結腸直腸癌ガイドライン
米国臨床腫瘍学会の専門家によるガイドライン委員会は、結腸直腸癌の治療法とモニタリングの変化に対応して、診療ガイドラインを改訂した。
今回の改訂の最も大きな変更は、高リスク患者群に肺や肝臓への癌の浸潤があるかどうかを知るためCTスキャンによる画像診断を勧めている点で、2次腫瘍の外科的切除の候補となる可能性の高い患者に治療後3年間行うことを勧奨している。
12月22、29日 Medical Tribune
(05-12-27)
メタボリック症候群(MS)と糖尿病
日本医事新報 No.4261 12月24日
日常診療メモ 三越厚生事業団 中村治雄 先生
(抜粋)
イタリアで行われた他施設共同研究から。
注目すべき3047名のMS例から観察中に(3.5年間)、2731例(89.6%)が糖尿病を発症しており、体重の変動による影響が大きかった。
@体重が10Kg以上増えると糖尿病の危険は2倍に増え
A体重を6〜10Kgの増加で1.5倍である。
B体重を10Kg以上減らせば、危険率は41%減少する。
これから、結論として、MSから糖尿病の発症を抑えるには体重を減らすこととしている。体重の増減が心筋梗塞発症後の予後にも大きく影響するので、体重の増加を抑えることが大切である。
(05-12-22)
CRPは心疾患の独立した危険因子ではない
メリーランド大学の准教授で同大学医療センター予防心臓病学の Michael Miller 所長らは、CRPは以前から心疾患の危険因子とされてきた高コレステロール値、高血圧、肥満、喫煙などと密接に関係しており、心疾患の独立した危険因子ではないことを確認し、Archives of Internal Medicine (2005; 165: 2063-2068)に発表した。
12月8日 Medical Tribune
(05-12-14)
ガンの早期発見キット
日立製作所のアジア統括会社、日立アジアとシンガポールの分子細胞生物学研究所(IMCB)は、ガンの早期診断向けに制度を高め手間を軽減できる検査キットを共同開発した。
このキットは、遺伝子のDNAに起き、ガンの一因となる「メチル化」と呼ばれる現象を検出し、複数の遺伝子についてメチル化が起きているかどうか同時に判定できる。
10月28日 日経新聞より
(05-10-28)
ヒトゲノム、個人差の地図が完成
人の全遺伝情報(ヒトゲノム)を構成する塩基配列の中で、個人差がまとまって現れる場所を染色体ごとに示した「ハプロタイプ地図」が完成したと、日本、米国、英国、カナダ、中国の五カ国共同研究チームが、27日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表した。日本の貢献は24.3%だという。
10月27日 産経新聞より
(05-10-28)
結腸がんに新たなDNA遺伝子マーカー
クリーブランド大学病院(米オハイオ州)ハワード・ヒューズ医学研究所の Sanford Markowitz 博士らは、非転写ビメンチン遺伝子内のexon1塩基配列のメチル化修飾異常は、結腸がんに対する新たなDNA遺伝子マーカーとして有用であり、便中のDNA検査でも結腸がん患者の約半数を同定できると発表。ビメンチンを標的とした検査による結腸がん検出感度は、標準的検査法とされている潜血検査の約3倍と指摘している。
10月6日 Medical Tribune
(05-10-21)
動脈硬化に免疫タンパク質
心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす動脈硬化の患部に、肝臓で作られる免疫系タンパク質が蓄積することを、筑波大学など日米の研究グループが突き止め、米医学専門誌に論文を発表した。
研究チームは、このタンパク質をターゲットにした動脈硬化の予防法や治療薬の開発につながる可能性があるとしている。
9月24日 産経新聞より
(05-09-29)
昼夜交代制で前立腺がんリスク3.5倍
産業医科大学の久保達彦氏(臨床疫学教室)は、体内時計の乱れと前立腺がん罹患リスクの関連性について、文科省大規模疫学調査による調査の結果、昼夜交代制の職場に勤務する男性は日勤の男性に比べ、前立腺がんにかかるリスクが3.5倍増加するとの結果が得られたと発表した。
9月21日 Japan Medicine
(05-09-29)
膵癌リスクが一般人口の8倍に
メイヨー・クリニック(米国ミネソタ州ロチェスター)の Suresh T. Chari 博士らの研究によると、50歳以上で新規に糖尿病と診断された120例中1例で膵癌を発症する可能性があり、これは一般人口リスクの8倍にのぼることがわかり、米国消化器病協会の Gastroenterology(2005; 129: 504-511)に発表された。
9月22日 Medical Tribune
(05-09-29)
人間ドック受診者が17万人減少
日本病院会予防医学委員会主催報告会で、昨年1年間の人間ドック集計の結果より、人間ドック受診者が17万人減少したことが明らかにされた。
これまで増加の一途にあった人間ドック受診者数は、昨年と比較して17万人減の約294万人、健診と人間ドックを合わせると前年比約187万人減の約1140万人だという。
9月8日 Medical Tribune
(05-09-13)
メタボリックシンドローム診断基準への提言
日本版メタボリックシンドローム診断基準は、必須項目である腹囲の基準値が男性85cm以上、女性90cm以上としている。しかし、基準値については、さらに議論を深めるべきとの声も上がっている。
東京大学大学院糖尿病・代謝内科の門脇教授は、女性の場合、腹囲90cm以上を必須項目としたのでは、リスク集積者の半数以上を見逃してしまうとして、73cm以上を「境界型」に位置づける試案を作成した。同教授は、「境界型の人に対しては、メタボリックシンドローム予備軍として対応することが妥当であろう」と提言している。
9月1日付 Medical Tribune
(05-09-05)
前立腺癌の新たな検査法
ジョンズホプキンス大学の Robert H. Getzenberg 博士の研究発表によると、臨床検査において、初期前立腺癌抗原(EPCA)と呼ばれる前立腺癌と関連する新たな血液蛋白質マーカーに注目することにより、初期状態での前立腺癌の検出に成功したことが示された。また、従来の前立腺特異抗原(PSA)検査で見られる疑陽性結果の問題をうまく避けることができたとしている。
9月1日付 Medical Tribune
(05-09-05)
Chocolate - more a
food than a medicine
チョコレート − クスリよりいい食品
ココアには、赤ワインや紅茶に含まれている以上にフラボノイドが多い。フラボノイドは心臓病や脳卒中の危険因子を下げることが知られている。例えば抗酸化作用、LDLコレステロールを下げる。血小板が凝集しにくくする(塊をつくりにくくする)など。ミルクチョコレートより黒っぽいものがいいし、中でもホワイトが一番効果が強いと。
THE LANCET Vol.366 20 Aug 2005 より
(05-09-05)
ガン : 2種類の薬剤による時間差攻撃
癌の従来の化学療法は癌細胞を直接殺すが、最近開発された薬剤にはこれと
違って腫瘍への血液供給を遮断するというものがある。
化学療法と血管の成長を妨げる血管新生阻害剤とを組み合わせて時間差攻撃を行い、癌細胞にダブルパンチを浴びせるという革新的な手法が開発された。
しかしこの方法の実現には2つの大きな障害があり、第一に血管新生阻害剤によって腫瘍の血管を長期にわたって遮断すると、腫瘍に十分な濃度の化学療法剤が届かない可能性
があること、第二に血液の供給が阻害されることによって腫瘍内に低酸素誘導性因子1α(HIF1α)が蓄積すること。
HIF1αの過剰な発現は、腫瘍の浸潤性の亢進と化学療法耐性の増強に関係がある。固形腫瘍に特有のこれらの障害を克服するために、腫瘍の働きを利用した薬剤送達系「ナノセル」
が開発された。
