ヘルパンギーナ

 ヘルパンギーナ(水疱性口峡炎)とは、コクサッキーウイルスA郡による口峡部に特有の小水疱と発熱を主症状とする夏カゼの一種。39~40℃の熱が1~3日間続き、4~6日でよくなってくる。初夏から秋にかけて流行するので、第25週(6/16~6/22)から第35週(8/24~8/30)は注意が必要である。

IDWR感染症週報第25週(6/16~6/22):通巻第25号より

(08-07-07)

手足口病

 手足口病は、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス性感染症であり、乳児を中心に夏季に流行する疾患である。病原ウイルスは、主にコクサッキーA16CA16)、エンテロウイルス71EV71)である。臨床的特徴として、感染から35日の潜伏期間の後に、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に23㎜の水疱性発疹ができる。発熱は軽度で、高熱が続くことはない。本症は、数日間で治癒する予後良好の疾患であるが、EV71ウイルスに感染した場合は髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの多彩な臨床症状を呈することがある。感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染であり、予防として手洗いの励行と排泄物の適正な処理が基本となる。
 過去
10年間の発症状況を見ると、ピークは第28週(7/77/13)前後であり、これから患者発生数が増加すると思われる。対象は、5歳以下の乳幼児と例年変わりはないが、2008年は特に5歳以下の報告割合が90%以上である。


IDWR感染症週報第24週(6/9~6/15):通巻第24号より

(08-06-27)

咽頭結膜熱

 咽頭結膜熱は、アデノウイルス3型に感染することによってみられる咽頭炎、結膜炎を主とする急性ウイルス性感染症である。発熱、咽頭炎、結膜炎が3主症状であり、通常感染曝露からの潜伏期間が5~7日、有症状期間は3~5日と言われている。感染経路は、飛沫感染、接触感染である。感染予防対策の実行は困難であり、毎年全国的に乳幼児施設や小児施設において集団感染がみられている。感染症発生動向調査によると、2008年は第20週(5月12日~5月18日)以降第22週(5月26日~6月1日)まで3週間連続して増加し、過去10年間の同週と比較しても最も報告数の多かった2006年に次ぐ報告数となっている。第22週で、報告数が多い都道府県は、石川県、秋田県、大阪府、大分県、兵庫県の順である。

.IDWR感染症週報第20週(5月26日~6月1日):通巻第10巻第22号 より

(08-06-16)
 

百日咳

 百日咳は、百日咳菌を原因とする急性の呼吸器感染症である。百日咳(P)ワクチンを含んだジフテリア・百日咳・破傷風(DPT)3種混合ワクチンを接種していない生後6ヶ月以下の乳児が罹患した場合は、未だに死に至る危険性がある疾患である。
  通常は、感染後7から10日間の潜伏期間を経て発症するが、臨床経過は(1)カタル期、(2)痙咳、(3)回復期の3つに分かれている。最近では、20歳以上の成人例の報告数が年々増加してくると共に、発生報告数そのものも増加に転じている。また、成人の発生例は咳が長期にわたって持続するものの、乳幼児にみられるような重篤な痙咳性の咳嗽を示すことは稀である。治療薬としては、マクロライド系抗菌薬が第一選択である。

 2008年の百日咳の週別の定点当たり報告数は、過去10年間の同時期と比較しても高い状態が続いているが、殊に第22週(5/26~6/1)は大きな増加が見られた。
 

.IDWR感染症週報第20週(5月26日~6月1日):通巻第10巻第22号 より

(08-06-16)

麻しん感染状況 (北海道感染症情報センターより)

 麻しんは、北海道でも21~22週の68~69人から、24~25週で12~10人と減少している。わずかに千歳、岩見沢、北見保健所管内で増えているが、収束に向かっていると考えてよい。旭川保健所管内ではほぼおさまった。

 

 


                       慶友会

(08-07-01)

はしかの次は百日ぜき? 過去9年で最多 成人患者4割に迫る

 しつこい咳が続く百日ぜきだが、ここ数年患者数が増加傾向にあるよう。
 今年1~3月の患者累計は比較可能な2000年以降で最多となったことが国立感染症研究所のまとめでわかった。そのうち、成人患者が4割近くを占め、乳幼児期に受けたワクチンの効果が減衰したためでないかとみられている。

 例年これからが患者数増加の時期ということで、注意が必要。
 百日ぜきは感染性が強く、咳やくしゃみによる飛沫感染で起こる。成人では咳が長引くくらいで、典型的な発作症状が少なく、感染を広げてしまう可能性があるため、直りにくい激しい咳などの症状が出たら早めの受診が必要。

吉田病院 臨床検査課

(08-04-30)

