2008年11月18日
がんのゲノム診断は、どの遺伝子が変異しているか、その発現がどの程度異常をはなっているのかを患者ごとにつきとめることである。
がん化に関する遺伝子は約40種類が同定されており、これからのものを含めると数100ぐらいとされている。
一方正常な体細胞ががん化するには6?7個の遺伝子の段階的な変異が必要だだとされている。
「1人の患者でみると、その患者のがん細胞が増殖のために依存している『主たる遺伝子変異』は1つに限られていることがわかってきているし、臓器ごとのがんによって、主たる関連遺伝子は多くても10種ほどに絞られている」と近畿大学の西尾和人教授は説明する。
たとえばがんの8割は、ras,EGFR,c-metの変異によるもので、rasに変異をもつがんはEGFRとc-metに変異がなく、EGFRに変異をもつがんrasに変異をもたないという。大腸がん、乳がん、白血病でも限られた10種ぐらいの遺伝子の配列を調べることで「主犯の遺伝子が突きとめられる。
このゲノム診断の有効性は、例えばEGFRに作用するイレッサは、肺がんの分子標的薬だが、rasやc-metには効果が期待できない。また乳がんの分子標的薬であるハーセプチンがher-2白血病薬であるグリベックがキメラ遺伝子bcr-ablの有無を調べたうえで使われているように、テーラーメード治療が実施できるようになってきた。
2008 NPG Nature Asia-Pasific