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’99〜’00シーズンの発信情報 |
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インフルエンザ 1999/2000
シーズン
(2000年4月10日現在報告分)
病原性微生物検出情報事務局に入ったインフルエンザ分離報告をまとめると、A/香港型ウイルス(H3N2)は1,867、A/ソ連型ウイルス(H1N1)は2,973とソ連型の分離が多くなっている。今シーズンのB型分離報告は広島県、福岡市、仙台市、大阪市、奈良県より1件ずつ計5件である。
(IDWR感染症週報:通巻第2巻第13号より)
(00-4-18)
インフルエンザ疾患関連の死亡者数
今シーズンからインフルエンザ疾患関連の死亡者数の迅速把握が開始されたが、それによると、今シーズンのインフルエンザにおいて、平成12年3月17日現在、平成11年12月以降、インフルエンザに関連した死亡者は、累計242件が報告されており、60歳以上が79%を占めている。
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死亡者数の年齢別内訳 |
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| 0歳以下 | 0件 |
| 1〜4歳 | 13件 |
| 5〜9歳 | 5件 |
| 10〜19歳 | 4件 |
| 20〜39歳 | 12件 |
| 40〜59歳 | 17件 |
| 60〜79歳 | 70件 |
| 80歳以上 | 121件 |
| コメント:
インフルエンザにかかった高齢者の方は、できるだけ早く治療しなければならないという結果です。 慶友会 |
(IDWR感染症週報:通巻第2巻第10号より)
(00-3-30)
インフルエンザワクチンの現況
インフルエンザワクチンは発症阻止よりも重症化阻止が期待されるワクチンで、高齢者に対しては積極的に接種すべきである。 奥野良信/大阪府立公衆衛生研究所ウイルス課 |
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| コメント:
新型インフルエンザ出現に対しては、鶏卵を使った現在のワクチン生産では対応できないと考えます。 慶友会 |
(00-3-23)
世界のインフルエンザ発生状況
http://www.who.int/emc/diseases/flu/country.html
掲載データに基づき、マップにて表示。
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Influenza Activity During
1999-2000 Season
Current Situation as of 25 February 2000 |
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今シーズンの発生状況(1999年〜2000年にかけて) 2000年2月25日現在のレポートより |
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WHO、Flu-Netより
(00-3-16)
インフルエンザ世界流行状況−続報
WHO/WER 2000,75,37-44
| オーストリア(1/12) | 12月最終週から1月第1週までにA(H3N2)の流行は同国全土に拡大した。 |
| ドイツ(1/18) | 1月第2週、インフルエンザ様症状で受診した患者は減少し始めた場所もみられたが、流行は続いている。分離されたウイルスはほとんどがA(H3N2)で、A/Moscow/10/99(H3N2)類似株として同定されたものもある。 |
| ポーランド(1/15) | 1月、インフルエンザおよびインフルエンザ様症状の患者の有意な増加がみられた。12月末2週間の患者986人に対し、1月136,702人(人口10万人に対し353人)となった。同国南西部で最も多い患者数が記録された。患者の24%が子供だが、70才以上の患者のインフルエンザによる死亡が3名報告された。 |
| スペイン(1/24) | 第2週にはインフルエンザ様症状の割合は人口10万人に対し800人に増加した。分離ウイルスは最新株A/Moscow/10/99(H3N2)とA/Panama/2007/99(H3N2)に類似であった。 |
| マケドニア 前ユーゴスラビア共和国 (1/19) |
1月第1、2週61人の入院患者を伴う10,600人のインフルエンザ様患者が1次医療機関から報告された。3人が抗原検出でA型と診断された。 |
(IDWR感染症週報:通巻第2巻第5号より)
(00-2-24)
インフルエンザ世界流行状況−続報
WHO/WER 2000,75,29-36
| 中国(1/20) | 流行は同国北部で12月末から拡大している。B型が数株分離された。 |
| 香港(1/14) | 流行期の当初より分離ウイルスの多くがA(H3N2)だった。分離ウイルスの10〜15%はA(H1N1)で15〜20%はB型だった。例年同様ウイルス分離数は1月初めから増加しており、今後さらに増加する見込みである。 |
| ドイツ(1/17) | 1月第2週、流行は引き続き拡大した。同国南西部ではさらに流行地域が拡大したが流行規模は中程度である。北東部では1月第1、2週には、引き続き局地的流行レベルにとどまった。分離されたウイルスはA(H3N2)であった。 |
| チェコ共和国 (1/17) |
1月第2週、感染者の急激な増加がみられた。予測を上回る罹患率がMoravia南部を除く同国全土で記録された。分離されたウイルスはA(H3N2)と報告されている。 |
| ベルギー、フランス、ノルウェーでは減少傾向である。 | |
(IDWR感染症週報:通巻第2巻第4号より)
(00-2-18)
来年4月から
インフルエンザ予防接種の一部が公費負担に