ナノセルを使うことにより、二つの薬剤を時間をずらして放出できるようになった。これにより、最初は血管新生阻害剤により腫瘍の血管を遮断された後、化学療法剤が腫瘍内部で集中的に放出され、毒性が軽減され、治療係数が改善される。この方法はさらに薬剤を加えて拡張することも可能で、癌の「統合的」治療法のモデルになりうる。
nature 28 July 2005 Vol. 436
(05-08-04)
TIA後10年で脳卒中再発率は50%以上
ユトレヒト大学医療センターの Ale Algra 博士らは、一過性脳虚血発作(TIA)あるいは軽度の脳卒中を経験した人はその後10年間に脳卒中などの血管イベントの再発および死亡リスクが高まると発表した。
同博士らは、TIAもしくは軽度の虚血性脳卒中を発症し、オランダの24の病院で診療を受けた2400例以上の患者を対象として、生存状況を分析した
。その結果、最初の脳卒中から約10年後の時点で、患者の60%が死亡、54%が再発したという。
7月28日付 Medical Tribune
(05-08-02)
アルコール依存症者の認知障害
国立病院機構久里浜アルコール症センター精神科の松下 医長は、アルコール依存症に見られる認知障害に脳血管因子が関与する可能性があると
、第20回日本老年精神医学会のシンポジウムで報告した。
また、秋田大学保健管理センターの苗村
教授は同シンポジウムで、アルコール過飲者の脳障害と痴呆について、禁煙運動の広がりに続いて痴呆予防のためには節酒・禁酒運動が必要であると提案した。
7月28日付 Medical Tribune
(05-08-02)
第50回 日本透析医学会 より
透析患者の生命予後
国内の透析人口は2003年末で23万7710人、新規導入患者は3万3966人で、いずれも増加傾向にあるが、エリスロポエチン製剤投与などにより、導入後の生命予後が改善していることが、名古屋大学病院在宅管理医療部の中井滋 氏により報告された。
生命予後に直接影響する因子にも
透析療法においえて対人口100万患者数や生存率に地域差があることが知られているが、矢吹病院(山形県)の政金 院長は日本透析医学会統計調査に基づく解析から、透析時間や透析量(Kt/V)など生命予後に直接影響する因子にも地域差があることを報告した。
透析患者における抑うつ状態
透析患者における抑うつ状態の存在は生命予後や入院と関連性が認められることが知られている。京都大学大学院医療疫学の福原 教授は、「わが国の透析患者における医師によるうつ病診断率、抗うつ薬の処方率は諸外国に比べて低く、自己記入式うつ尺度スコアから推定されるうつ病有病率との間に大きな乖離が見られた」と報告した。
7月21日付 Medical Tribune
(05-08-02)
RBP4 protein
contributes to diabetes.
RBP4タンパク質は糖尿病にかかわっている。
脂肪組織から放出されるRBP4というタンパク質の量を増加させると、インスリン抵抗性が生じるが、減少させると逆の効果があることが見出された。また、インスリン感受性を高める薬剤がこのタンパク質を減少させることもわかった。
RBP4量を減らすことが2型糖尿病の実行可能な治療法となるかもしれないと考えられている。
nature 21 July 2005 Vol.436
(05-07-27)
高齢者の定義を「75歳以上」に変更すべき
要介護高齢者の実態調査データによると、75歳以上で要介護認定高齢者(特に中等度以上)が増加し、痴呆症が急増、医療的ケアの必要な要介護高齢者の87%以上は75歳以上であることが示され、75歳以上の高齢者では生活機能障害を持つ頻度が急増することがわかった。
健康科学大学 折茂肇 学長は第24回日本老年学会の会長講演で、「活気ある長寿社会を実現するためには、高齢者の定義を現行の65歳以上から75歳以上に変え、高齢社会にふさわしい社会全体の仕組みを構築すべきである」と提言した。
7月14日付 Medical Tribune
(05-07-27)
2004年改訂日本高血圧学会
高血圧治療ガイドライン
日本高血圧治療ガイドライン2004年版が、2004年10月に開催された第27階日本高血圧学会にてその骨子が発表された。
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日本臨床 第63巻・第6号 より
(05-07-04)
HBeAg陰性の慢性B型肝炎に対する
アデフォビル・ジピボキシルの長期療法
Long-Term Therapy with Adefovir Dipivoxil for
HBeAg-Negative Chronic Hepatitis B
S.J.Hadziyannis らの研究結果によると、B型肝炎e抗原(HBeAg)陰性の慢性B型肝炎患者において、アデフォビル・ジピボキシル治療を48週実施して得られた効果は、治療を中止した時点で消失するが、治療を144週受けた患者では効果が持続し、ウィルス耐性の発現頻度は低かったという。
N Engl J Med Jun 30, 2005
(05-07-04)
HBeAg陽性の慢性B型肝炎に対するペグインターフェロンAlfa‐2a、ラミブジン、およびその併用
Peginterferon Alfa-2a, Lamivudine, and the
Combination for HBeAg-Positive Chronic Hepatitis B
G.K.K.Lau らの報告によると、HBeAg陽性の慢性B型肝炎患者において、ペグインターフェロンAlfa‐2aは、HBeAg セロコンバージョン、HBV DNA抑制、HBsAg セロコンバージョンに基づいた評価で、ラミブジンよりも優れた有効性を示したという。
N Engl J Med Jun 30, 2005
(05-07-04)
病気V期の大腸癌に対する補助療法としてのカペシタビン
Capecitabine as Adjuvant Treatment for Stage V
Colon Cancer
C.Twelves らの研究結果によると、、カペシタビンの経口投与は、大腸癌の補助療法として、フルオロウラシル+ロイコボリン静脈内投与に代わる有効な治療法であるという。
N Engl J Med Jun 30, 2005
(05-07-04)
心筋梗塞後に突然死を起こす時期
Timing of Sudden Death after Myocardial Infarction
心筋梗塞後、突然死のリスクは最初の1ヶ月間が最も高く、その後減少する。突然死のリスクは左室駆出率が30%以下の患者でとくに高かったが、駆出率がより高い患者でも依然として高かった。これらのデータは、もっともリスクの高い患者を対象とした予防対策の実施に役立つだろう。

N Engl J Med Jun 23, 2005
(05-07-04)
インフルエンザ流行で、件数が5%増
国保中央会がまとめた今年2月分の国保医療費速報によると、インフルエンザの流行により、件数が前年同月比で5.5%増加した。また、入院外の件数は同4.6%増、老人は同3.0減であったが、一般(同8.4%増)と退職(同15.3%増)は大きく伸びた。
6月20日付 Japan Medicine
(05-06-22)
Vitamin E and Donepezil for the Treatment of Mild
Cognitive Impairment
軽度認知機能障害の治療のためのビタミンEとドネペジル
<痴呆症とビタミンE>
軽度認知機能障害(正常加齢に伴う認知機能の変化から早期アルツハイマー病に移行するあいだの状態)
796例に一日2000IUのビタミンEまたはプラボを3年間投与した結果、試験期間中のいかなる時点でもアルツハイマー病へ進行する割合はすべての患者で有意差はなかった。
つまり、軽度認知機能障害の患者では、ビタミンEは効果がなかった。
New England Journal of Medicine (June,9 2005)
(05-06-17)
Does Vitamin D supplementation prevent fractures?
