バーチャル内視鏡による大腸がん診断

 67回日本医学放射線学会で、CT大腸内視鏡(CTC)が実用的な検査として普及しつつあることが多くの報告から確認された。国立がんセンターでは、2001年からMulti-detector row CT(MDCT)を用いて大腸術前診断およびスクリーニングに適した3D表示法の開発をすすめ、臨床応用を目指して開発してきた。
 現在では、MDCTを用いたCTCは診断上の要求をほぼ完全に解決している。

検診方法の比較

  感度
得異度
侵襲 簡便性
迅速性
費用 前処置 熟練
理想 なし
便潜血 なし
注腸 ある
内視鏡 ある
3D-CT 高? ~少

 今後の大腸がんスクリーニング

便潜血・大腸がん特異性便内蛋白質
 ↓        ↓
 大腸がん高危険群の設定
CT-colonography
・大腸内視鏡や大腸X線と比べて多くの人数の検査が可能、費用を下げることが可能

・X線被曝の軽減

 

Medical Tribune 7月3日より

(08-07-07)

ポリオ(急性灰白髄炎)のナイジェリアと西・中央アフリカでの流行

 2008年6月18日北部ナイジェリアで野生株ポリオ(WPV1)の新たなアウトブレイクがあり、拡大しはじめている。2008年は前年と比較して9倍になっており、2003~2006年のように国際的な大流行を起こす可能性がある。2008年の全世界でのWPV1(ポリオ)の86%がナイジェリアでの発生がである。

コメント:この地区への旅行者は、必ずワクチン接種を受けていること。ポリオ感染は、ナイジェリア北部や西部でも確認されており、ナイジェリア北部からは3型野生株ポリオ(WPV3)も報告されている。 また、このニュースの中で、ポリオの国際的拡大の危険性は、

  1. ナイジェリア北部の流行規模の大きさ

  2. 雨季の到来

  3. ハツジといわれる大規模な人口移動をもたらすサウジアラビアのメッカへの巡礼

に関係してくる。
 

WHO 6月18日より

(08-06-27)

肺のがんをラジオ波焼灼療法(RFA)で治療

 Riccardo Lencioni(伊 Cisanello University Hospital)らの研究グループは、「RAPTURE study」を実施し、肺のがんに対するRFAの可能性や安全性、有効性を検証した。
 106人患者(がん直径3.5cm以下)で、その内訳は非小細胞肺がん33人、大腸からの肺転移53人、その他の部位からの肺転移が20人。合併症は気胸、胸水で、死亡は認められず、肺機能の有意な低下は認められなかった。有効性については、少なくとも1年完全奏効が継続した患者は、評価可能例88%だった。
 著者らは「RFAは肺に小さな腫瘍のある多くの患者で、成功裏に治療できる可能性があり、このことが今回の臨床試験で示唆されている。RFAの安全性もまた、受け入れ可能で、RFAに関連した死亡や生命を脅かすような合併症も認められなかった。肺の腫瘍に対するRFAの臨床上のべネフィットを証明するために、RFAを外科的でない標準療法と比較するランダム化臨床試験が今、求められている」と述べている。

Japan Medicine 6月23日号より

(08-06-26)

PSA検査

 厚労省は、PSA検査は死亡率減少効果を示すエビデンスが不十分として「対策型検診」として推奨しないとした。これは日本泌尿器科学会のガイドラインの「住民検診あるいは人間ドック検診として前立腺がん検診を行う場合、50才以上を対象とすることが望ましい」、「スクリーニング検査としては、PSA測定が妥当である」とした見解と相対するものである。

コメント) PSAは、感度も高く、前立腺がん検診として優れていると判断し、50才以上の方には今まで通り定期的に検査するようにすすめている。

(08-06-16)

動脈硬化にはリノール酸の摂取量を減らすこと

 金城学院大の奥山治美教授らの報告から(Japan Medicine6月6日号)体内には20種類以上の脂肪酸があるが、脂肪酸の流れは3つに大別されている。

  1. 飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸系列

  2. リノール酸系列(n6)

  3. α-リノレン酸系列(n3)

