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エビデンスの重要性と難しさ

2008年11月20日

 10月9~11日に札幌市で日本高血圧学会総会が行われ、高血圧治療ガイドラインの改訂案が発表された。改訂の基本方針の一つが、「最新のエビデンスを取り入れる」というもの。 同学会は、改定案をホームページ上で公表し、一般臨床医を対象に意見募集を行ったが、寄せられた意見の中に疫学研究に対する誤解があったとし、総会では上島弘嗣氏(滋賀医大公衆衛生学教授)が主な意見への見解を示した。臨床医からの意見は、

  1. 国民の血圧水準は低下したが、脳梗塞死亡率は増加しているので、脳梗塞の死亡と血圧は関係ない。
  2. 血圧が高いほど脳卒中、循環器疾患が増加するという根拠は乏しい。 
  3. 高血圧治療群のリスクは未治療群より高いので治療の効果はない。

というものであった。

これに対し上島氏は、以下のように解答した。

  1. 総死亡率は死亡数/人口で計算するので、脳梗塞が発症しやすい高齢者の人口が増加すれば総死亡率も増加する 。年齢構成を調整すれば、脳梗塞による死亡率は下がっている。
  2. 男性7万人、女性11万人を10年間追跡したメタ・アナリシスを紹介。40~80歳代のどの年代でも血圧が高いと死亡のリ スクも高い。
  3. 治療者と未治療者が同じ血圧値でも、未治療者のレベルにまでリスクが減少しないことがあると述べ、「治療したらリ スクが悪化したというのは医学の整合性を考えていない」と指摘した。

日本医事新報 No4410 2008年11月1日号より

慶友会からのコメント

 日頃、一般の人が疑問に感じていることに、上島先生がわかりやすく答えているのでここに載せました。

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