厚生省は公衆衛生審議会の答申をうけて、来年4月から65才以上の高齢者に対して、市町村の公費でインフルエンザ予防接種費用の一部を負担することを目指している。
副作用がでたときも、医療費や障害年金などが給付されることになる。
| コメント:
一部公費負担になったというのは、評価できます。ただ、実状を考えると、70才以上の全額公費負担と施行時期が今年11〜12月頃であればよいと思います。 慶友会 |
(00-2-10)
今後のインフルエンザ流行予測(第3弾)
インフルエンザの流行のピークは、例年1月末から2月始めであり、今がまっただ中です。 ピークのずれによってこれから多少の増加はあり得ますが、このまま大流行にはならずに済みそうです。今年の流行の仕方は、 ウィルス株で見ると全国的にAソ連型とA香港型が混合しています。第2弾の予測でも言いましたが、Aソ連型が協調してい るので流行は抑えられそうです。終息は、3月一杯でしょう。ただし、例年シーズン後半に流行するB型が出てくると、だら だらと長びくかもしれません。今年は、小学生・中学生くらいまでの低年齢層の罹患が目立っています。全体的傾向とは別に、 注意が必要です。
医療法人社団慶友会
(00-2-04)
慶友会吉田病院におけるA型インフルエンザ迅速診断キット
(ディレクティジェンFluAテスト)の検査結果について
検査を実施した患者56名中、14名が陽性であった。(12月2日〜1月26日)
| 陽性率: |
(外来)13/48=27.1% |
| (入院) 1/8 =12.5% |
(00-2-04)
〈要 約〉
1998年から1999年に発症した202例について検討した。
| 1)型 | A型(H3N2) | 130例 | 64.4% |
| B型 | 17例 | 8.4% | |
| 2)感染経路 | 家庭内 | 41% | |
| 保育園・幼稚園・学校 | 22% | ||
| 3)年令 | 0から5歳 | 162例 | 80.2% |
| 4)神経症状の発現 | 発熱と同日 | 55例 | 27.2% |
| 発熱の翌日 | 103例 | 51.0% | |
| 5)検査成績(危険因子) | @)血小板(正常:15万/μl以上) | 5万以下は83%が死亡 | |
| A)AST(正常:40以下) | 1000以上は72%が死亡 | ||
| B)出血傾向 | (+)なら60%が死亡 | ||
| 6)ワクチン
202例のうちワクチン接種していたものはいなかった。しかし、ワクチンで確実に脳炎・脳症が予防できるかどうかは予後の調査を待たなければ、はっきりしたことは言えない。 |
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コメント: インフルエンザ脳炎・脳症の予後は、きわめて悪い。202例中死亡は61例(31%)と高い。後遺症も残す。後遺症なく完治するのは87例(43%)である。 慶友会 |
◎調査の結果から
(00-2-2)
インフルエンザシーズン中の熱発者調査
大宮市:新生会大宮共立病院 猪原 則行ら
インフルエンザワクチン接種したグループでは、介護病棟入院患者および施設群全職員において熱発者はワクチンを接種しないグループよりはっきりと少なかった。
結論として、予防的接種は38℃以上の発熱を伴うインフルエンザ様症状の結果が期待できるとしている。
厚生省の報告では平成11年1月、2月の死亡者は65歳以上が85%を占めていた。
米国でもインフルエンザと肺炎の死亡原因は5位を占めている。65歳以上の高危険グループのインフルエンザワクチン接種を2000年の米国の国家目標として60%以上としている。英国においても、ハイリスク患者を守るためにワクチン接種をすべきであると報告している。
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コメント: ワクチン接種のデータから、日本でも65歳以上の人には、1回接種でも良いから毎年接種することをすすめたい。 慶友会 |
(00-2-1)
Abstract
Results. The rates of hospitalization for acute respiratory disease among children who did not have conditions that put them at high risk for complications of influenza (e.g., asthma, cardiovascular diseases, or premature birth) and who were younger than two years of age were 231 per 100,000 person-months at Northern California Kaiser sites(from 1993 to 1997) and 193 per 100,000 person-months at Group Health Cooperative sites (from 1992 to 1997).These rates were approximately 12 times as high as the rates among children without high-risk conditions who were 5 to 17 years of age (19 per 100,000 person-months at Northern California Kaiser sites and 16 per 100,000 person-months at Group Health Cooperative sites) and approached the rates among children with chronic health conditions who were 5 to 17 years of age (386 per 100,000 person-months and 216 per 100,000 person-months, respectively).