リノール酸もα-リノレン酸も必須脂肪酸だが、リノール酸の取りすぎは、リノール酸・アラキドン酸カスケードの亢進を引き起こす。それが、がんや動脈硬化性疾患(心筋梗塞や脳卒中)、アレルギー性疾患などの誘因になる。

1)一番大切なのはリノール酸の摂取を減らすこと。(日本人は1日13~15g、必要量は2g)目標を1日7~8gにする。

2)n6/n3比の低い油脂(魚油、シソ油、エゴマ油、アマニ油)が発がんを抑制する。

Japan Medicine 6月6日号より

(08-06-10)

乳がん マンモグラフィーへの超音波検査の追加

アメリカ、カナダ、アルゼンチンの21医療機関から2809人の女性の検査結果から、
① マンモグラフィー単独により1000人の女性当たり8人に乳がんが見つかった。偽陽性のため生検(針)を受けた女性は1000人当たり25人だった。

② マンモグラフィーと超音波検査の併用により1000人当たり12人に乳がんが見つかった。偽陽性で検査を受けた女性は1000人当たり93人だった。

問題点
1.超音波検査併用で4人多く乳がんが見つかったが、偽陽性も(93-25)68人多くなった。
2.マンモグラフィーと超音波の併用でも乳がん5人のうち1人は見逃された。

現在のところ、併用でいく方法がとられるべきだが、乳がん検診はこれからも検討してよりよい方法を模索していかなければならない。

Japan Medicine 5月19日号より

(08-06-07)

前立腺がんの検査を

 50歳以上の男性にはPSA(前立腺特異抗原)検診を推奨する。日本泌尿器科学会は、前立腺がん検診ガイドラインを公表した。
2006年の調査では全国の市町村の70.2%でPSA検診が行われているが、実際の受診者は50才以上の男性の5~10%にすぎない。米国では、PSA検診を70%以上の人が受診した結果、がん死亡数が減少している。
PSA検診を普及させるように、啓蒙活動が今まで以上に必要である。


 (08-06-06)

メタボ診断の至適ウエスト周囲径は

 現在特診保健指導における診断基準はウエスト周囲径が「男性85cm以上、女性が90cm以上」と規定している。東北大学の多田智洋先生は、ウエスト周囲径とリスク保有数を検討し「男性85cm、女性80cmが適切な基準」であるとした。今後、より適切なウエスト周囲径の検討を行う必要があるだろう。

 

(08-06-06)

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン

 4月12~15日に横浜市で開かれた第60回日本産婦人科学会で、筑波大の松本光司先生が、HPVワクチンについて発表した。子宮頚がんの原因のひとつHPVの感染率は10代で45.6%、20代で32.6%、30代で25.1%、40代で22.0%である。
 前がん病変である頚部上皮がん(グレード2.3)および上皮内がんの予防効果は、ほぼ100%と高い。免疫応答は、16~23歳の女性よりも若い女性の方がよく、年配女性で悪くなる。松本先生は、感染する前にワクチンを集団接種させる必要を強調している。
 欧米では、ワクチン接種への公費補助や民間保険での接種義務化も行われているが、日本では認可までまだ2年ほどかかる見込みという。

(08-06-06)

 

メタボリックシンドロームは糖尿病を予測するが、循環器疾患との関連ははっきりしない

 Naveed Sattar教授(英 グラスゴー大学)の研究チームは高齢者を対象に7年間追跡し、循環器疾患のリスク上昇にははっきりした関連がなく、糖尿病には7倍以上のリスク上昇に関連していた。
 


5月26日Japan Medicineより

(08-06-06)

モノクローナル抗体の産生を促進する

 Wrammertらは、特定の病原体に対する生体の免疫応答がピークとなる時期を突き止めることで、ヒトモノクローナル抗体を効率よく作り出す新しい手法を開発した。
 インフルエンザの追加ワクチンを接種した個体では、血中のインフルエンザウイルス特異的IgG陽性抗体を分泌する細胞の数は、ワクチン接種後1週間で最大となり、末梢血中の全B細胞の6%以上を占めるようになる。この時期に、B細胞を採取することで、標的となるモノクローナル抗体 を作製できるようになった。
 全行程には1ヶ月ほどしかかからず、従来のモノクローナル抗体作製法よりもかなり短い。この方法は、ワクチンが有効なあらゆる感染症に対して応用可能と考えられる。

