医学講演会のご報告

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第15回医学講演会

第15回医学講演会のご報告



講演内容

「心ある医療」を掲げる慶友会 / 理事長挨拶

 皆様、本日はお暑い中、こうして多くの方々にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。やはり健康や予防というものに対する皆様の「意識の高さのあらわれ」なのだろうと改めて思います。
 本日の講演テーマである「生活習慣病としての脳卒中、認知症」は、まさにこれからの予防医療の核心であり、注目の課題だと思います。そしてこの講演会に、もっともふさわしい、この分野のオーソリティをお招きいたしました。
 本日、講演をいただく篠原幸人先生は、これまで脳卒中を専門とされ、その予防・診断・治療に身を尽くされ、脳卒中学会理事長も歴任されております。そして昨年からは、予防医療の核となる「日本人間ドック学会」の理事長に就任されました。
実は篠原幸人先生と、私共慶友会吉田病院は、とても不思議なご縁があると思っています。まず、篠原先生と慶友会の前理事長である吉田威は、慶應大学医学部の同門であります。 そして慶友会は、2011年に吉田威の悲願であった「人間ドック学会」学術大会を、この地旭川で開催するという大役をいただき、学会長を務めさせていただきました。こうした「人間ドック学会」が取り持つ縁もまたその一つです。
 私は、いつかは人間ドックの講演会を開催したいと考えていました。その時には、どなたに講演をお願いしようかと案じていました。あるとき、篠原先生にお会いする機会がありまして、その際にご相談をしたところ、理事長ご自身が、この講演を引き受けてくださるとのお話をいただきました。本当にうれしかったです。この場を借りてあらためて感謝を申し上げます。 健康は私達に与えられた財産です。
 そして予防医療は、私達の日常生活の管理を促すとても大切な医療なのです。予防医療を、より本質的な意味で旭川に浸透させたい。健康都市あさひかわの実現に向けて率先して行動していきたい。今回の講演会を開催する理由はそこにあります。予防医療に携わるものとして、そして、「心ある医療」を掲げる慶友会にとって、これは一大使命なのだと確信しています。
 本日の講演を通して皆様が、ご自身やご自分の大切な方の健康という財産をしっかり管理していく一助になれば、本講演の意義は十分にあったといえます。今後も慶友会が、皆様の健康に貢献することを誓って、ご挨拶とさせていただきます。

医療法人社団慶友会
社会福祉法人慶友会
理事長 吉田 良子
理事長写真
吉田 良子理事長(写真:講演時)

理事長写真

開会の挨拶 / 病院長挨拶

 これより人間ドック講演会「生活習慣病としての脳卒中・認知症」〜人間ドック・脳ドックはその予防に役立つか〜を開始します。私は慶友会吉田病院の病院長の横田欽一と申します。どうぞよろしくお願いします。講師は日本人間ドック学会理事長 篠原幸人(しのはら ゆきと)先生です。今回、この講演会の講師を引き受けていただいた経緯については、吉田良子理事長からお話しがあったとおりでございます。
 慶友会は前理事長吉田威の意志で開設時より、健康診断・巡回健診・人間ドックに力を入れて参りました。一方で、吉田病院の入院患者さんや、慶友会グループのさくら館、養生の杜カムイ、仁慈苑、カッパ館、アテナなどの施設には脳卒中後遺症や認知症の方が多数入所されています。そういった意味から、人間ドック・脳ドックを受けることが、脳卒中・認知症の予防に役立つかというのは、私どもにとって大変興味あるテーマでございます。篠原先生はこの領域の日本のリーダーのお一人ですから、本日の講演を心待ちにしておりました。恒例によりまして講師の篠原幸人先生のご略歴を紹介させていただきます。はじめに篠原先生の業績が多すぎて、時間内には紹介しきれないと思います。先生の了解を得ましたので、少し端折って紹介させていただきます。
 篠原先生は、1963年 慶応義塾大学医学部を卒業され、聖路加国際病院でインターン後、1964年 慶応義塾大学内科に入局し、大学院生となりました。1967年 米国デトロイトのウェイン州立大学神経内科に留学1969年 米国ヒューストンのベイラー医科大学神経内科に留学されました。1970年 慶応義塾大学内科に戻り、1972年 医学博士号を授与されました。1976年 東海大学医学部神経内科に助教授として異動され、1983年 東海大学医学部神経内科の主任教授となられました。1997年 東海大学医学東京病院長を兼任、2003年 同東京病院の脳卒中・神経救急センター長2006年 国家公務員共済組合連合会立川病院 院長になられ、2007年 東海大学名誉教授2013年より現職である国家公務員共済組合連合会顧問および同立川病院顧問をしておられます。
 次に学会関係の略歴をご紹介します2003年〜2009年 日本脳卒中学会理事長2009年〜2011年 アジア・太平洋州脳卒中学会理事長2016年より日本人間ドック学会理事長をしておられます。主な学会主催ですが、多すぎますので開催年は省略して一部を紹介します。日本脳ドック研究会、日本脳卒中学会、国際脳卒中学会、日本神経治療学会、日本脳循環代謝学会、日本神経学会、アジア ストローク フォーラム、アジア太平洋ストロークカンファレンスなど主な著書Handbook of Clinical Neurology 臨床神経学ハンドブックUncommon Causes of Stroke, Takayasu Disease 高安病まれな脳卒中の原因日本語では、新臨床内科学、内科学書、脳卒中治療ガイドラインなど一般向けでは、「脳梗塞 脳出血 くも膜下出血が心配な人の本」「患者さん・介護する方々と医療従事者をつなぐ脳卒中ガイドライン」など主な医学論文は、英文原著221編、日本語原著259編、その他総説など900編以上がございます。それではご講演、どうぞよろしくお願いします。