Conclusions. Infants and young children without chronic or serious medical conditions are at increased risk for hospitalization during influenza seasons. Routine influenza vaccination should be considered in these children.
インフルエンザの合併症(喘息、心血管系疾患)のリスクが上昇させるような状態にない2歳未満の小児における急性呼吸器疾患による入院率は、高リスク状態を有していない5〜17才の子供における入院率の約12倍も高く、慢性疾患を有する5〜17才の子供における入院率に近いものであった。
慢性あるいは重篤な医学的疾患を持っていない乳児および幼児は、インフルエンザの季節に入院のリスクが上昇している。したがって、これらの小児には、日常的なインフルエンザワクチンの接種を検討すべきである。
Hector S Izurieta, and others
N Engl J Med 2000;342:232-9.
The Effect of Influenza on
Hospitalizations,OutpatientVisits,and Courses
of Antibiotics in Children
小児における入院、外来通院、及び抗生剤投与コース
に対するインフルエンザの影響
Abstract
Background. Despite high annual rates of influenza in children, influenza vaccines are given to children infrequently. We measured the disease burden of influenza in a large cohort of healthy children in the Tennessee Medicaid program who were younger than 15 years of age.
Conclusions. Healthy children younger than one year of age are hospitalized for illness attributable to influenza at rates similar to those for adults at high risk for influenza. The rate of hospitalization decreases markedly with age.Influenza accounts for a substantial number of outpatient visits and courses of antibiotics in children of all ages.
小児では、インフルエンザの年間罹患率が高いにもかかわらず、インフルエンザワクチンの接種はまれである。
インフルエンザウィルスが流行してきた時期における期待入院件数を超過した入院件数の平均は、生後6ヶ月未満で年間1万人当たり104件、生後6ヶ月から12ヶ月未満では年間1万人当たり50件、1から3歳未満では年間1万人当たり19件、3から5歳未満では年間1万人当たり9件、5から15歳未満では年間1万人当たり4件であった。冬季における抗生剤の超過投与コース数については、その10から30%は、インフルエンザウィルスが流行していた時期に行われたものであった。
1歳未満の健常小児がインフルエンザによる疾病のために入院する割合は、インフルエンザのリスクが高くなっている成人の入院率と同程度である。この入院率は年齢とともに顕著に減少する。あらゆる年齢層の小児における外来通院の回数および抗生剤投与コース数のかなりの部分は、インフルエンザによって説明できる。
Hector S. Izurieta,and others
N Engl J Med 2000; 342:225-31.
Is It Time to Give Influenza Vaccine to Healthy Infants
健常乳幼児にインフルエンザワクチンを接種する時代なのか?