慶友会からのコメント

通常のワクチン作製には6ヶ月以上かかるが、この方法で、H5N1型が新型鳥インフルエンザウイルスのパンデミックがきた時に応用できれば多くの命が救えると思うが。

2008,5,29 Nature 453より 

(08-06-03)

肺がんの感受性遺伝子座は第15染色体q25上のニコチン性アセチルコリン受容体サブユニットをコードする遺伝子に存在する

  肺がんと強い関連を示す遺伝子座を、第15染色体q25の領域に見出した。この遺伝子要因により肺がん症例の14%が証明される。

国際がん研究機関(仏)カリフォルニア大学バークレー校(米)R J Hungら

(08-06-03)

ニコチン依存症、肺がん、末梢動脈疾患に関連する変異

  第15染色体q24のニコチン性アセチルコリン受容体遺伝子クラスターに存在する、喫煙量、ニコチン依存症、および2つの喫煙関連疾患のリスクに影響を及ぼす共通の変異

2008.4.3 Nature 452デコード・ジェネティクス社(アイスランド)T E Thorgeirssonら

(08-06-03)

スタチン系薬で肺炎による死亡が半減

 Audie L.Murphy記念復員軍人病院・テキサス大学保健科学センターのEric Mortensen博士は、スタチン系薬服用により肺炎による死亡リスクが低下したと発表した。
Mortensen博士は、スタチン系薬とACE阻害薬の影響を調べるため、患者コホートを分析し、入院後30日の死亡率を調べた。対象は、2000年に肺炎またはインフルエンザで入院した65歳以上のHIV陰性患者である。その結果、入院30日以内に10人に1人が死亡していたが、スタチン系薬かACE阻害薬、あるいは両方を服用していた患者ではその割合ははるかに低かった。スタチン系薬のみを服用していた患者では、死亡リスクはほぼ半減した。

European Respiratory Journal (ERJ, 2008; 31: 611-617)
5月8日 Medical Tribuneより

 ちなみに、 吉田病院で使用しているスタチン系薬は、メバロチン、ローコール、リピトール、リバロ、クレストールなどである。

(08-05-10)

大豆含有のゲニステインに前立腺がん転移抑制の可能性

 ノースウェスタン大学Robert H.Lurie総合がんセンター実験治療学のRaymond C.Bergan部長らは、大豆に含まれている化合物がマウスにおいてヒト前立腺がんの肺への転移を96%抑制したと発表した。 この化合物は、ゲニステインという抗酸化物質で、ヒトが大豆を摂取する量に相当する。 

Cancer research(2008; 68: 2024-2032)
5月8日 Medical Tribuneより

(08-05-10)

HIPOP-OHP (The High-risk and Population Strategy for Occupational Health Promotion)

  1999~2004年(平均3.4年)の追跡で、対象は国内の上場企業12社6.498例(女性20.9%)中受動喫煙で1.81倍、能動喫煙で1.99倍の糖尿病リスクが上昇した。
 特定保健指導では、禁煙に対する指導が糖尿病発症の面からも厳しく施行されなければならない。

厚労省「青・壮年者を対象とした生活習慣病予防のための長期介入研究」
主任研究者:滋賀医科大学 上島弘嗣教授の成男(diabetes care 2008;31:732-734)

(08-04-28)

のり状で投与 注射を上回る

 厚労省研究班の調査によると、薬害C型肝炎問題で、血液製剤フィブリノゲンの投与記録が残っていた患者計7406人のうち、ほかの製剤と混ぜてのり状にした「フィブリン糊」を単独投与された患者は2907人、全体の39.3%だったことが判明した。

4月23日 日経新聞より

(08-04-23)

4タイプのHPVワクチンで100%の効果

 ウィーン大学(オーストリア)産科婦人科のElmar Joura 准教授らは「ヒトパピローマウイルス(HPV) 6, 11, 16, 18型ワクチンは、投与から4年後の時点でHPV関連のグレード2と3の子宮頸部上皮内新生物と子宮頸部腺がんに対して97~100%有効であることが判明した」と第19回国際抗がん療法学会で報告した。

