けた患者、または一貫して陰性の抗原結果を示した患者。

結果:
抗原レベル: 入院初日の抗原レベルには、治療群間で有意差は見られなかった。
10日目にはエンシトレルビル群が最も低い抗原レベルを示したが、統計的有意差はなかった。
抗原陰性転換率: エンシトレルビル群の抗原陰性転換率は40%で、他のグループよりも高い結果であった。
入院期間: エンシトレルビル群の入院期間は他のグループよりも短く、特にモルヌピラビル群と比較して有意に短い結果であった。
発熱解消時間: 各グループ間で解熱時間に有意差は見られなかった。

結論:
本研究は、エンシトレルビルが抗原レベルの低下と入院期間の短縮に有益である可能性を示唆しているが、症状の緩和に関する全体的な効果は他の抗ウイルス薬と同様であった。
COVID-19の管理を最適化するためには、個別化された治療アプローチと長期的な結果を考慮したさらなる研究が必要である。

論文の重要性:
本研究は、COVID-19入院患者に対するエンシトレルビルの潜在的な利点を強調している。
エンシトレルビルは、抗原レベルの迅速な低下と入院期間の短縮に寄与し、特に高齢者や慢性疾患を持つ患者において重要な役割を果たす可能性がある。
この知見は、今後の治療方針やパンデミック管理において重要な示唆を与える。


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