15ヶ月以上の子供ではインフルエンザワクチンが有効であることはすでに報告されている。
不活化ワクチンであることから、有効と危険率からも有用であり、また安全性、効果、対費用効果から考えて健常乳幼児に接種すべきである。
K.Mclntosh and T.Lieu
N Engl J Med 2000;342:275-276
(00-01-31)
Keep in Mind, the Doctor Doesn't
Do Chicken Soup
By J.B. Orenstein Washington Post Service
医者はチキンスープをすすめないことを心に留めておくこと
インフルエンザ薬の「アマンタジン」は24時間以内に服用するなら、1、2日くらい早く良くなるかもしれない。また、A型インフルエンザであればなお効果的である。副作用として乾燥鼻などが挙げられる。
今年発売予定の「リレンザ」は、1、2日まで病気を短くするかもしれない。
記者の父は「もし私があなたに抗生物質を与えるならば7日で良くなるだろう。もし、家に帰ってチキンスープを飲むのであれば、一週間で良くなるであろう。」と皮肉っぽくアドバイスしている。
・記者について・・・救急外科医でワシントンポストにこの記事を寄稿している。
新型インフルエンザウィルス(A/H5N1)ワクチン開発の現状
Development of Influenza vaccines
against newly emerging A/H5N1 virus
国立感染症研究所ウィルス部の板村繁之先生の論文から(日本臨床58巻第1号、1月号)
1997年5月に香港で発生したトリ由来の新型インフルエンザウィルスA/H5N1に感染した18名のうち6名の患者が死亡した。
香港政府は市場のニワトリが感染源となっていることから、香港にある全ての養鶏場、市場のニワトリを殺処分し、また中国本土からのニワトリの輸入を停止するニュースは未だ記憶に残っている。
これからもトリからヒトへの感染を繰り返すうちにヒトへの高い感染力と強い病原性をもったウィルスが出現して大流行を起こす危険性がある。新型インフルエンザによる大流行の可能性が常に存在することは間違いない。
ワクチン開発の現状は、H5ウィルスに類似したウィルスから経鼻に接種するワクチンや弱毒化してワクチン製造を開発しているが、未だ使用できるまでに至ってない。
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コメント: 慶友会 |
(00-1-27)
第8回日本臨床環境医学会総会 抄録より
当院におけるインフルエンザ対策の試み
ここをクリックしてごらんください。
医療法人社団慶友会吉田病院
(00-01-24)
インフルエンザの管理が変わってきます
「うがい・手洗い・マスク」の時代から、アマンタジン、ザナミビルの使用で、インフルエンザも化学療法の時代になりました。
従来の「インフルエンザだと思ったら静かに家で寝ていなさい」から
「インフルエンザだと思ったら、できるだけ早く病院を受診しなさい」
というように、指導の方向を変えなければなりません。
とくに、ザナミビルは高齢者などのハイリスク患者ばかりでなく、健康な成人や健康な子供に使っても耐性もなければ副作用もないのですから、幅広く使える可能性があります。
勿論、受験生にもおすすめです。
(00-01-14)
インフルエンザ脳炎・脳症による死亡率、一部解熱剤使用で上昇
厚生省研究班の報告によると、メフェナム酸やジクロフェナクナトリウムを使用した症例の死亡率が、解熱剤を使用しなかった症例の死亡率に比べて高いことがわかった。
メフェナム酸で4.6倍、ジクロフェナクナトリウムを使用で3.05倍、死亡率が高くなるという結果がでた。
・メフェナム酸:ポンタール
・ジクロフェナクナトリウム:ボルタレン、ソファリン、ナボール、シグノール、サフラック、ボルマゲン
コメント:
研究班では
(1)メフェナム酸やジクロフェナクナトリウムは重症例に使われる傾向がある。
(2)症例数が充分でない。
(1)(2)から、さらに調査の必要があると考えられる。
(00-01-14)
Effects of influenza
vaccination of health−care workers on mortality
of elderly people
in long−term care:a randomised controlled
trial
ケアワーカーのインフルエンザワクチン接種は、患者の死亡率をはっきりと減少させているが、患者のインフルエンザ罹患は減らしてはいない。
「The Lancet」Vol.355:93-97、Jan 8,2000
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コメント: 長期療養している高齢者のインフルエンザ死亡率はケアワーカーのワクチン接種で明らかに減っている。
慶友会 |
インフルエンザ流行予測(第2弾)
今年('99〜'00)の流行は抑えられるか?