Medical Tribune 4月17日 より

(08-04-18)

肥満が複雑になってきた

 Obesity get complicated ヒトの多因子疾患は、多くの遺伝的、環境的要因の相互作用により発症される。 肥満度指数(BMI)の高い人では、脂肪組織での遺伝子活性化に特徴的なパターンが見られる傾向がある。血液では、パターンがはっきりしなかった。(Valur Emilsson ら)Nature452:423

 マウスを用いた肥満、糖尿病およびアテローム性動脈硬化に関連する代謝形質と相関する遺伝子発 ネットワークの乱れが調べられ、今まで肥満遺伝子であることが知られなかった。 Lpl (lipoprotein lipase), Lactb (lactamaseβ), Ppm1ℓ (protein phosphatase 1-like)の3つが同定された。この「分子ネットワーク」から、肥満、糖尿病の治療は1個か2個の特定遺伝子に対してではなく、「病因ネットワーク」全体に対して行なった方がよさそうだ。(Yanging chen ら)Nature 452:429

(08-04-10)

毎日30分のウォーキングで死亡率低下

 ワシントンVA医療センターのPeter Kokkinos 博士は、中年と高齢者のほとんどは適当なペースで1日30分、1週間に5~6日ウォーキングすれば、健康を維持できると発表した。 また、30分でも負荷が大きすぎる人は、午前中に10~15分、夕方さらに10~15分と2回に分けて歩けばよい。

Circulation 117:614 2008 (Medical Tribune 3月20日)

(08-04-08)

発見しにくい膵がん

 メイヨー・クリニックのSuresh Chain教授らは、膵がん患者の40%はがんが診断される前に糖尿病の診断を受けていたという。 糖尿病の発症は、がんの診断より何ヶ月も前にさかのぼり、なかには2年前の例もあったという。

Gastro enterology 134:95 2008

慶友会からのコメント

 まず糖尿病の人は、エコー、造影CTで膵臓をチェックしよう。まずは年に1回からはじめて3年間連続して、それで何も変化がなければ2年に1度の検査をうけるように心掛けましょう。
 検査を受ける人の条件は(メイヨークリニック)過去2年以内に糖尿病と診断された50才以上で、

 ①糖尿病の家族歴がない
 ②腹部不快感あるいは痛みがある
 ③体重が減少した
 ④血清CA19-9の上昇

 の1項目でも該当する人

(08-04-08)

WHO報告~2030年までに喫煙関連死亡数が急速に増加と予測

 世界保健機関(WHO)は、世界のたばこ関連死亡数は現在の推定約500万人から2030年までに年間800万人以上に増加し、その約8割を発展途上国が占める恐れがあると警告する報告書を発表した。

 報告書によると、世界の喫煙者は10億人以上であり、中国が約3割を占め、次いでインド(約1割)、インドネシア、ロシア、米国、日本、ブラジルと続く。

Medical Tribune 2月28日より

(08-03-04)

血中亜鉛の検査

 亜鉛欠乏の臨床所見として味覚障害をはじめとする種々の障害が認められる。当院が得意とする肝臓病、糖尿病、腎透析、NST、褥創などで有用です。

医療法人社団 慶友会 吉田病院臨床検査課ニュース2月号より

(08-2-27)

BMIとがんについて

 従来からBMIががんの危険因子であることは知られていた。Andrew GR(英マンチェスター大学)は、282,137症例の分析からBMIとの相関について次のように報告している。

男性:
食道腺がん (1.52、P<0.0001)
甲状腺がん (RR1.33、P=0.02)
大腸がん (RR1.24、P<0.0001)
直腸がん (RR1.24、P<0.0001)

女性:
子宮内膜がん (RR1.59、P<0.0001)
胆のうがん (RR1.59、P=0.04)
食道腺がん (RR1.51、P<0.0001)
大腸がん (RR1.34、P<0.0001)