JAMA 2005 May 11; 293: 2257-64.
BMJ 2005 Apr 30; 330: 1003-5
ビタミン Dサプリメント
400IUの低量を毎日服用しても、骨折を防ぐ効果は見られなかった。
700〜800IUの使用では、比較危険は26%減少させ、絶対危険では2%減少だった。
繰り返し試みても、低量サプリメントでは効果はみられなかった。
危険因子としては、70歳以上の女性で過去に骨折しているかどうか、低体重(58kg以下)、喫煙者、母方の誰かに骨折の既往があるなど。
Journal Watch(’05.6.15)
(05-06-17)
オキシトシンはヒトの信頼を増大させる
神経ペプチドであるオキシトシンは、ヒト以外の哺乳類では雌雄のつがいの絆など社会的な相互作用を促進させることがわかっている。しかし、人間同士の信頼の生物学的基盤についてはほとんどわかっていなかった。
今回発表された、E Fehr らが行った調査研究結果によると、オキシトシンの鼻腔内投与により人間同士のの信頼がおおいに高まり、社会的相互作用から得られる利益が非常に大きくなることを示したという。また、オキシトシンは単にヒトがリスクを冒そうとする傾向を高めるのではなく、社会的な相互作用を促進するように働くのだという。
nature 2 Jun 2005 Vol. 435
(05-06-08)
An actual dose of
trust. Hormone spray increases confidence.
適度な服用量で、ホルモンスプレーは確信を高める
オキシトシンというホルモンスプレーは人を信用してしまう効果があるらしい。実験でかけごとをやった際、このスプレーをかけられた人の約45%が持っているお金を全額かけてしまったそうだ。 だが、例えオキシトシンを高用量与えても、一、二度信頼を乱用すれば、3回目はだまされないらしい。
6月3日付 International Herald Tribune
(05-06-07)
がん予防8か条(これだけは守って!)
今回、国立がんセンター研究部長らがまとめたがん予防に役立つ8項目は、かなり正確なエビデンスに基づいて作られており、番号順に効果があると思われる。
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6月6日付 北海道新聞夕刊
(05-06-07)
More concern about vitamin E
supplementation
(ビタミンEサプリメントの危惧)
J Natl Cancer Inst 2005.97:481-8
A.S.Brett 博士によると、ビタミンEサプリメントはガンの進行を速め、また潜伏しているガンを引き起こすかも知れないと結論している。 このことから、少なくともガン患者はビタミンEのような抗酸化サプリメントは使うべきでない。
Journal Watch(’05.6.1)
(05-06-07)
スタチン投与でCRP(C反応性蛋白質)が下がる
−CRPは動脈硬化の進行速度とも関連している−
NEJM(2005:352:20-28)でハーバード大学 P.M.Ridker
博士らは、3,745例の患者を対象にプラバスタチン(メバロチン)を3年間投与し検討した。
LDL-C(悪玉コレステロール)値が70mg/dl未満では心疾患(心筋梗塞、狭心症)の発症が低下した。
また、CRP値が0.2mg/dl未満では、はっきり心疾患の改善がみられた。
この治療でLDL-C値が70mg/dl未満、CRP値が0.1mg/dlでは再発率が最も低かった。Ridker
博士らの結論は、「急性冠症候群(心筋梗塞や狭心症)後の患者では、LDL-Cを70mg/dl未満にするばかりでなく、CRP値を0.2mg/dl未満にすることも大切」と指摘している。
「CRPは炎症の軽減と、おそらくはアテローム性血栓症の経過を改善する上で、何らかの役割を果している可能性がある」と述べている。
今回の検討で、脂質とCRPの両者をともに低下させることの重要性が示された。
6月2日付 Medical Tribune
(05-06-07)
ヘビースモーカーは、腹部大動脈瘤のスクリーニング検査を
米国予防医療サービス対策委員会は、100本以上の喫煙歴を有する65〜75歳の男性に対し、超音波検査による腹部大動脈瘤(AAA)スクリーニングを1回受けるよう勧奨するガイドラインを発表した。
同ガイドラインでは、住民対象ランダム化4試験を受けて、5.5cm以上のAAAをスクリーニングし外科的修復術を行えば、この集団のAAAによる死亡率が低下するとしている。
今回のガイドラインは、65歳前後に1回行った超音波検査の結果が陰性であれば、将来のAAA破裂あるいはAAAによる死亡のリスクは事実上除外されると見られるとしている。
Medical Tribune Vol.38, No.21
(05-06-06)
高齢者の71%が代替医療を利用
オハイオ州立大学消費者科学 Gong-Soog Hong 教授らは、2000年の調査で50歳を超える成人の71%が鍼治療、漢方薬などの代替医療を利用していたが、2002年の調査では全成人の約62%が代替医療を利用しており、高齢者でより多い傾向が見られたと米国消費者利益協議会の年次集会で報告した。
Medical Tribune Vol.38, No.21
(05-06-06)
大豆や魚介類で長生き
一日一食のヘルシーな食事で、肥満や高脂血症は予防できると、長寿食を研究している家森幸男(京都大学名誉教授)氏が、札幌の光塩学園女子短大と共同で実施した実験結果を報告した。
実験は同短大の学生の給食を利用し、18歳〜24歳の学生約160人に実施。イドフラボンを含む大豆製品、ドコサヘキサエン酸(DHA)を含む魚介類の献立を、それぞれ5週間集中して食べた学生と、通常メニューを食べた学生を比較した。
その結果、イソフラボンやDHA強化食を食べた学生は、ともに血中の中性脂肪が、通常メニューより10〜20%減った。また寒くなる季節に増える体脂肪率に変化が見られず、1日1食だけでも効果が大きいことが分かったという。
5月26日付 北海道新聞
(05-05-27)
病原ウイルス除去効果・・・石鹸と流水による手洗いが最も有効
