吉田病院TOP > DPC方式の導入について

入院医療費に関するおしらせ

DPC制度の導入により、入院医療費の計算方法が一部変わりました

当院は、2022年4月より、厚生労働省が定める「DPC対象病院」となりました。対象となるのは、一般病棟(3階・4階・7階)に入院する患者様です。
DPC対象病棟では、入院費の計算がこれまでの「出来高方式」から、「診断群の分類による包括評価(DPC)方式」へと変更となります。
なお、1階・2階・5階・緩和ケア・6階病棟に入院する患者様は、従来通りの出来高による計算方法となります。

 

DPCとは、Diagnosis(診断)Procedure(処置・手技)Combination(組合せ)の略

従来の診療行為ごとに積算して診療費を計算する「出来高方式」とは異なり、入院患者様の病名・症状・治療内容をもとに厚生労働省が定めた診断群分類ごとに1日当たりの定額料金からなる、包括評価部分(投薬・注射・検査・画像診断・入院料等)と、出来高評価部分(リハビリ・指導料等)を組み合わせて計算する新しい方式です。
DPCは、医療の質の標準化を目指すものであり、単に計算方式の改革だけでなく、良質な医療、効率的、効果的な医療、医療の透明化を図るために実施されるものです。

 

変更点

 

QDPCの会計方式はどのようなものですか?

「出来高方式」では、診療を行った検査や注射、投薬などの量に応じて医療費が計算されていましたが、「DPC方式」では、病名や処置等の内容に応じた1日当たりの定額(包括)医療費を基本として全体の医療費の計算を行います。1日当たりの定額の医療費は、診断群分類と呼ばれる分類ごとに入院日数に応じて定められています。
なお、リハビリ等の医師の専門的な技術料については、これまで通り出来高方式で計算され、入院にかかる医療費は定額(包括)分と出来高分を合わせたものとなります。

Qすべての入院患者様が対象となるのですか?

吉田病院の一般病棟(3階・4階・7階病棟)に入院される患者様は、すべて包括評価の対象となります。例外として、以下の場合は従来通りの出来高方式の対象となります。
・労務災害、交通事故等で入院した患者様
・入院後24時間以内に亡くなられた患者様
・治験の対象となった患者様
・一般病棟以外(1階・2階・5階・緩和ケア・6階病棟)
に入院される患者様

Q転棟した場合はどうなりますか?

吉田病院では、3階・4階・7階病棟がDPC対象病棟となります。その為、3階・4階・7階病棟から1階・2階(包括ケア)病棟、5階・6階(障害者)病棟、緩和ケア病棟へ転棟した場合は、転棟した日より出来高方式での計算となります。
また、その逆の場合は、転棟した日よりDPC方式での計算となります。

Q医療費の支払い方法はどう変わりますか?

従来通り、月毎の支払い(退院の時は退院時)である事に変わりありません。

Q高額療養費の扱いはどうなりますか?

高額医療費制度の取り扱いは、従来と変わりありません。

DPC導入にあたって

プリンシパル・ドクター 大崎  能伸 DPC制度は医療の均質化を目指す医療制度として、2003年度から導入されました。始めは特定機能病院から施行されてきましたが、2010年7月には1,391病院に導入され、この時点で全一般病床(約91万床)の約50.4%(約46万床)がDPC病床となっています。
 DPCとは、もともと患者様を分類するための診断群分類を意味するものです。DPC制度では、この診断群分類の病名に基づいて、入院患者様の診療報酬請求が1日当たりの定額報酬として算定されることになります。したがって、診療報酬請求時に診断群分類に含まれる病名が正確に記載されなければ、病名に基づいた診療報酬を得ることができません。
 定額の診療報酬は、全国の病院の診療報酬請求をもとに、それぞれの診断群分類に含まれる病名について決められています。また、標準的な入院期間も同様に決められています。これらはDPC病院の平均値ということもでき、また一般急性期病棟で治療する際の全国レベルとしての目標値ということができます。


 DPC制度では、定額部分の包括評価部分と、さまざまな医学管理、リハビリ、処置などの出来高評価部分があります。さまざまな医学管理とは、加算として算定できる部分のことです。包括評価では、診療請求作業が簡略化されるとともに、返戻や査定がなくなるという利点があります。その分の労力を、出来高算定の漏れをなくす作業に向けることができるようになります。
 当初のDPC制度は外科系や救急病院などの急性期病院を念頭にしたものでしたが、現在はケアミックス型病院で導入している施設も多くなっています。当院がDPC病院に名乗りを上げることで、全国の一般急性期病棟と同等な施設として認知されるとともに、今後改変されてゆく我が国の医療制度から取り残されないための準備ができたと思っています。

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