麻しん(はしか)の状況報告

 2008年第16週(4月14日から4月20日)をみると、全国では259人(累積6185人)、北海道では96人(15週で53人で16週は増えている、累積は340人)、旭川保健所管内12人(15週が5人、16週は12人増えている、累積は61人)である。
 

区域 12週 13週 14週 15週 16週 2008年
累積
全国 331 333 221 284 259 6185
北海道 32 57 46 53 96 665
旭川管内 3 5 4 5 12 61
上川管内 - - - - - 3

 
 旭川保健所管内で16週は、著しく増えている。ワクチン接種など充分な予防と小・中・高校・大学などの患者発症に対する対応を間違えないように。また、小児発症ばかりでなく、15才以上の発症も増えている。成人発症の企業内の対応にも充分配慮されるように勧告したい。

北海道感染症情報センターより

(08-04-28)

旭川で大流行の兆か

 平成20年から旭川地区で、26人のはしか発症があり(旭川市医師会より)警戒域に達していると判断します。先ずは、最寄の病院・クリニックでワクチン接種を受けてください。
 1才時にワクチンを受けていても、充分な抗体が出来ないこともあります。ワクチン接種歴のある人の発症もみられています。抗体価を調べて、追加免疫の必要な人は(抗体価が充分上がっていない人)早い時期にワクチン接種を受けましょう。旭川地区で大流行の可能性があります。

 はしかだと軽く考えずに、脳炎、肺炎を合併し重症化することもあります。
 症状は発熱し、せき、くしゃみ、鼻水、目の充血があり、この時期に口の中にコプリック斑が出現する。発疹は耳の後ろ、首、頭から体幹、上下肢にひろがる。早い時期に最寄りの病院・クリニックを受診しましょう。

(08-03-12)                                                               慶友会

肝炎治療の最前線から(医事新報3月8日号より)

 「国内最大の感染症」といわれる肝炎ウイルス感染症は、B型が110~140万人、C型200~240万人といわれている。
このうち治療を受けているのは、年間わずか5万人程度。厚労省は4月から始まるインターフェロン(IFN)療法への医療費助成を10万人に倍増させたいという。B型肝炎、C型肝炎の治療ガイドラインが策定されました。
(詳しいことが知りたい方は、下記にお問い合わせ下さい。)

 B型はALT30単位以上から、C型はALTが正常でも早期抗ウイルス治療開始の対象になります。

 自覚症状の有無にかかわらず、まずB型・C型肝炎ウイルスのチェックを是非受けて下さい。(血液検査で、どこの医療機関でも受けることができます)陽性が出た時には、ガイドラインに従って治療を受けましょう。肝炎の専門医は全国に
3000人しかおらず、かかりつけ医との連携で、折角決まった標準的な治療を受けるように勧めます。

問い合わせ先: 0166-25-1115  富樫まで

(08-03-10)                                                               慶友会

麻しん(はしか)患者

  旭川市保健所からの情報で、2月21日北星地区で小学生(男児)がはしかを発症。 平成20年1月以降(今回の発症を含め)11人。

慶友会

(08-02-26)

麻しん(はしか)患者

 旭川市保健所からの情報提供で、2月18日幼児(女児)のはしか発症あり。 平成20年1月以降(今回の発症を含め)10人。

慶友会

(08-02-23)

はしか旭川で7人目

 旭川市保健所の連絡によると、2月15日市内20才男性が発症し、平成20年1月から7人目。これからも流行していくと予想される。ワクチンの接種を勧めます。

慶友会

(08-02-18)

はしかワクチン接種のすすめ

 2月1日永山地区で高校生(女性)、春光台地区で幼児(男性)が麻しん(はしか)を発症。1月以降で4人が発症。 2月には、旭川で20才代の女性のはしかの報告がありました。これからまだ流行します。受験生や抗体価を調べて低い人はワクチン接種を勧めます。

慶友会

(08-02-14)

麻しん(はしか)が増加

 全国的に麻しん(はしか)が増えている。 北海道 第4週10例、第5週72例このうち札幌から62例、旭川3例、北見・帯広など各1例。 第1週から4週までの累積報告をみると659例で、神奈川県269例、福岡県96例、東京58例、秋田県49例、北海道45例となっている。特に神奈川県が多くその他の地域でも麻しん(はしか)患者の発生が継続している。

IDWR 感染症週報から(1月21日~27日) 厚労省/国立感染症研究所

(08-02-13)