ノースカロライナ大学(米国)の疫学者 Sickbert-Bennett 博士らは、これまでで最も包括的かつ最大規模の手洗い用製剤比較調査を行い、病原ウイルス除去効果は従来の石鹸と流水による手洗いが最も高いことを明らかにし、米医学誌 American Journal of Infection Control に発表した。
Medical Tribune Vol.38 No.20
(05-05-25)
スタンチン製剤で脳卒中の予後が良好に
マサチューセッツ大学記念医療センター(米マサチューセッツ州)の Majaz Moonis 部長は、虚血性脳卒中の発症前または発症後にスタンチン系薬(日本国内商品名:メバロチン、リポバス、ローコール)を投与された患者は、投与されなかった患者と比較して良好な予後が得られる確立が2.6倍高かったと米国神経学会の年次集会で報告した。 同部長による研究は、先に脳卒中患者ではC反応性蛋白質(CRP)値が上昇していることが立証されたことに基づいて行われた。
スタンチンは、
1.炎症性蛋白質CRPの値を低下させる
2.上皮の炎症を緩和し、同時に血栓も抑制する
という2つの有益な作用もあることがわかっている。
同部長によると、今回の結果は禁忌でない限り虚血性脳卒中のリスクがあるすべての患者にスタチンを投与し、LDLコレステロール値を60〜70mg/dl に低下させるのが有益であることを示唆しているという。一方、今回の予備結果を確認するためにさらなる検討も必要と述べている。
Medical Tribune Vol.38 No.20
(05-05-25)
「サメ軟骨」はガン治療効果なし
米国メイヨークリニックなどの研究グループの発表によると、ガンの代替療法として日本でも利用されているサメ軟骨には、ガンの延命効果も生活の質の向上もみられなかったという。
同研究グループは、進行した乳ガンと大腸ガンの患者、男女83人に対し、標準的治療を行いつつ、無作為に選んだ42人にサメ軟骨を、残り41人に偽薬を与え試験を実施した。その結果、両群の生存率に差はなく、患者本人が評価する生活の質の点数も統計的に意味のある差が出なかったという。この研究結果は23日、米医学誌キャンサー(電子版)に発表された。
5月24日付 北海道新聞
(05-05-25)
Low-fat diets may help
breast cancer patients. Risk of recurrence found to be lower.
低脂肪ダイエットは、乳がん患者の役に立つかもしれない
(再発の危険性がより低い事がわかった)
5年にわたって乳がん患者が低脂肪ダイエットを続けると、20%以上癌再発率を減らすことができたという。さらに研究に参加した1,462人の女性のうちの181人(12.4%)は癌が回復し、普通のダイエットを維持するよう指示されていた。 1日平均33.3グラムの脂肪を消費していたが、普通のダイエットをしていた181人の女性は1日51.3グラムの脂肪を消費していた。
5月18日付 International Herald Tribune
(05-05-20)
受動喫煙は禁煙者の危険因子
周囲のタバコ煙を吸入する受動喫煙、血漿中コチニン値と呼吸器ガンおよび呼吸器疾患死の関連についての、大規模前向き研究において、タバコ煙は特に禁煙者に対して肺ガンおよび呼吸器疾患の危険因子であることが確認された。
MMJ May 2005 Vol.1 No.2
(05-05-20)
自殺死亡統計の概況(人口動態統計特殊報告)
厚生労働省大臣官房統計情報部 人口動態・保健統計課
(1) 年齢別にみた自殺
* 性・年齢階級別自殺死亡率の年次比較
男性は平成15年に50代をピークとする大きな山があるのに対し、女性は50代の山はない。また男女とも70代以上では死亡率の低下傾向が見られる。
* 総死亡率に占める自殺死亡数の割合と自殺の死因順位
性・年齢階級別に平成15年の自殺死亡数の総死亡数に占める割合をみると、男女とも「25〜29歳」が最も高くなっている。自殺死因順位は男性20〜44歳、女性15〜34歳が1位である。
(2)死亡曜日・時間別にみた自殺
平均自殺死亡数を死亡曜日別にみると、「月曜日」は男性80.7人、女性27.3人と最も多く、「土曜日」は男性53.5人、女性21.2人と少ない。 また、「祝日・年末年始」の休日をみると、1日平均自殺死亡数が男性52.6人、女性20.7人と最も少なくなっている。
(3)死亡時間別にみた自殺
平成15年の自殺死亡数を、死亡時間が確認できるものについて死亡時間別にみると、男性は0時台、5時台〜6時台、女性は5時台〜6時台、10時台〜12時台が多くなっている。一方男女ともに1時台〜2時台、7時台〜9時台、19時台〜21時台は比較的少なくなっている。
(4)月別にみた自殺
1日平均自殺死亡数を月別にみると、4月・5月がピークになっている。平成15年について1日平均自殺死亡数を性・年齢(10歳階級)別にみると、男性「70歳以上」を除き3月〜5月がピークである。女性は男性ほど3月〜5月の山が見られず、「70歳以上」では6月〜8月がピークである。
(5)配偶関係別にみた自殺
男性は平成7年、平成12年ともに「離別」が高く、「有配偶」が低くなっている。女性では、40歳以上については、「未婚」が「離別」と同程度である。
(6)手段別にみた自殺
男性は昭和28年〜35年、女性は昭和27年〜37年において「薬物」が最も多く、その後激減している。その他の年次は「縊首(いしゅ)」が最も多く、男女ともに増加傾向である。
厚生の指標(4月{Vol.52 No.4})
(05-05-18)
高血圧などリスク保有で腎疾患発症率が5倍
米国腎臓財団(NKF)は、危険因子を一つ以上有する患者が腎疾患を発症する確立は、一般人口の約5倍であると発表。
NKFの Allan Collins 次期会長によると、腎疾患危険因子としては、高血圧、糖尿病、腎疾患の家族歴などが挙げられ、こうした危険因子を一つ以上有する患者は、その半数以上が腎疾患を既に発症しているという。
Medical Tribune Vol.38 No.18
(05-05-17)
IDFがメタボリックシンドローム診断基準発表
