「安心圏」づくりのための“統合医療”
当法人の前身となる吉田病院(31床)が職員30人で誕生したのは、1981年12月です。欧米や日本でHolistic Medicine(全人的医療)の考え方が注目されていました。西洋医学の限界を認め、健康と病気をトータルなシステムとして捉え直していこうとするこの運動は、医療施設そのもののあり方にも大きな疑問を投げかけていました。先端的高度医療の導入ばかりでなく、環境を含めた幅広い観点から行うべき全人的なケアの必要性が表面化し始めていたともいえます。このような考え方に共感し医療の対象を、健康と病気に関するあらゆるレベルの問題、すなわち病気になる前、病気に罹ったとき、治療が終わってからのことを全体的に合わせ含めたシステムとして構築していく必要があると痛感しました。
吉田病院は、開院5年(1986年)で108床に、その翌年(1987年)には250床に増床し、平成元年(1989年)に医療法人となりました。現在は、263床の内科主体の一般病院です。肝臓病、糖尿病の専門分野の診療を確立し、開院当初から人間ドック、健康診断を積極的に展開し、特に健康診断は北海道一円に年間17万人規模になっております。並行して在宅診療や訪問看護・介護、グループホーム、介護老人保健施設、介護老人福祉施設も整備してきました。
20歳前後から超高齢者の方までが安心して暮らせる生活圏を、いかにして創造していくかということがテーマです。保健、医療、福祉はそれぞれが分離した状態では統括できません。これらを連結した線上で捉え体系化した医療の実現を目指し、慶友会では「統合医療」と呼び法人全体のキーワードとしました。1病院完結型の総合病院と異なり「統合医療」は、地域連携システムをうまく作る必要があります。自分のところで全部できるのではないので、他の病院や施設と上手に連携をしていかなければなりません。
「安心圏」づくりのための“組織強化”
病院開設以来16、17年がすぎたばかりの頃組織が急激に大きくなり、職員数も関連の社会福祉法人を合わせると、800人ほどになりました。組織のハードからソフトに目を移してみると、法人の目標である“医療の質の向上”と“経営の健全化”を図るうえで、必ずしも万全ではありませんでした。確かな品質マネジメントシステムを持つ必要性を感じ、医療法人全体で国内初のISO9001登録を1999年6月に実現しました。続いて環境マネジメントシステムISO14001、病院機能評価、格付け、人間ドック・健診施設機能評価、ISMS、プライバシーマーク、ISO15189などを次々に登録、認定していきました。組織が未熟であることを自覚した上で、これらの第三者評価を導入し、活力ある組織風土、組織文化づくりを進めています。
これからの慶友会は、孟子の至誠の精神(至誠にして動かざる者は、未だ之れ有らざるなり)で、ひとつの目は30年先の未来を、またもうひとつの目は足元の現実をみながら、来たるべき時代に則した「求められる医療・福祉」にいかに応えられるかを問いつづけていきます。慶友会は夢をもって精進していきます。 noblesse o・blige
略 歴
1970年 慶応義塾大学医学部卒業
1977年 米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学
1979年 旭川医科大学第二内科学教室講師
1981年 吉田病院創設 病院長
1989年 医療法人社団慶友会 理事長
1996年 社会福祉法人慶友会 理事長
公職等
(更)旭川更正保護協会 理事長
(社)北海道シルバーサービス振興会理事
(社)北里研究所 客員研究員
北海道教育大学旭川校後援会 顧問
旭川商工会議所 常議員
(社)旭川中法人会 理事
著 書
『病気とともだち』 森田出版
『あなたが主治医です』 近代文藝社
『2050年からの警鐘』 文芸社