前回(平成11年8月26日)の我々慶友会の流行予測では、3つの視点から「今年は大流行する可能性が高い」と予想しました。
現在までの全国の流行の様子は、例年より流行の始まりは遅れていますが、徐々に増加してきています。今年は、A/ソ連型がここ数年の動きとは別に早々と報告されています。A/ソ連型の今後の出現割合が注目されます。慶友会の今までのデータ分析では、A/香港型とB型の組み合わせのときは流行規模が大きく、A/ソ連型が協調したときは流行が抑えられているという結果が出ています。ヨーロッパではA/香港型主流の流行で例年より大幅に罹患者が増えていますが、日本はA/ソ連型が協調する傾向があるので、流行は抑えらることが期待できます。
医療法人社団慶友会
(00-01-14)
毎年、数百万人以上が罹患し、数千人が死ぬインフルエンザが、今年も世界的規模で流行しはじめた。
英国では過去10年間で最高の流行になると予想している。イスラエルではすでに病院の入院率175%に達し、オランダでも20%の国民がインフルエンザに罹患している。
インフルエンザの「National Center」は例年の9倍になるだろうと予測している。
スイス、フランスでも例年より増えており、イタリアではすでに200万人が罹患して、毎週25万づつ増えている。
米国CDCのKeiji Fukuda博士は、流行しているウィルスはA型シドニー株であり、この3週間で増えてきていると語っている。中国は救急ワクチン・プログラムの成果がよい結果をもたらしていると報告している。
このたび(12月中に)厚生大臣により正式に承認されたA型・B型インフルエンザ治療薬ザナミビル(販売名:リレンザ)について。
第39回「抗菌薬と化学療法国際会議」(サンフランシスコ、USA)でも取り上げられ関心の高さがうかがわれた。
・その1:
バージニア大学(USA)のF.G.Hayden博士は、インフルエンザ曝露後予防にも有効であることを明らかにした。予防効果は79%であった。
・その2:
エラスムス大学(オランダ)のA.D.M.E.Osterhaus博士はA型と同様B型にも有効であると報告している。
・その3:
バージニア大学(USA)のKaiser博士はインフルエンザ感染者の合併症を減少させることを明らかにした。
・その4:
ラヴァラ大学(カナダ)のGuyBoivin博士は抗ウィルス作用・症状軽減作用にすぐれ、耐性化は確認されなかったと報告している。
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コメント: その他、ザナミビル関連の報告は20題もあった。日本では有効性を立証するデータが不十分であるため、保険が適用されるがどうか今のところはっきりしていない。いずれにしても1日2回吸入を5日間の投与で効果がはっきり認められていることは、これらの報告でも明らかであろう。 慶友会 |
インフルエンザウィルス
第11回国際ウィルス学会がオーストラリアのシドニーで開かれた。
ウィスコンシン大学の河岡 義裕教授のグループが、インフルエンザウィルスをDNAから人工合成することに成功したと報告があった。
複数のDNAを細胞にトランスフェクションするだけで生きたインフルエンザウィルスが出来て、しかもウィルス回収率が格段に高いという。
★流行
12月中旬より発生し、1月に増え始め2月がピークで、その後3月中には終息に向かう。
★症状
高度の発熱(38度以上)と筋肉痛、腰痛、全身のだるさ
★診断
流行時期であること、うがい液やのどの拭い液からウィルスを見つける。(迅速診断用キットで15分くらいかかる)
★予防
インフルエンザワクチン接種。
高齢者は1回でも効果はある。ワクチンの効果は6ヶ月間。
★治療
かかったかなと思ったら(48時間以内)、アマンタジンの使用。3〜5日間。
(99-11-29)
米国・サンフランシスコで開催された第39回インターサイエンス化学療法会議(以下ICAAC)でインフルエンザに関係する演題が数多く見られた。
●新しい抗ウィルス剤の登場
吸入薬のザナミビア(リレンザ、GlaxoWellcome社:10月1日発売)のほか、内服薬のオセルタミビア(Roche社:年内にも米国で発売予定)や同じく内服薬のRWJ−270201(研究中)が注目された。
●インフルエンザワクチン
不活性ワクチンの効果は、既に世界的に確立されている。今回のICAACでは、経鼻接種の弱毒生ワクチンについての講演があった。