国際糖尿病連盟(IDF)はベルリンで開かれた第1回「前糖尿病とメタボリックシンドローム」に関する国際会議で、メタボリックシンドロームの診断基準を発表した。
「内臓脂肪型」を知るために、従来は「BMI(体格指数)」を肥満の指標としていたが、今回の診断基準ではウエスト周囲経(おへそ周り)を診断の必須項目としたのが特徴。さらに4つの項目のうち2項目以上を満たす事を診断の要件とした。
| 必須項目 |
| ・腹部肥満 (ウエスト周囲径;男性≧94cm,女性≧80cm)* *ヨーロッパ人の場合 |
| 選択項目(4項目中2項目) |
| ・トリグリセライド高値(>150mg/dl) ・HDLコレステロール低値(男性<40mg/dl,女性<50mg/dl) ・血圧高値(≧130/85mmHg) ・空腹時血糖高値(≧100mg/dl) |
日本の診断基準を比較すると、@高トリグリセライド血症と低HDLコレステロール血症を別々の項目として扱っている。AHDLコレステロールの基準値に性差を設けている。B空腹時血糖値の基準値を10mg/dlと低く設定している。
民族別ウエスト周囲経も提示
ヨーロッパ人は男性94cm以上、女性80cm以上。他の国でも男性90cm以上、女性80cm以上だが、日本人では、男性85cm以上、女性90cm以上が採用されている。
| 国/民族 | ウエスト周囲径 | |
| 欧州人 | 男性 | ≧94cm |
| 女性 | ≧80cm | |
| 南アジア民族 (中国人、マレー人、インド人) |
男性 | ≧90cm |
| 女性 | ≧80cm | |
| 中国人 | 男性 | ≧90cm |
| 女性 | ≧80cm | |
| 日本人 | 男性 | ≧85cm |
| 女性 | ≧90cm | |
| 中南米民族 | 暫定的に南アジア民族の基準値を使用 | |
| サハラ以南アフリカ民族 | 暫定的にヨーロッパ人の基準値を使用 | |
| 東地中海・中近東 (アラブ)民族 |
暫定的にヨーロッパ人の基準値を使用 | |
メタボリックシンドロームの対策は、ウォーキングなどの有酸素運動を毎日行い、ダンベル体操などで筋力を維持する事。禁煙は必須。アルコールはビールなら1本(日本酒なら1合)を守ること。
Medical Tribune Vol.38 No.18
(05-05-17)
高齢者の骨折予防におけるビタミンDとカルシウムの有効性
ビタミンD3とカルシウムを単独あるいは組み合わせて摂取する事は、高齢者の骨折予防に有効とされてきたが、調査結果によるとサプリメント等でこれらを摂取してもあまり効果が得られないということがわかった。
THE LANCET (Vol.365 May7-13, 2005)
(05-05-14)
Smoking cessation,
lung function, and weight gain: a follow-up study
禁煙、肺機能と体重増加:追跡調査
禁煙は肺機能の事を考えると絶対に有益であるが、タバコをやめた後は肥満になりやすいということが明らかになった。特に男性においてはタバコをやめた後、体重増加のコントロールが必要との結果もでている。
THE LANCET (Vol.365 May7-13, 2005)
(05-05-14)
クローン牛の安全性
クローンウシの乳と肉の成分は自然に育てられた個体と変わりないことが、米国と日本の研究者たちによって報告された。
コネチカット大学の Xiangzhong Yang
らによる詳細な解析結果によると、クローン個体を対象に調べた項目についてはすべて、肉および乳製品の、食用として承認される正常範囲内にあったという。また、全体として検討項目の90%以上が非クローン個体と同等だとも述べられている。
nature DIGEST May 2005 VOL.02,NO.5
(05-05-10)
サリドマイドの復活
1950年代末から60年代初めにかけて、胎児に手足の欠損など重い奇形をもたらし、薬害の代名詞ともなった「サリドマイド」が多発性骨髄腫の治療薬として開発される見通しとなった。
サリドマイドは1957年、ドイツのグリュネンタール社によって開発された睡眠剤・精神安定剤で、「コルテガン」の商品名で市販され、日本でも鎮静剤「イソミン」や胃腸薬「プロバンM」などに使用されていた。
新たなサリドマイドの薬効の発見は、市場からサリドマイドが消えた64年、イスラエルのエルサレムにあるハンセン病院での「らい性結節性紅斑」患者へのサリドマイド投与による劇的な治療効果の発見であった。
その後、ハンセン病以外にも多発性硬化症、ベーチェット病、クローン病といった様々な難治性の自己免疫疾患にサリドマイドは薬効を発揮することが判明し、加えて、エイズに対する効果も報告されている。
さらにサリドマイド復活の大きな転機として、94年の米ハーバード大学の研究者によるサリドマイドの「抗血管新生作用」による抗癌作用の発見であった。サリドマイドは一般の抗癌剤より正常な細胞へのダメージが小さく、副作用の少ない新たな癌治療薬としても使える可能性が出てきた。
日本国内でも、サリドマイドはハンセン病の治療に使われてきたのだが、長年の国の隔離政策によって、その薬効を知る人はほとんどいなかった。国内でのサリドマイドの復活は、一人の多発性骨髄腫患者が98年春、その有効性を知ったことに始まったという。その後「日本骨髄腫患者の会」が窓口となりメキシコの製薬会社から個人輸入が始まり、年々その輸入量は急増するとともに、悲惨な薬害を起こした薬が管理されないまま流通することを危惧する声もあがっていた。
本年1月末、サリドマイドは「オーファンドラッグ」として指定されることが決まった。オーファンドラッグは、医療上のニーズが高いにも拘わらず患者数が少ないため研究が進まない難病の治療薬開発を支援する制度で、製薬会社は、臨床試験(治験)費用の補助や承認審査の優遇措置などを受けられる。厚労省はまた、欧米で承認され患者側の要望が高い未承認薬について治験制度を利用して患者の使用機会を増やす枠組みを新たにつくり、サリドマイドにも適用することを決めた。
Foresight 5月号
フォーサイトノンフィクション より
(05-05-02)
Good news for heavyweights:
Fat may be good.