麻しん(はしか)のワクチンについて

 1月30日旭川でも麻しん(はしか)が発生しました。全国的に流行しはじめていましたが、これから受験生は用心。 ワクチンをうけていても、不顕感染の機会が少なく抗体価が落ちているかも知れません。その時には、再度ワクチンが必要になります。 接種後2週間位抗体ができるまでにかかり、その間接種6~10日の潜伏期で発熱と発疹が一過性に出現することがあります。

慶友会

(08-01-31)

今年の年末も感染性胃腸炎に注意が必要

 厚生労働省の感染症発生動向調査では、定点当りの報告数は16.9(報告数51000)であり、前週の報告数(定点当り13.6)を大きく上回った。都道府県別で見ると、九州地域が多く、年齢別では、7歳以下で7割以上を占めている。特効薬はなく、治療は対症療法で水分補給を十分に行い脱水を防ぐことが大切。過去10年間では、第50~51週にピークをむかえており、今年も年末にかけて十分注意が必要である。

(07-12-27)

麻疹ウイルスについて

  厚生労働省の報告によると2007年2~11月において、452件麻疹ウイルスの分離・検出が報告されている。遺伝子型別では、310件中298件でD5型が大半を占めている。他にはA型11件(ワクチン接種後2週間以内に採取された検体から)、H1型1件(中国から帰国して5日後に発症した患者から)が検出されている。

(07-12-27)

感染性胃腸炎について

 感染性胃腸炎はウイルス、細菌、真菌、原虫などの病原微生物によって起こり、下痢、腹痛、悪心、嘔吐、発熱、脱水などの症状を呈する疾患群の総称である。下痢に伴う脱水予防のため、体液組成に近いスポーツ飲料など水分摂取を励行させる。経口摂取が困難な場合は輸液(点滴)により水分や電解質を補給する。特に、高齢者や小児では脱水で重篤な状態に陥りやすいため,病状によっては入院加療を考慮する。 今年は、第36~48週までに、ノロウイルス175件、サポウイルス81件、他、A群ロタウイルス2件と圧倒的にノロウイルスが多く、特に第47週(11月26日~12月2日)の報告数は、41003件と大幅に増加している。 都道府県別にみると、長崎県がトップ、次いで大分県、佐賀県の順に九州地域に集中している。他にも、石川県や富山県でも増加していることより、地域性を問わず、今後1~2週間注意していく必要がある。 過去10年間(1997~2006)においては、第49~52週の期間の報告数がピークを迎えており、今年の感染性胃腸炎の報告数も今後更に増加し、間もなくピークを迎えると予想される。

感染症発生動向調査 週報(IDWR) 2007年48週(第48号) より

(07-12-20)

マイコプラズマ肺炎

  市中肺炎の原因菌としては肺炎球菌が最も多いが、それに次ぐ原因の1つとして、インフルエンザ菌やマイコプラズマがあげられる。健康な小児や若年成人の肺炎では本疾患を疑う。若年健常者に発症した肺炎であれば必ず本疾患を鑑別する。乾性咳嗽、頑固な咳、発熱が特徴。 今年も定点当りの報告数は増加傾向。都道府県別では、沖縄、福島、宮城が多い。北海道でも、定点当りの合計平均が0.48に対し、0.22なのでく今後も十分注意が必要。

感染症発生動向調査 週報(IDWR) 2007年48週(第48号) より

(07-12-20)

ノロウイルスについて

 昨年大流行しましたノロウイルスですが、今年もシーズンが到来し警戒が必要です。 ノロウイルスは主にノロウイルスに汚染された食品を摂取することにより食中毒が起こり、手指等を介して人から人へと感染していきます。主症状は下痢、嘔吐、吐き気、腹痛で、通常1~3日で症状は回復しますが、症状が消失後も長期に糞便中に排泄されるため、注意が必要です。 ノロウイルスによる食中毒および感染症の発生を防止するためには、感染性胃腸炎の患者発生動向、ノロウイルス検出情報に注意し、常日頃から健康観察、手洗いなどを励行することが重要であります。無症状の調理従事者による食品の二次感染が原因となった食中毒も見られることから、食品取扱い施設での基本的な衛生管理の徹底が望まれます。また、不適切な吐物の処理のために多数の人が感染しているので、糞便のみならず吐物の処理に特に注意が必要です。 吉田病院では、今まで4日かかっていたノロウイルス検査を約30分で出来るイムノクロマト法による迅速検査薬を導入しました。。イムノクロマト法による迅速検査は、従来の方法からみると検出率は60%程度と落ちますが(PCR法90%以上、EIA法70%以上)、感染判定を早く行うことによって、二次感染のリスクを減らすことができます。

  検査料金は、PCR法14,000円、EIA法3,000円、迅速法2,000円となります。

医療法人社団慶友会吉田病院 臨床検査課

(07-11-26)