生ワクチンは、抗体を有していない低年齢の乳幼児でも有効である。注射ではなく、鼻からの噴霧により接種できることも大きなメリットで、
90%以上の高い有効率が報告されている。年内にも、米国では、小児と高齢者を対象として認可される見込みである。
@診断
A型インフルエンザの迅速診断キット鼻汁やつばなどの分泌物でわずか15分ほどで結果がでる簡易検査が可能になりました。また、近くにB型に対するキットも発売予定です。
A予防
副作用は接種部位の腫脹・発赤・疼痛や軽い風邪症状・発熱・頭痛・倦怠感です。インフルエンザ接種後の重篤な健康障害は100万人接種あたり0.36で非常に少ないと考えてよろしいです。
ワクチンの接種時期は11月から12月に出来れば2〜4週間隔をあけて2回法が通常です。
アマンタジン:A型インフルエンザに有効です。インフルエンザにかかったかなと思ったら、出来るだけ早く(48時間以内)服用すると効果的です。1日2回で3〜5日間服用します。B型には効果がないこと、耐性を獲得しやすい欠点があります。
ザナミビル、オセルタミビアの吸入薬も近日中に発売予定です。
(99-11-22)
Influenza Activity During 1999-2000
Season
1999〜2000年にかけてのインフルエンザ活動
・11月12日現在の状況(WHO、Flunetより)
10月の最初の週にブラジルのサンパウロで流行した。また、カナダでは4地方の長期ケア施設で流行した。日本では静岡で報告を受けている。
★インフルエンザの型別で報告のあった国
●インフルエンザA型(タイプなし)
(地域)
・ア フ リ カ・・・・・なし
・ア メ リ カ・・・・・アルゼンチン、カナダ、アメリカ合衆国
・ア ジ ア・・・・・マレーシア
・ヨーロッパ・・・・・チェコスロバキア、フランス、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、スイス、UK
・オセアニア・・・・オーストラリア
●インフルエンザA型(H3N2:A香港型)
(地域)
・ア フ リ カ・・・・・なし
・ア メ リ カ・・・・・なし
・ア ジ ア・・・・・日本
・ヨーロッパ・・・・フランス、ドイツ、オランダ、ポルトガル、スウェーデン、UK
・オセアニア・・・・オーストラリア
●インフルエンザA型(H1N1:Aソ連型)
・なし
●インフルエンザB型
(地域)
・アフリカ・・・・・なし
・アメリカ・・・・・ブラジル、カナダ
・アジア・・・・・なし
・ヨーロッパ・・・・スウェーデン
・オセアニア・・・・オーストラリア
★今年の日本のインフルエンザワクチン
新しいワクチンはA型インフルエンザには効くかもしれない。10年以内には今に比べよりウィルスに効くものがでてくる可能性がある。
オセルタミビルは健康な大人がインフルエンザになるのを防ぐのに効果があることがわかった。6週間にわたる実験によって、全体の
74%に人に効果があることがわかった。オセルタミビルでインフルエンザになるリスクがあるのが1.2%に対し、プラセボを与えた人は
4.8%であった。
インフルエンザ・ワクチン接種がすすめられるハイリスクグループ
1.高齢者(65歳以上)
2.慢性気管支炎・肺疾患患者(気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核など)
3.心疾患患者(僧帽弁膜症、うっ血性心不全など)
4.腎疾患患者(慢性腎炎、血液透析患者、腎移植患者など)
5.代謝異常患者(糖尿病、アジソン病など)
6.医療・介護にあたるスタッフ
7.受験生
1999/11/14
ノイラミニダーゼ阻害薬によるインフルエンザ治療
zanamivir「ザナミビル」(relanza「リレンザ」)は年内にも発売になる予定。アマンタジンと異なり、A型、B型インフルエンザに有効がある。
副作用が少ないので、小児や受験生にも予防的に使用されるであろう。
吸入で使用し、1回2吸入(10mg)、1日2回(20mg)で5日間口から気道に吸入する。
できるだけ発病後早く吸入を開始する(48時間以内)。唯一の問題はコストの高さである。
1999/11/14
A型インフルエンザの迅速診断キット
Directigen Flu Aで、厚生省から保険適用が認められた。咽頭から採取または鼻汁を用いて10〜15分で診断できる。
1999/11/14
インフルエンザ流行予測‥今年(’99〜’00)は大流行か?