体重の重い方への朗報・・・太っている事は良いことかもしれない
米国疾病対策センターと国立ガン研究所の研究者らは、アメリカ人の約8%である非常に太った状態になった時、肥満に関連するリスクがかかることが初めて明らかになったと報告した。新しい研究ではリスクを予測するのに喫煙、年齢、アルコール消費なども考慮に入れ、分析を行った。 例えば、173cmで体重が55kgだと痩せすぎ、55〜73kgが標準体重、73〜87kgが太りすぎ、87kg以上は肥満である。新しい研究では、肥満が原因で死亡する人の体重の目安は103kg以上となる。
4月21日付 International Herald Tribune
(05-04-23)
Vitamin E Supplementation
What to do ?
Journal Watch 2005年4月15日より
ビタミンEが心臓病やガンのリスクを減らすサプリメントとして人気がある。
ここでは(N Engl J Med Apr
2005;)、9541人のビタミンEと偽薬を服用した4年半の調査結果からは、どんな効果の差もみられなかったという。さらに7年の経過観察では、ガンおよびガン死、心筋梗塞、脳卒中、心臓病死、いずれにもビタミンEが有効だという結果は得られなかった。
サプリメントが市場にたくさん出回っており、誇大広告で購買を煽る傾向が強くなっている。アガリスクがガンにも効く、末期ガンから回復したかのように広告したり、そんな著書がみられるのは、ほとんど根拠のない“にせもの”なので十分気おつけたらよい。
その内に、サプリメントの効果も合わせてエビデンス集に公表されるはずです。“にせもの”に呉々も騙されないよう用心のこと。
慶友会
(05-04-21)
When sports drinks kill
運動中の水分補給によって命を落とす時
研究により、マラソン選手がレース中飲み物を大量に摂取した場合、血液が薄められ、状況によっては昏睡状態、または死亡する可能性があることがわかった。例えば2002年のボストンマラソンでは、28歳の女性が水分補給をしていたにもかかわらずレース中に倒れ、脳死と判断された。その後の調べで彼女の血液中の塩分濃度が極めて低かったことがわかった。 スポーツ当局は、運動中に飲み物を大量に摂取しないよう、呼びかけている。
4月15日付 International Herald Tribune
(05-04-21)
メタボリック症候群の診断基準
日本内科学会など8学会は、「メタボリックシンドロームの疾病概念と診断基準」をまとめた。
それによると、
疾病定義は、内臓脂肪の蓄積により発生するインスリン抵抗性、糖・脂質代謝異常、高血圧を複数合併する症候群で、動脈硬化になりやすい病体
診断基準は、ウエスト周囲が男性85cm、女性90cm以上ので、次の1〜3のうち二つ以上があてあまる症例。
高中性脂肪血症と低HDL−コレステロール血症
中性脂肪150mg/dl以上、または HDL-コレステロール40mg/dl未満
高血圧130/90mmHg以上
収縮期130mmHg または 拡張期90mmHg以上
高血糖
空腹時血糖 110mg/dl以上
(05-04-15)
ボストンマラソンの走者における低ナトリウム血症
Hyponatremia among Runners in the
Boston Marathon
マラソン中の低ナトリウム血症の発症は、ときに死を招く深刻な結果につながる可能性がある。2002年ボストンマラソンの走者488人を対象とした研究では、13%に低ナトリウム血症がみられ、0.6%が重度の低ナトリウム血症(血清ナトリウム濃度120mmol/L未満)であった。レース中の体重増加、長いレース時間、および極端な体格指数が、低ナトリウム血症と関連していた。体液バランスを監視し、調整するための取り組みを積極的に行うことにより、その大部分が予防可能である低ナトリウム血症の発症率を減少させられる可能性がある。
N Engl J Med Apr 14, 2005
(05-04-14)
ガンの種類別長期生存者数

(05-04-12)
年齢別主要死因の割合

(05-04-12)
都道府県別平均寿命

(05-04-12)
月曜日には魔物が潜む!?
| コメント:
脳卒中・心筋梗塞の月別でみる死亡は、1月、12月が多く、6・7・8・9月が少ない月になっています。暑さ・寒さでみると12月、1月の寒い時期が要注意です。気圧の変化も関係しているのかも知れませんが。 月曜日の魔物を「エビデンス」で解明してほしいものです。 慶友会 |
4月11日付 日本経済新聞
(05-04-11)
Healthful benefits seen in
teen diets with zinc.
10代の食事で亜鉛を取ることは健康に良いと思われる
米国会議の論文によると、10代の脳に亜鉛が良いと書かれていた。 1日あたり9〜11mgの亜鉛を摂取することが望ましく、また亜鉛は脂肪のない赤肉、魚などから摂取することができる。
4月7日付 International Herald Tribune
(05-04-09)
女性における低用量アスピリンと心血管疾患
Low-Dose Aspirin and Cardiovascular Disease in
Women
男性では、低用量アスピリンで心筋梗塞が予防されるが、脳卒中は予防されない。
健康な女性を対象とした、低用量アスピリンに関する大規模試験によると、心筋梗塞のリスクは低下しないが、脳卒中のリスクは有意に低下するという、男性とは反対の結果が得られたという。この結果は、出血性脳卒中のリスクがわずかに増加したものの、虚血性脳卒中のリスクが低下したことによる。
心血管疾患予防を目的とした低用量アスピリンは、男性と女性で異なる効果をもつと考えられる。
N Engl J Med , 2005; 352
(05-04-06)
アスピリンの女性心血管疾患予防効果について
Aspirin for Primary Cardiovascular Prevention in Women
アスピリンが心筋梗塞のリスクを減らすことは知られている。しかし、女性についての効果に関してははっきりしない。
この度(平均55歳)で冠疾患、脳血管疾患のない健康な女性40000人にアスピリン(毎日100mg)投与群と偽薬投与群で10年間経過を観察したので報告する。
脳卒中と一過性脳虚血発作はアスピリン投与群で有意に減少した。
心筋梗塞については両群の間に差はみられなかった。
消化管出血はアスピリン投与群で多く、輸血を必要とする出血はアスピリン投与群の1000人に2人の割でみられた。
N Engl J Med , 2005; 352
(05-04-06)
米国の人口当たり医師数を1とした場合の日本の医師数
日本醫事新報 bS221 NEWS より
| コメント:
米国に比して脳神経外科医や整形外科医が多く、小児科医や麻酔科医が少ない 慶友会 |
(05-03-30)
急性感染症またはワクチン接種後の心筋梗塞と脳卒中のリスク
ロンドン大学衛生学・熱帯医学部(ロンドン)の Liam Smeeth 博士らは、500万例以上の電子カルテの分析から、呼吸感染症に罹患すると心筋梗塞と脳卒中のリスクが著しく上昇すること、特に診断後3日間のリスクが最も高いことを見出した。一方、一般的な予防接種後にこれらの疾患が増加することはなく、インフルエンザや破傷風、肺炎などのワクチンを接種しても、明らかな血管イベントリスクの上昇は認められなかったことを、New England Journal of Medicine に発表した。
Medical Tribune Vol.38 No.6
N Engl J Med , 2005; 351: 2611-2618
(05-03-28)
New vaccine could save
thousands of lives in Africa.
