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健診時、胸部に異常がみられた方へ

健診時、胸部に異常がみられた方へ

健診を受診して胸部に異常がみられた方へ

 レントゲン写真に異常が見つかってもすぐに治療・入院が必要というわけではありません。健康診断は“早期発見・早期治療”の為に実施しており、少しでも疑わしい所見があれば精密検査をお勧めしています。治療が必要な病気かどうかを明らかにするために、専門医の診察を受けましょう。


どんな病気がみつかっているの?

 H27年度 慶友会の健康診断を受診し、その後精密検査を受けられた方の検査結果をグラフにしました。治療の必要がない方もいらっしゃいましたが、肺・甲状腺のがんが見つかった方もいます。肺がんはがんで亡くなる日本人の死因第1位となっています。リンパ節へ転移することも多く、進行するほど治療が難しくなるため、早期に治療を開始できるかどうかが重要になります。

グラフ

レントゲンの所見はどんな病気と関係するの??

 健康診断の結果報告書にはどのような記載がされているでしょうか?ここに載っているのは胸部レントゲン検査での影の様子を専門用語で表したもの(所見)で、病気を断定するもの(診断)ではありません。病気の早期発見の為、少しでも疑わしい影があれば、精密検査をお勧めしています。それでは、精密検査で見つかった病気と、健診時に撮影したレントゲンの所見がどのように関連しているか解説します。

レントゲン

① 肺がん・肺腫瘤

肺がんや肺腫瘤が疑われる時の所見は主に2種類あります。

所見1:結節陰影

 レントゲン写真に直径3cm以下の円や楕円の形で写りこみます。これが結節陰影です。肺の組織ではない“できもの”(腫瘤)の可能性があります。レントゲン写真は胸から背中側までにあるものが全て1枚の写真に写るので、1枚の写真に血管や骨が重なって結節影のようになることもあります。また、肺の入り口(肺門部)付近や心臓、骨の裏側などは結節影が見えにくくなります。写った円の大きさで粒状影⇒結節影⇒腫瘤影⇒塊状影と呼び方が変わります。

肺がん・肺腫瘤

以下の病気でも同様の影が見られます。

  • 良性の腫瘍
  • 肺結核
  • 肺真菌症
  • 非結核性抗酸菌症 など

  •  良性の腫瘍の場合急に大きくなることはほぼありません。悪性か良性かを見極めるのは大きさの変化が大切なので、所見に“新出現”や“増大”とある場合は早急に精密検査を受診しましょう。


    所見2:浸潤陰影

    • 浸潤陰影1
    • 浸潤陰影2

     通常レントゲンを撮ると、空気の入っている場所は黒く写ります。正常な肺は1枚目のように黒く写るのですが、炎症が起きると肺の組織に水が溜まり、それが写り混むことで2枚目のような鮮明ではない影が現れます。これが浸潤陰影です。肺炎であることが多いのですが、がん細胞が周りの細胞に影響し炎症を起こしていることもあり、浸潤陰影をきっかけに肺がんが発見されることもあります。

    ② COPD(慢性気管支炎・肺気腫)

    所見:肺気腫、結節陰影、湿潤陰影(結節陰影、湿潤陰影の解説は“①肺がん”をご覧下さい)


     COPDは慢性閉塞性肺疾患の略称です。主に長期間にわたる喫煙が原因で肺に炎症が起き、肺の空気の流れが悪くなる病気です。写真はCOPDの代表である肺気腫のものです。


    • 慢性気管支炎
    • 肺気腫

    タバコの煙の影響で肺の組織は壊れてしまいます。普段、気管支(口や鼻と繋がる空気の通り道)は周りの肺組織(肺胞)に引っ張られているのですが、肺胞が壊れることで引っ張る力が弱まり気管支が細くなることで、息を吐き出すのが大変になります。息を十分に吐けないと、新鮮な空気を吸うスペースが少なくなりどんどん息苦しくなる病気です。解消するには濃度の濃い酸素を送らなくてはならず、症状が重くなると歩くことも、横になることも辛くなり、常に酸素ボンベが必要となります。肺気腫は薬でも手術でも完治しません。ただ、タバコを吸わなければ進行しないため禁煙が唯一有効な治療となります。

