食生活
寒い時期こそ血圧に注意!
最近だんだんと温かくなってきましたが、朝晩はまだまだ寒いですよね。そんな寒い時期に注意していただきたいのが血圧です。
<そもそも血圧とは?>
血圧とは、血液が心臓から全身に送られるときに血管にかかる圧力のことです。値が140/90mmHgより高い場合、高血圧となります。
<血圧が高い状態が続くとどうしてダメなの?>
血圧が高いということは、それだけ血管にかかる圧力が強いということになるので、血管への負担も大きく、血管が傷ついていきます。血圧が高い状態のまま放っておくと、血管が傷つくことで動脈硬化が進んでいき、様々な影響が出てきます。特に影響を受けやすいところとして、脳・心臓・腎臓の3つがあります。どのような影響を受けるかというと、
これらのほかにも動脈疾患(眼底出血や大動脈解離など)にも繋がると言われています。
〈高血圧予防・改善のために大切なこと〉
毎年健康診断で血圧が高いと言われるかたもいらっしゃるかと思います。そのような方はまず自宅での血圧を測定するようにしてみましょう。なぜかというと、健康診断や病院で血圧を測定すると、無意識のうちに緊張して血圧が高くなる方がいらっしゃるからです。自宅や職場などリラックスできる場所で毎日血圧を測ると、本当の自分の血圧がどれくらいかわかります。血圧が高いと言われる方はまず家庭血圧を計測してみましょう(家庭血圧は135/85未満が基準になります)。
家庭血圧も高い方は普段の生活習慣の見直しが必要になります。今回は4つのポイントをご紹介します。
①食事量・飲酒量の見直し
毎日夕食時間が遅くなってしまう、満腹になるまで食べてしまう、早食いになってしまう、お酒をたくさん飲むなどの習慣があると肥満に繋がる原因となってしまいます。
食事量・飲酒量の注意するポイントとして、
・夕食の前に軽食を摂り、夕食は軽く済ます
・腹八分目を心がける
・ゆっくり食べることを心掛け、一口食べたら箸を置く、調理の際に食材を少し
大きめに切ってみる、食感が残るように調理するなどの工夫をしてみる
・飲酒量の見直し(下表参考)、週1~2日休肝日を設ける
などの工夫をしてみましょう。
②運動習慣の見直し
運動は有酸素運動を毎日継続的に取り入れられることが理想です。
しかし、仕事で朝が早く、夜遅くに帰宅するため時間がなくて運動不足という方も多いのではないでしょうか。そのような方でも実施していただくための工夫ポイントとして、
・家での空き時間にストレッチをする、低めの台を利用して踏み台昇降運動をする
など隙間時間を利用してみましょう。例えば、時間のある休日は30分~1時間程度のウォーキングをして、あまり時間のない平日は夕食後にテレビを見ながらストレッチをしたり、バランスボールを使ったりするようにして、毎日少しでも身体を動かせるように心がけてみましょう。
③減塩
高血圧で注意すべきポイントとして最初に思い浮かぶのは減塩、という方も多いかと思います。
2014年に厚生労働省から発表された「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」によると、1日の塩分摂取量が男性8.0g未満、女性7.0未満という目標が設定されています。また日本高血圧学会からは、高血圧の場合は塩分摂取量1日6g未満が推奨されています。
塩分を減らすためのポイントとして、
・香辛料を使用する
・出汁をとるようにし、調味料は少なめにする
・酢やレモン汁など酸味をきかせる
・旬の食材を利用して素材の味を楽しむ
などの方法があります。少しずつ減塩をして薄味になれるようにしていきましょう。
④禁煙
2020年の東京オリンピックに向けて煙草対策についてよく耳にするようになり、禁煙を考えている方も多いのではないでしょうか。喫煙による影響として、肺の疾患(肺がんや慢性閉塞性肺疾患など)が起こるというのはご存知の方が多いかと思いますが、実は血圧が高くなる要因として喫煙は無関係ではありません。
禁煙のポイントとして、
・本数を減らすのではなく、やめると決めたらスパッとやめる
→本数を減らすようにすると、こんなに減らしたから少しならいいや、となってしまう場合があります。やめると決めたら持っている煙草は水につける、煙草を買わない、灰皿やライターを全て捨てるなど、吸えない状況を作りましょう。
・禁煙外来を利用する
→当院をはじめ、禁煙外来を利用できる医療機関がたくさんあります。自分一人での禁煙が難しいという場合には禁煙外来の利用もご検討ください。
※一定の条件を満たせば保険を利用して禁煙外来を受診できるようになっています。当院の場合は予約なしで禁煙外来受診が可能ですので、禁煙をお考えの方は是非ご利用ください。