新しいワクチンはアフリカの何千人もの命を救うことができるだろう。
西アフリカでテストされた新しいワクチンは、毎年何千人もの細菌感染で死亡している貧しい田舎の子供達の命を救うことができるだろうとしている。
この新しいワクチンはPrevnar(肺炎球菌ワクチン)の強化バージョンである。Prevnarは2000年以来広くアメリカの子供たちに投与されているもので、肺炎球菌による重篤感染を予防している。
3月27日付 International Herald Tribune
(05-03-28)
Anti-tumor drug extends lung
cancer patients’ lives.
肺癌患者の延命に効果のある薬
アバスティン(Avastin)という薬は肺癌患者の延命を助け、血管造成を抑制する薬であることがわかった。NCIによると、chemoだけを投薬すると平均10.2ヶ月延命効果があるのに対して、Avastinとchemoを併用して投薬をすると平均12.5ヶ月の延命効果があることがわかった。 しかし、この薬はまだ日本では未発売である。
USA Today 2005.3.15
(05-03-23)
The Ultimate Pill ?
究極の錠剤
禁煙や心臓病予防にも効果?究極の“抗肥満薬”
フランスの大手薬品メーカー、サノフィ・アベンティス社は「アコンプリア」という新薬の発売準備に取りかかっている。
この薬は肥満治療に効果があるだけでなく、禁煙や心筋梗塞の予防などにも効果があるという優れもの。1年以内にはFDA(食品医薬品局)の承認が予定されている。「アコンプリア」はもともと抗肥満薬として開発された。空腹感をもたらすカンナビノイド細胞レセプターをブロックすることによって体内脂肪を減らす。と同時に、心臓へのリスク要因を低下させることも発見された。
さらに、血糖を下げ善玉コレステロールを25%も増やし、血液中の脂質を下げ動脈の炎症を抑える効能があるという。この結果、心筋梗塞や脳出血で年間死亡するアメリカ人(90万人)の数が減少するのではと期待されている。
Forbes 日本版 4月
| コメント:
本当にこんな夢のような薬が開発されたのか疑問視する向きもある。 慶友会 |
(05-02-28)
50才代男性の自殺が高率に
厚労省が1月28日に発表した自殺死亡統計の概況によると、平成15年の自殺者数は3万2109人で、男性は50才代を中心に死亡率が高く、過去の傾向と大きく異なっていることが示唆されている。
| 月 | 週 | 日 | 年代 | |||
| 多 | 少 | 多 | 少 | 多 | 多 | |
| 男性 | 5月 | 2月 | 月曜日 *1 |
土曜日 | 朝5〜6時 *2 |
50才代後半 |
| 女性 | 5月 | 2月 | 月曜日 *1 |
土曜日 | 昼12〜1時 *3 |
30才以降 緩やかに推移 |
*1 月曜日に自殺が多いのは、楽しいはずの週末がなかったことによる落ち込み
*2 男性で朝多いのは、活動的になりかけの時間帯であること
*3 女性は家族が家を空けていなくなった昼の時間帯に多い
日本医事新報 No.4215 2月5日 より
(05-02-25)
Preventing Nursing Home
Pneumonia Good Dental Care
よい歯の手入れは、ナーシングホームでの肺炎を予防する
積極的に歯の清掃・手入れをすると、35〜40%の肺炎罹患率を減らすことができると、アビゲイル・ツガー博士は報告している。
Clin Infect Dis (Jan)
(05-02-25)
Vietnam to test vaccine
ワクチンテストをするベトナム。
ベトナム人科学者は、数週間に13人を殺した鳥インフルエンザウイルスに対して、新しいワクチンを人間の体でテストを行うと報告。
今月、Hoang Thuy Nguyen
(2003年後半以来アジアで45人を殺しているH5N1ウイルスに対してワクチンを捜し求めるグループの代表)は、ワクチンを猿でテストしたと伝えた。
2月21日付 International Herald Tribune
(05-02-21)
Vaccine can prolong cancer
patients’ lives.
