(相談・回答事例 〜1)

Subject: インフルエンザ脳症

ホームページを見てお便りします。0才と3才の子供の父親です。
最近、インフルエンザ脳症について知り、正直言って、衝撃を受けました。
そこでお尋ねしたいのですが、

  1. これらは欧米で言うHIB(Haemophilus influenzae type b)によるものとは違うのでしょうか?ウイルスの種類がA型、B型と判定されている様ですが、臨床検査に抗体を用いているのであれば、HIB が交差反応を示している可能性はないのでしょうか。もし、HIBによるウイルス性脳髄膜炎であれば、すでに欧米にてこのウイルスの危険性が認められ、治療データが集積されており、しかも予防接種は90年代に入り実施されていますから、後は、日本でできるようにすれば問題が解決できます。

  2. 次に、現時点で考えられる予防法と、治療法を教えていただけませんか?また、どのような症状に注意し、医師にどのように相談すべきか、ご助言をお願いします。
    現時点では、確固とした方法が確立していないと理解しています。しかし、最新の情報を知った上で、親としてできるだけのことをしてあげたいのです。

よろしくお願いします。お返事お待ちしております。

(回 答)

返事遅くなりました。1、2、についてお答えします。

1について、
HIB(Haemophilus influenzae type b) によるものとは違います。これは1892年に Pfeiffer によってインフルエンザの患者から分離され当時はインフルエンザの原因菌と考えられておりました、グラム陰性の桿菌です。今言われているインフルエンザはインフルエンザウイルスによるもので、これはA、B、C型があり、問題になるのはA型('00年はA香港型:H3N2、Aソ連型:H1N1と一部地域でB型が流行しました)です。
インフルエンザ菌b型は子供の髄膜炎の原因菌として知られていますが、これに対しては抗生剤が有効で、合成ペニシリンが第一選択になっています。インフルエンザウイルスについては、決め手になる抗ウイルス剤が未だありません。まとめますと、インフルエンザ菌とインフルエンザウイルスによる感染があり、治療が確立しているのはインフルエンザ菌感染です。一般的にインフルエンザというとインフルエンザウイルス感染を指し、インフルエンザ脳症はウイルスによるものをいいます。

2について、
現時点ではこれだというインフルエンザ脳症に対する確立された予防法・治療法はありません。ただ、症例は少ないのですが、インフルエンザワクチン接種を受けた人からはほとんど脳症の発症がみられていません。今のところ唯一の予防法かと思います。治療法は、発症24時間以内なら、アマンタジン(商品名:シンメトレル)やザナミビル(商品名:リレンザ)が効果的です。発症してすぐに解熱剤を使うのも今検討されていますが、参考までに一部のデータをお示しします。最近の医事新報でみますと解熱剤を使用したときの死亡率で、ポンタール66.7%、ボルタレン52.0%、アンヒバ29.5%とでておりました。ただ、今までも高熱の子供にふつうに使われていたクスリですから、あまり神経質にならないことです。慶友会ホームページのインフルエンザのところを参考にご覧ください。

私にも4人の子供がおりますが実際にどうしているかと申しますと、母親は余り賛成しませんが、熱がでても1日から1日半位は部屋の湿度を保ちながら水物を多くとらせて様子をみます。以後も38℃以上の熱が続くようなら解熱剤などを使用します。インフルエンザ(急に38℃以上の熱とふしぶしが痛い全身症状が強い、できれば咽頭ぬぐい液で15分でA型・B型の診断が可能ですから検査を受けるようにすすめます)なら、できるだけ早い時期に、アマンタジンを使います。吸入薬であるザナミビルも欧米では随分評価されておりますので、これからは使ってみようと思います。

医療法人慶友会吉田病院
吉田 威

 

(相談・回答事例 〜2)

Subject: インフルエンザの予防接種について

教えてください。
10ヶ月の女の子にインフルエンザの予防接種を受けさせるか悩んでいます。
卵アレルギーの疑いがありそうです。7ヶ月の頃炒り卵を食べさせたところ、口と目のまわりが赤くなってしまいました。卵黄のみなら大丈夫の様です。副作用が気になっていまいち接種に踏み切れません。何かアドバイスがありましたらよろしくお願いします。

(回 答)

インフルエンザワクチンの接種を受けてはいけない対象に卵白アレルギーのある人という項目があります。本当に卵アレルギーがあるなら、ワクチンはすすめられません。3ヶ月前に見られた症状が確かにそうであったかどうかドクターに判断してもらうのがよろしいでしょう。簡単な方法では、少量の卵を食べて同じような症状がでるかどうかを観察するのも一つの方法です。この場合もドクターによる注意を守りながら施行してください。
卵アレルギーがなければワクチン接種をすすめます。ちなみに、1999年1月〜3月31日までにインフルエンザに合併した脳炎・脳症は5才以下で179例で50例が死亡しております。インフルエンザワクチン接種での死亡例はみられませんでした。小児では4週間隔で2回接種(10ヶ月なら1回 0.1ml )が原則です。近くの小児科を受診されて、卵白アレルギーがあるかどうかを診てもらうのが先決です。

医療法人慶友会吉田病院
吉田 威

 

(相談・回答事例 〜3)

Subject: 予防接種は、今からでも間に合いますか?

