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手足口病

 手足口病は、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス性感染症であり、乳児を中心に夏季に流行する疾患である。病原ウイルスは、主にコクサッキーA16(CA16)、エンテロウイルス71(EV71)である。臨床的特徴として、感染から3~5日の潜伏期間の後に、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2?3?の水疱性発疹ができる。発熱は軽度で、高熱が続くことはない。本症は、数日間で治癒する予後良好の疾患であるが、EV71ウイルスに感染した場合は髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの多彩な臨床症状を呈することがある。感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染であり、予防として手洗いの励行と排泄物の適正な処理が基本となる。
 過去10年間の発症状況を見ると、ピークは第28週(7/7~7/13)前後であり、これから患者発生数が増加すると思われる。対象は、5歳以下の乳幼児と例年変わりはないが、2008年は特に5歳以下の報告割合が90%以上である。


IDWR感染症週報第24週(6/9~6/15):通巻第24号より

ポリオ(急性灰白髄炎)のナイジェリアと西・中央アフリカでの流行

 2008年6月18日北部ナイジェリアで野生株ポリオ(WPV1)の新たなアウトブレイクがあり、拡大しはじめている。2008年は前年と比較して9倍になっており、2003~2006年のように国際的な大流行を起こす可能性がある。2008年の全世界でのWPV1(ポリオ)の86%がナイジェリアでの発生がである。

WHO 6月18日より

 慶友会からのコメント

 この地区への旅行者は、必ずワクチン接種を受けていること。ポリオ感染は、ナイジェリア北部や西部でも確認されており、ナイジェリア北部からは3型野生株ポリオ(WPV3)も報告されている。 また、このニュースの中で、ポリオの国際的拡大の危険性は、

  1. ナイジェリア北部の流行規模の大きさ
  2. 雨季の到来
  3. ハツジといわれる大規模な人口移動をもたらすサウジアラビアのメッカへの巡礼

 に関係してくる。

百日咳

 百日咳は、百日咳菌を原因とする急性の呼吸器感染症である。百日咳(P)ワクチンを含んだジフテリア・百日咳・破傷風(DPT)3種混合ワクチンを接種していない生後6ヶ月以下の乳児が罹患した場合は、未だに死に至る危険性がある疾患である。
 通常は、感染後7から10日間の潜伏期間を経て発症するが、臨床経過は(1)カタル期、(2)痙咳、(3)回復期の3つに分かれている。最近では、20歳以上の成人例の報告数が年々増加してくると共に、発生報告数そのものも増加に転じている。また、成人の発生例は咳が長期にわたって持続するものの、乳幼児にみられるような重篤な痙咳性の咳嗽を示すことは稀である。治療薬としては、マクロライド系抗菌薬が第一選択である。

 2008年の百日咳の週別の定点当たり報告数は、過去10年間の同時期と比較しても高い状態が続いているが、殊に第22週(5/26~6/1)は大きな増加が見られた。

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IDWR感染症週報第22週(5月26日~6月1日):通巻第10巻第22号 より

咽頭結膜熱

 咽頭結膜熱は、アデノウイルス3型に感染することによってみられる咽頭炎、結膜炎を主とする急性ウイルス性感染症である。発熱、咽頭炎、結膜炎が3主症状であり、通常感染曝露からの潜伏期間が5~7日、有症状期間は3~5日と言われている。感染経路は、飛沫感染、接触感染である。感染予防対策の実行は困難であり、毎年全国的に乳幼児施設や小児施設において集団感染がみられている。感染症発生動向調査によると、2008年は第20週(5月12日~5月18日)以降第22週(5月26日~6月1日)まで3週間連続して増加し、過去10年間の同週と比較しても最も報告数の多かった2006年に次ぐ報告数となっている。第22週で、報告数が多い都道府県は、石川県、秋田県、大阪府、大分県、兵庫県の順である。

IDWR感染症週報第20週(5月26日~6月1日):通巻第10巻第22号 より

はしかの次は百日ぜき?過去9年で最多 成人患者4割に迫る

 しつこい咳が続く百日ぜきだが、ここ数年患者数が増加傾向にあるよう。
 今年1?3月の患者累計は比較可能な2000年以降で最多となったことが国立感染症研究所のまとめでわかった。そのうち、成人患者が4割近くを占め、乳幼児期に受けたワクチンの効果が減衰したためでないかとみられている。

 例年これからが患者数増加の時期ということで、注意が必要。
百日ぜきは感染性が強く、咳やくしゃみによる飛沫感染で起こる。成人では咳が長引くくらいで、典型的な発作症状が少なく、感染を広げてしまう可能性があるため、直りにくい激しい咳などの症状が出たら早めの受診が必要。

吉田病院 臨床検査課

 

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