吉田病院病院長
横田 欽一
病院長写真
横田 欽一病院長(写真:開会の挨拶時)

病院長写真

講演講師

理事長 篠原 幸人

公益社団法人 日本人間ドック学会 理事長 篠原 幸人

PROFILE

  • 1963年 慶應義塾大学医学部卒業
  • 1967年 米国デトロイト・ウェイン州立大学神経内科留学
  • 1969年 米国ヒューストン・ベイラー医科大学神経内科留学
  • 1983年 東海大学医学部神経内科科長 主任教授
  • 1997年 東海大学医学部東京病院院長兼任
  • 2003年 脳卒中・神経救急センター長兼任
  • 2006年 国家公務員共済組合連合会立川病院 院長
  • 2013年 同本部顧問

現職

  • 日本人間ドック学会 理事長
  • 国家公務員共済組合連合会 顧問
  • 国家公務員共済組合連合会立川病院 顧問
  • 東海大学 名誉教授
  • 日本病院会 参与

講演内容

 篠原幸人先生から、脳卒中及び認知症予防に着目した「予防に何が役立つか、注意すべき点は何か」を具体的な生活習慣の実践内容や検査内容で、わかりやすく講演していただきました。
 篠原先生は脳卒中・認知症を二次性の生活習慣病と位置付け、高血圧や糖尿病、脂質異常症など一次性の生活習慣病を自覚症状がないからといって放置しないこと、放置すると脳卒中または認知症のリスクが高まりますが、逆に気にしすぎもよくないとお話されていました。
 特に認知症になりやすい生活習慣病の1つに高血圧など、長く放置すると脳卒中や5~10年後くらいには認知症がおきやすくなること、もう1つは糖尿病で脳卒中を2~3倍、起こしやすくすることや、糖尿病自体が認知症(アルツハイマー)の原因になるとお話がありました。さらに、高血圧と糖尿病を同時に患うともっと脳卒中などのリスクが高まるそうです。そして、悪玉コレステロールと呼ばれるLDL-コレステロールの上昇、心臓の不整脈である心房細動、たばこを吸うこともリスクに挙げられました。
 生活習慣病は、食習慣(好み、偏り、食べ過ぎ)・運動習慣・たばこ・アルコール・睡眠・入浴習慣・水分摂取・過労・ストレスなどの影響からなり、生活習慣の改善は、自分でできることで、下記のようなご紹介がありました。

 脳卒中・認知症予防に役立つ生活習慣の改善

  • 1.禁煙
  • 2.食事~油もの、甘いものを摂りすぎず、魚や野菜を十分に摂る(高血圧の方:麺の汁は飲み干さずに残す、減塩醤油など利用する)
  • 3.運動~少し速足の散歩(1日1時間、1日1万歩を目標)
  • 4.睡眠~睡眠不足は記憶力を低下させると言われます。睡眠薬は要注意(主治医に相談しましょう)