  男性の食道がん(腺がん)と、女性の子宮内膜がん、胆のうがん、食道がん(腺がん)は肥満と強い関係があることを示している。

Lancet(371) 2008年2月16~22日から

(08-2-20)

2型糖尿病の死亡率に対する多因子介入の効果

 Effect of a Multifactorial Intervention on Mortality in Type 2 Diabetes

 2型糖尿病と微量アルブミン尿を合併した患者に対する、厳格な血糖コントロールと、レニン・アンジオテンシン系抑制薬、アスピリン、脂質降下薬を用いた強化多因子介入を行うことにより、血管合併症および全死因死亡率・心血管系の原因による死亡率に対して、有益な効果が持続した。

N Engl J Med , 2008; 358: 580-591

(08-02-19)

卵巣がんと経口避妊薬

 21カ国45の研究機関で、23,257人の卵巣がん患者の分析から、経口避妊薬は卵巣がん発症阻止に有効であることがわかった。また、経口避妊薬は既に200,000人の卵巣がんを予防し、100,000人の死亡を防いでいる。これからも、年間30,000人の卵巣がん発症を防いでくれるだろう。

The Lancet 2008年2月 371巻303頁より

(08-02-12)

喫煙者は糖尿病発症リスクが上がる

 ローザンヌ大学(スイス)のキャロル・ウイリー博士らは120万例、5~30年の追跡期間のデータ分析から

  1. 喫煙者が2型糖尿病発症リスクは、非喫煙者より44%高い

  2. 喫煙と糖尿病との間に用量依存性がある。 1日20本以上のヘビースモーカーは61%のリスク 軽喫煙者は29%のリスク上昇

  3. 喫煙者より元喫煙者(23%のリスク上昇)のほうが弱かった。

  博士は、「これで喫煙と糖尿病発症の因果関係が証明された」という。

Medical Tribune 1月31日 より

(08-02-05)

Medical Tribune (1月24日)から

 オックスフォード大学 脳卒中予防研究室のMatthew Giles博士とPeter Rothwell教授は「脳卒中の小発作または一過性脳虚血発作(TIA)を起こした症例では、一週間以内に大発作を起こすリスクが高い」と(Lancet Neurology 2007:6:1063)に発表した。

慶友会からのコメント

 ちょっとしたふらつきとか、一時的な目まいだったかと油断せずに、脳卒中の小発作やTIAを自分で見逃さずに対処すること。病院に行って確認する、予防薬をもらう、少なくとも小発作のあと、2週間は無理をせずに規則正しい生活を心掛ける。
 小発作の症状は軽く、一過性のことが多く見逃され易い。とくに、高血圧、糖尿病、不整脈のある人は大発作の警戒警報として用心することです。

(08-1-28)

2型糖尿病の血糖管理ガイドライン

 米国内科医学会(APC)は「欧州におけるガイドラインの研究と評価(AGREE)」に沿った方法により、米国臨床内分泌学会(AACE)、米国家庭医学会(AAFP)、米国糖尿病学会(ADA)、米国老年医学会(AGS)、カナダ糖尿病学会など9団体のガイドラインを基準に血糖管理ガイドラインが作成された。(Ann Int Med 147:417-422,2007)
 3つのステートメントがある。

 第一のステートメント では以下の3点が推奨されている。

  1. 微小血管合併症を予防するためには、目標血糖値をできるだけ低く抑える

  2. 目標血糖値は、具体的な血糖値により患者が得られる便益と有害性を考慮して決定する

  3. 多くの患者にとってHbA1c7%未満は治療の目標となる

 第二のステートメント

併存疾患、患者の意向、患者が治療計画に合わせて自己管理ができるか否かを考慮して設定する。  目標血糖値は可能な限り低く設定すべきである。

高齢者または虚弱な患者、厳格な血糖管理により合併症リスクが高くなる患者、余命を著しく短縮するような併存疾患 がある患者はHbA1cが7%を超える目標値とすることもある。

 第三のステートメント

併存疾患がある患者の最適な目標血糖値については、さらに研究が必要である。 糖尿病患者では、血圧や脂質レベルにも注意しなければならない。

慶友会

(08-01-08)