インフルエンザ流行予測(1999年から2000年にかけて)
また、世界的に心配されている感染力の強い新型ウィルスが近々現れてくるだろうと予想されています。今後も注意が必要です。

今年の冬は、インフルエンザは基本的に大流行と予測します。お年よりの方や小さなお子さん、受験生の方などは特にインフルエンザワクチンの接種で備えるのがよいでしょう。現在、インフルエンザワクチンの予防効果は決して100%ではありませんが、60%〜80%あると言われています。
接種は1〜4週間の間隔をあけてインフルエンザ流行前に2回必要です。通常は11月頃を中心に接種されるのがよいでしょう。
1999/8/26
人工的にインフルエンザウィルス再生
〜新ワクチンへの期待〜
米ウィスコンシン大の河岡教授、渡部研究員らのチームは、インフルエンザウィルスから取り出したRNA(リボ核酸)をもとに複製して、DNA(デオキシリボ核酸)鎖を作成し、それをもとに感染力のあるインフルエンザウイルスを人工的に作るのに世界で初めて成功した。
もとになる遺伝子に操作を加えれば、思い通りの性質を持ったインフルエンザウィルスを作ることができ、病原性をなくして予防効果の優れた生ワクチンとして用いるなど期待できる。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、1999年用のインフルエンザワクチンの成分に、昨年にも使用されていた、A/Sydney/05/97が代表的なH3N2(A香港型)を継続して使用することに決めた。B型のワクチンには、B/Yamanashi/166/98が決定した。
A/Sydney/05/97はWHOの報告でも多くの分離数が確認されている。
(1999/6/22)
3月に香港で、入院中の1歳と4歳の女の子(1人は九龍島、もう1人は香港島)から合わせて2件、また、中国の広東省で5件のインフルエンザA型(H9N2)の検出が報告された。
中国・広東省での5つのケースはほとんどが子供であったが、全ての場合が軽い症状で済み回復したという。
今シーズンのインフルエンザ流行は、大流行した昨シーズンより流行の始まり(12月初旬)、ピーク(1月初旬)とも2週間ほど早くなりました。終息は昨年よりやや遅く3月半ばで、昨年のように急速な減少ではなく緩やかな減少でした。北海道は、後半にB型ウイルスによる流行でだらだらと流行が続きました。
・流行期での重症化を防ぐ
千葉県子供病院では、1998年1月から3月の期間に臨床的にインフルエンザと診断された小児にアマンタジン投与した。投与量は、3〜5mg/kg/日を1日に2回投与。最高で200mgとした。期間は原則として5日間であった。中村部長らは、アマンタジンの有効性を「投与後3日以内の解熱」としており、その基準からすると今回の使用経験では60%に有効だったことになる。海外の研究では、アマンタジンは発症から48時間以内に投与しないと有効性が得られないとされている。副作用は5mg/kg/日を5日間投与群では見られなかったが、4mg/kg/日を14日間投与した白血病の6歳児1例で軽度の不眠、多弁を認めたのみである。
・散発例には抗原確認が必要
今回の経験を踏まえて、中村部長は「インフルエンザは細菌の2次感染の確率の高い感染症だ。その点で、アマンタジンは基礎疾患のある小児のインフルエンザ治療薬としては必要だと思う。また、院内感染対策として、予防薬としても有効だろう」と指摘する。また、インフルエンザ脳症の場合は発症から2日以内に進行してしまうため、「現実問題としてアマンタジンで脳症を予防できるかとなると難しい」という。また、アマンタジンは耐性ウィルスを生みやすいことも知られていることから、「流行期には臨床症状で判断して投与するのはやむをえないが、散発例には抗原確認のうえ投与すべきだ。かぜ薬感覚でアマンタジンを投与すべきではない」と話している。