    ③ 結核

    所見:結節陰影、湿潤陰影(所見の解説は“①肺がん”をご覧下さい) 結核には陳旧性、活動性の2種類の状態があります。

    陳旧性肺結核

     陳旧性と頭につく所見は1ヶ月以上前に起こって現在は進行していないものと思っていいでしょう“慢性”と似た意味で使われます。昔の結核の痕のようなもので、結核菌を排出していない(感染を広める危険性の無い)休眠状態のものです。結核だった影が石灰化し結節陰影として写りこみます。

    結核


    活動性肺結核

     小さくてわかりにくいですが1枚目は右肺の上部に影、2枚目はドーナツ型の影がみえますね。結核に特徴的なレントゲン写真で肺の上のほうに白く不鮮明な影が見えます。結核は空気感染する2類感染症で、症状は咳、血痰、長く続く微熱が特徴です。かつては不治の病であった結核ですが、適切な治療により6ヶ月程で完治するようになりました。


    • 活動性肺結核1
    • 活動性肺結核2

    ④ 非結核性抗酸菌症

    所見:結節陰影、湿潤陰影(所見の解説は“①肺がん”をご覧下さい)


     結核によく似ている感染症です。結核菌の親戚のような菌の感染なので症状も似ていて、咳・血痰・発熱・倦怠感が主な症状です。結核と違うのは、ヒトからヒトへの感染がないこと、症状は比較的軽く、進行はきわめてゆっくりだとういうことです。レントゲン、CTでは結核と区別するのは難しいため痰や組織検査で菌の種類を調べる必要があります。

    ⑤ サルコイドーシス

    所見:リンパ節腫大


     肉芽腫と呼ばれる炎症が全身に出現する原因不明の病気です。症状は臓器によって異なります。肺では咳や呼吸困難が出現しますが、約40%が無症状で、健康診断で発見されています。レントゲンでは肺門部のリンパ節腫大が特徴的な症状です。命に関ることは稀で7割ほどの方は自然によくなります。

    ⑥甲状腺がん

    所見:気管偏位


    胸のレントゲンでは肺だけでなく、甲状腺の異常が発見されることもあります。気管が何かに押されて左右いずれかにずれている状態があるときには、甲状腺が大きくなっていたり、気管周囲にできた腫瘍に押されている可能性があります。甲状腺の専門医や内科でエコー検査や血液検査で甲状腺のホルモンを調べると異常が見つかることがあります。


    いずれにしても胸部レントゲン検査だけでは診断することはできません。本当に異常があるのか、精密検査や治療が必要なのか。CTなど詳細な検査が必要となります。健康診断で影が見つかったら怖がらずに再検査を受けてみましょう!!

    精密検査って何するの?

     精密検査では胸部レントゲン検査と胸部CT検査、場合によってはスパイロ検査(肺機能検査)が予想されます。レントゲン検査では、健診時と比べて影に変化がないかをみます。
     CT検査では、病変の具体的な位置や状態をみます。スパイロでは、肺機能が低下していないかをみます。精密検査は保険適用となるので、3割負担でご受診いただけます。また、他の医療機関で健診を受けられた場合でも診療可能です。健診結果をお持ちの上、1階の受付にお越し下さい。


    精密検査

    吉田病院の特徴

    ① 呼吸器専門医の診療

     月~金曜日、9:00~12:00専門の医師による診療をお受けいただけます。

    ② 料金(3割負担)

    胸部レントゲン1,600円~
    胸部CT4,500円~
    スパイロ(肺機能検査)1,000円~
    ※医師の判断によって検査が追加になる場合があります。

    ③ 検査時間

     レントゲン検査約1分
    CT検査は約10分
    スパイロは約5分で終了します。
     ※撮影後に専門医師による読影作業(撮影した写真を読み込む作業)を行っており、診察までにお待ち時間があります。

    ④ 当日の流れ

    受付→問診→レントゲン・CT検査→診察→会計
    当日のうちに精密検査の結果を聞くことができます

    ⑤ 検査予約は不要ですので、希望する日に受診可能です。

     ※医師の不在のご案内や注意事項等ありますので、事前に予約いただけるとスムーズにご受診いただけます。
    ※胸部レントゲンで心臓・甲状腺等、呼吸器以外の病気が見つかる事もあります。診療科が異なりますので、予約時に所見を教えて下さい。

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