小さい頃、手塚治虫の『きりひと讃歌』を夢中で読み、「医師は研究者としての視点も持ち合わせた職業」と考えていました。この思いは、医師として臨床に携わる今も重要な指針となっています。治療だけでなく、研究によって新しい医療を生み出す視点を持つこと。それが、より多くの患者さんの未来を切り拓く力になると信じています。
臨床研究センターK-LABは、この信念を形にするための場所です。
私たちは、「がん治療」と「予防医療」を柱に、患者さん一人ひとりに寄り添い、地域医療の発展に貢献する研究を目指しています。これまで慶友会が培ってきた予防事業を基盤に、がんの早期発見や治療を加え、地域全体の健康をさらに向上させる取り組みを進めていきます。
先代の吉田威がよく口にしていた言葉があります。
この言葉は、私たちの研究活動の根幹を成すものです。現実の課題にしっかりと向き合いながら、次の時代の医療を見据える。その先に、地域から世界へとつながる新しい医療の形があると信じています。
K-LABは地域とともに歩み、未来を見据えた医療の創造を目指します。これからも挑戦を続けてまいります。
2024年4月吉日
慶友会臨床研究センター 所長
吉田 遼平