2010年1月21日
ウエルカムトラスト・サンガー研究所のE.D.プリーサンスらは、がんと遺伝子について報告している。
その1. タバコとがん
たばこはDNAに結合して突然変異を起こす60種類の科学物質を介してがんを生じさせる。
小細胞肺がんで、タバコ煙の複数の発がん物質が遺伝子配列の特定の塩基に変異をおこさせている可能性があるという。
その2. 悪性黒色腫とがん
リスク因子として知られる紫外線曝露によってDNA損傷をおこしている一方、変異がゲノム全域にわたって不均等に分布し、DNAの修復が転写領域に対して選択的に行われている。
これらの結果は、がんゲノム配列は、がん徴候が現れる何年も前に起こっていたDNAの損傷、修復、変異および選択の過程を明らかにするのに役立つ。
Nature 1月14日2010年
2010年1月14日
雲南省の北東部にある宣威県で、喫煙しない婦人の肺がんによる死亡が他地区に比べて20倍と高率で世界中のどの地区よりも高い。
科学者のグループ調査によると、この地区の石炭に含まれるシリカが高濃度であることがわかった。
テキサス大学のR.B.フインケルマン教授の調査では、石炭に含まれる一般的には痕跡程度の微量であるシリカ濃度が13.5%と高いという。
2億5000万年前の火山の噴火が関係しているのではないかと調査がすすめられている。
いずれにせよ、高率に発症するがんが、石炭を燃やしたときの蒸気などを吸い込むことによるものらしいが、それがシリカによるのかどうかをこれからも明らかにしていかなければならない。
IHT1月13日号
2010年1月 6日
京都大学の岡村均教授は、マウスで実験。
生体リズムを壊したマウスでは、「副腎から体内の塩分量を一定に保つ作用があるホルモンが過剰に出ている」ことがわかった。さらに副腎の遺伝子解析で、このホルモンを作る「水酸化ステロイド脱水素酵素」が通常の5倍以上あることも判明。マウスに食塩を与えると高血圧になった。
このことから、不規則な生活がすでに高血圧への“準備段階”になっていることがわかった。
2009年12月14日 「ネイチャー・メディスン」(電子版)
岡村教授は、
「この酵素は人にもあり、同じ作用をする可能性が高い」といい、「不規則な生活で不健康になる一面が科学的にも証明された」という。(今までは疫学的調査によるものだったが)
2009年10月20日
CDC(米疾病管理予防センター)のE.S.Ford博士は、「死因の大部分を占めるがん、脳卒中や心筋梗塞はその大半が予防可能とされる。喫煙や運動、食生活、体重など変容可能なライフスタイルがこれらの疾患に関連していることは多くの研究で明らかにされている。」と指摘している。
博士らは、①非喫煙 ②BMI30未満 ③週に3時間半以上の運動 ④果物や野菜を多く摂取し、肉の消費を抑える健康的な食生活の4つの要素をどの程度遵守しているかを評価した。
2万3,513人を7.8年間追跡し、この間に2,006人が糖尿病(3.7%)、心筋梗塞(0.9%)、脳卒中(0.8%)、がん(3.8%)を新たに発症した。
健康的なライフスタイルの要素をより多く有する人ほど、慢性疾患の発症は低かった。
1.ベースラインで、4項すべて健康要素を有していた人では、1項目も有していなかった人に比べて慢性疾患のいずれかを発症するリスクは78%低かった。
2.4項目の健康要素は、糖尿病の発症リスクを93%、心筋梗塞リスクを81%、脳卒中リスクを50%、がんリスクを36%減らすことが示された。
3.要因別にみると、最も大きなリスク低減要因は②BMIで、次いで①非喫煙、③週に3時間半以上の運動、④健康な食生活の順で低減が大きかった。
Archives of Internal Medicine2009 169;1355-1362
Medical Tribune 10月8日 2009年 vol.42 No.41
一般の方には仲々目にされないと思うので、「4項目の健康要素が慢性疾患リスクを低減」から一部を変えて載せています。詳しくは上記を参照下さい。 慶友会
2009年9月29日
"Journal of Clinical Oncology"オンライン版(9月8日)に報告されている。
①肥満
BMI30以上は、25未満に比べてリスクが40%高い
②飲酒
1週間に7杯以上のアルコールは飲酒なしと比べて90%リスクが高い
③喫煙
喫煙歴なしと比べて120%リスクが高い
臨床試験データが必要だが、肥満・飲酒・喫煙は、対側性乳がんの危険因子である可能性がある。
Japan Medicine 9月18日号から