癌ワクチンは癌患者の人生を長くすることができる
癌ワクチンは癌患者に対して、少し長く生きることの手助けができる、と米国の研究者は報告した。
プロベンジと呼ばれる治療法のワクチンは、患者の自己の免疫システムが癌と戦うのを助けるように設計されている。
これは癌治療のいくつかの実験的なアプローチの1つである。
2月21日付 International Herald Tribune
(05-02-21)
60才以上の突然の背痛には膵ガン検査を
ハイデルベルク大学病院(独ハイデルベルグ)外科の Friedrich H. Schmitz-Winnenthal 博士らは Schweiz Med Forum(2004; 4: 553-557)で、膵ガン患者の予後を改善するには、より正確な診断を早期に下すことの重要性をあらためて指摘し、特に60才以上の患者で突然の背痛か糖尿病新規発症のいずれかを認める場合には、膵ガンを疑ってみるべきとしている。
膵ガンの3/4は膵頭部に発生し、胆汁うっ滞により無痛性黄疸、無胆汁便、痒み、暗色尿などの症状の他、上腹部痛、背痛、全身状態の低下、食欲不振、体重減少などの非特異的症状を生じることも多い。
Medical Tribune Vol.38 No.6
(05-02-16)
Polio in Mecca raises new
fears of outbreak
ポリオ流行の恐怖がメッカで高まっている。
先月200万人のイスラム教徒の巡礼がサウジアラビアのイスラム聖地メッカに入る前に、ポリオが到着(reach)していたことをWHOが明らかにした。
巡礼には数週間かけてバスか船で帰る貧しい国からの人々が多く、それぞれ帰っていった地でポリオが拡がり、世界中に蔓延させるかも知れない。
サウジアラビアでは1995年以後ポリオが発生していなかったが、昨年2人の発症があった。1人は11月6日にメッカについてスーダンの少女で、2人目はナイジェリアからの5才の男子で12月5日に発症している。
「3月に入って大丈夫なら安心していい」と。
流行はほとんどがムスリムザールで、マリからエチオピア、パキスタン、北インド、アフガニスタンやエジプト。
「テロの前に、我々の最も大きな関心事はポリオ」だという。
2月13日付 International Herald Tribune
(05-02-14)
生活習慣病で進む認知症
糖尿病など生活習慣病の患者や喫煙者は、認知症(痴呆)の病状も進みやすいことが、米国の民間研究チームによる住民の追跡調査でわかった。糖尿病、高血圧、高コレステロール、喫煙の四つの要因が重なると認知症が進行する危険性は倍増するといい、米国神経学会誌で報告された。
この調査は、北カリフォルニアの40〜45才の男女約9000千人の健康状態を、27年間にわたり追跡したもので、このうち認知症になったのは糖尿病患者で46%、高コレステロールで42%、高血圧で24%、喫煙者で26%に上ったという。
2月7日付 読売新聞より
(05-02-08)
ベトナムが悩むインフルエンザとの戦い
昨年の鳥インフルエンザ流行ではベトナムの取り組みは効果を上げたが、対策を継続する資金、資源の不足が研究者を悩ませているという。
nature 13 Jan 2005
(05-02-01)
ガン治療の新たな標的、Pokemon タンパク質
ガンの進行の鍵をにぎるタンパク質 Pokemon の役割が明らかになった。Pokemon タンパク質は、ARF とよばれる重要なガン抑制遺伝子の生産を直接減少させる。血液のガン、乳ガン、肺ガン、大腸ガン、前立腺ガン、膀胱ガンの一部では、Pokemon が高いレベルでつくられていることもわかった。
nature 20 Jan 2005
(05-02-01)
津波被害・・・結核大流行も
スマトラ島沖地震と津波で被害を受けたインドネシア・アチェ州で、結核や破傷風、マラリアなど感染症の拡大の危機に直面していることが1月28日、世界保健機関(WHO)や自衛隊医療関係者らの報告で分かった。
アチェ州で被災者支援にあたっている陸上自衛隊の診察所には、結核が疑われる患者の診療が最近増えているという。また、WHOによると、医療施設を訪れて診察を受けた患者だけで約100人の破傷風患者の発生が報告されているという。さらに、マラリアについても、避難民キャンプの被災者や、避難所警備のため移動してきたインドネシア軍兵士が発症したとの報告があるという。
1月29日付 産経新聞
(05-02-01)
1日平均3合以上の飲酒はガン発生率1.6倍
お酒をたくさん(平均して1日当たり日本酒換算で3合以上)飲む男性は、お酒を時々しか飲まない人に比べ、ガン全体の発生率が1.6倍になることが、厚生労働省研究班による多目的コホート研究の調査で分かった。
さらに、多量の飲酒を避けていれば何らかのガンにかからなくてすんだ人の割合の推計は、13%にのぼった。また、男性の場合、飲酒に喫煙が重なるとガンの発生率が最大1.9倍まで高くなった。一方、非喫煙者では、飲酒量が増えてもガンの発生率は高くならなかったという。
Japan Medicine 1月17日 より
(05-01-24)
WHO sees measles as a major
Ache risk.
WHOははしかが、生命をおびやかすリスクがあると考えている
津波被害のあったインドネシアの領土で、今度は何十万人もの津波生存者が病気の危険にさらされている。19日の水曜日、世界保健機構の発表によると、医療班が、はしか、マラリア、および下痢の発生を防ぐ対策を実施しているようである。しかし、約30〜40%の子供達が はしかによって死亡すると予測しており、もしかするとそれ以上の死亡率になるとも考えられている。
1月20日付 International Herald Tribune
(05-01-24)
Another mad cow
別種の狂牛病
今回カナダのアルバータ州で’03年5月以来3例目の狂牛病が発見された。今回の発見で重要なのは、
この牛が“動物性たんぱく質を食べることを牛に禁止するのが、病気の蔓延を防ぐ”という制限の後に生まれた牛だということ。
また、さらなる重大な障害は3月7日にカナダから牛の輸入を再開する米国農務省の計画です。
この牛がどのようにして感染したか、また禁止令がどう違反されたかどうかも、まだ誰も知らない。
今後カナダとアメリカの牛は狂牛病の検査をきびしくチェックしていく方針だという。
1月20日付 International Herald Tribune
(05-01-24)
医療訴訟増加の一途
医療ミスを理由に、患者側が医師らに賠償緒を求める「医療訴訟」が増加している。平成6年には全国で506件だったのが15年にはほぼ倍の約千件にに増加した。東京地裁の佐藤陽一裁判官は医療訴訟急増の原因として「証人として出廷し、患者側に協力する医師が増えたことが大きい。インターネットなどで、判例が簡単に見られるようになったことも一因」、「提訴の動機は、ミスの内容より説明不足による不信感であることも多い。患者とうまくコミュニケーションができない医師が増えたことも、背景にあるのでは」と話す。また、争点整理したり集中して証拠調べを行うなど効率的な審理を徹底したところ、判決や和解などで審理が終結するまで3〜4年かかっていた医療訴訟の1審は平均1年半に短縮された。「医療事故調査会」代表世話人の森功・八尾総合病院長は「賠償金の高額化で医療訴訟を扱いたがる弁護士が増えてきている」と明かした上で「訴訟は患者と医師の信頼関係の否定であり本来好ましくない。事故内容によって医療機関が払う金額を一律に決めておくなど、当事者同士が紛争抜きで納得出来るような方式を取り入れることも必要」と話す。
1月11日付 産経新聞
(05-01-12)
Heart studies take aim at
bad protein
心臓病の研究の標的は悪玉タンパク質に向けられている
英国の医学誌である N Engl J Med 誌にによると、コレステロールとCRP(C反応性蛋白)を下げるスタチン製剤を常時服用する重症の心臓病患者における研究で、コレステロール値を下げるのと同じくらいCRP値を下げることが、心臓病発作や心臓病死の予防に重要であることが報告された。
CRP値の低レベル化は、アテローム性動脈硬化、心臓病、心臓発作の予防、心臓病死に対する延命効果と強い関連があり、CRP値が低下するにつれコレステロール値の 低下の程度に関わらず冠疾患リスクが低下したという。
こららの結果はコレステロール値とCRP値の両方をモニタリングすべきであることを示している。
1月7日付 International Herald Tribune
(05-01-08)