  •  生活習慣を改善することに加え、健康診断等の検査で自分の健康状態を確認し、病気にならないからだづくりが重要であることを教えていただきました。
     人間ドックでは1日で一般検査に加え、がん検査など、頭を除いた全身チェックができ、頭のチェックは脳ドックで受けられ、脳ドックは55歳を過ぎたら1回は受診し、何も異常がなければ2~3年に1回という頻度で受けることをお薦めいただきました。
     さらに、大事なのは、受診後、健診結果をきいて生活指導を受けること、二次検査ができる健診機関または医療機関の選択をお薦めいただきました。
     予防するための生活習慣の実践、健康診断を受ける健診機関や医療機関の視点まで教えていただく講演内容でした。

     講演の中では、認知症のテストに使われる「かなひろいテスト」が行われました。物語の内容を読みながら、すべて平仮名で書かれた文章に「あ・い・う・え・お」が出てきたら○をつける作業を行いました。注意力と記憶力を確認する目的だそうです。

     ≪覚えておきたい篠原先生からの知識~認知症≫
    高齢による物忘れと病気の認知症は違い、認知症は年齢のせいではなく、「①脳に起こった病気によって②以前は正常だった認知能力(知能)が③持続的に障害され④今まで行ってきた仕事や生活が困難になった状態」をいいます。

     ≪覚えておきたい篠原先生からの知識~脳梗塞の種類≫
    「アテローム血栓性脳梗塞」「心原生脳梗塞」「ラクナ梗塞」の3種類があります。予防や初期治療、再発予防の方法など違いがあります。「アテローム型血栓性脳梗塞は」コレステロールなどが原因となり「心原生脳梗塞」は心房細動といって心臓が不規則に動いて脈が乱れ、心臓内に血栓が作られやすくなり、その血栓が脳に飛んで脳梗塞を起こすものです。「ラクナ梗塞」は高血圧が原因となります。

    • 講師写真
    • 腹部写真

    アンケート結果

     講演会のアンケートでは、「大変満足」または「まあ満足」の回答が99%と大変多くかつ、内容がわかりやすいと91%の方に回答が得られました。人間ドックを今後、受けたいかという設問では「はい」の回答が86%と高い状況でした。 関心が高まった検査で最も多かったのは脳MRIで32.6%、生活習慣病からの動脈硬化だけでなく、北海道に多い、がんの検査16.5%やリスク検査10.9%にも関心を寄せていただきました。 参加した皆さまから回答いただきましたアンケートの内容を参考にさせていただき、人間ドックをはじめ、健康相談センターの検査等の充実に努めてまいります。

    アンケート結果はこちら

    アンケート画像

    当日風景

    会場受付風景やメディカルチェックを行っている様子。
    講演会は事前準備から当日まで慶友会グループ一丸となり取り組まさせて頂きました。

    メディカルチェック1
    メディカルチェック2
    メディカルチェック3

    当日雰囲気1
    当日雰囲気2
    当日雰囲気3
    当日雰囲気1
    当日雰囲気2
    当日雰囲気3
    当日雰囲気1
    当日雰囲気2
    当日雰囲気3

    講演会を終えて

     当日、早朝は小雨まじりでしたが開場の頃にはすっきりとした夏晴れとなり、955名の参加をいただく大盛況の講演会となりました。前回の緩和ケア講演会に引き続き、地域の皆様の健康に対する関心の高さを改めて感じさせられました。講演会のテーマが「生活習慣病としての脳卒中・認知症」であったことや市街中心部での開催であったこともあり、多くのご高齢者の方にも参加いただき、メディカルチェック体験ブースも大変な賑わいとなりました。アンケートでは、『明瞭かつ理解しやすいお話しで大変良かった』『今まであまり関心が無かったが今日の講演を聞いて定期的に健診を受けようと思った』など、講演会に参加して本当に良かったという多くのお声をいただき、遠方からお忙しい中講演のために来てくださった篠原先生には深く感謝いたします。今回の講演会で学ばせて頂いたこと、参加者様からのご意見・ご要望を糧として、人間ドックを中心とする予防医療の更なる発展に向けて邁進してまいります。
     今回の人間ドック講演会は慶友会にとって貴重な財産となりました。“健康創造の支援活動”を理念とする当法人が、講演会を通じて実際の地域社会の健康創造に貢献する形が示せたのではないかと思います。開催するにあたり尽力くださった関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

    人間ドック講演会事務局

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