はじめまして。7才の男子と4才の女子の母です。ずばり、今の時期からうっても間に合うのでしょうか?幼児は、2回接種ですが、1回目と2回目は何日空けるのでしょうか?よろしくお願い申し上げます。

(回 答)

今年(’00年〜’01年にかけて)は、インフルエンザの流行が遅れています。恐らく1月末から2月はじめから流行すると予測されます。
さて、ワクチン接種ですが、接種後抗体ができるまでに約1ヶ月かかります。7才と4才のお子さんなら、2回接種法がすすめられます。2回接種法では1回目と2回目の間隔を2週間〜4週間空けますので、実際問題として流行期には間に合いません。
予防としてワクチンより効果のあるものは今のところありませんが、人混みを避けて、部屋の温度は23〜25℃、湿度が大切で、40〜50%、手洗いとうがいの励行ぐらいしかないと思います。
インフルエンザにかかった時には、解熱剤の使用が問題にされています。(ボルタレンなどは使わない。詳しくは慶友会ホームページのインフルエンザ情報を参考にしてください。)
小児科専門医による治療を受けるようにすすめます。

医療法人慶友会吉田病院
吉田 威

 

(相談・回答事例 〜4)

Subject: 教えて頂きたいのですが?

いつもお世話になっております。私は○○と申しますが、インフルエンザについてお伺いしたいのですが、今年の流行とかの予測はついているのでしょうか?○○A型とか××B型とか?それと確定診断と言うのでしょうか診断方法にはどんなものがあるのでしょうか?(開業医レベルで可能なもの)
ネットで調べても去年の流行の話題しか掲載されていないものですから・・・・
お忙しいところ申し訳ございませんが宜しくお願い致します。

(回 答)

国内あるいは外国で春先から夏にかけて分離されたインフルエンザウイルスのサーベイランス情報からインフルエンザウイルスの亜型を、予測することになっています。北海道立衛生研究所のウイルス課のコメントでは、昨年(’99年〜’00年にかけて)はAソ連型とA香港型の流行であり、B型はほとんど分離されなかったことにより、来シーズンはA香港型とB型の流行を予測しています。
Aソ連型は過去の例より2年連続の流行する可能性が低いこと。A香港型は11年連続流行していること。B型は’97年と’99年が流行、’98年と’00年に認められなかったこと。以上がその根拠です。ただし、インフルエンザウイルスは非常に抗原変異の頻度が高く、免疫をくぐり抜けるようにして流行するため、予測がはずれる場合も考えられます。

インフルエンザの確定診断は、咽頭ぬぐい液からのウイルス分離培養です。しかし、この方法は確定するまで時間を要するため臨床の現場では実用的ではありません(保険未適応)。
インフルエンザA型の診断については、インフルエンザ迅速診断キット(ディレクトジェンFluA :1999年より保険適応)が、ベッドサイドで判定可能で感度80%、特異度90%で、実用的には十分使用可能ですが、B型は判定できません。
方法は咽頭を綿棒で擦り所定の容器に入れて、EIA法で検査するもので約15分で判定可能ですが、患者の発病から3日以内に検査しないとウイルスが検出できません。
A型とB型両方を含めてインフルエンザを判定できるキット(FLU OIA)は今シーズンより保険適応となり使用されています。

以上簡単ですがご回答させていただきました。

医療法人慶友会 吉田病院
院内感染対策委員長  平井 克之

 

(相談・回答事例 〜5)

Subject: 相談です。

こんにちわ。はじめまして。○○○の大学生です。
今年の5月から月に一回のペースで風邪をひくようになりました。その風邪というのは、のどの痛みが中心です。熱は出るときも出ないときもあります。のどの痛みがひくといつも必ず声がガラガラになってしまいます。声がこのように出なくなると、人とのコミュニケーションが取れにくくなって、いつも落ち込んでしまいます。他の人たちは、のどが痛いだけで風邪が治っていってとてもうらやましいです。月に一回となると最悪です。学校にもバイトにも行けなくなるんです。学校も語学の学校なので声が出なかったら、勉強になりません。本当に嫌です。最近、ビタミンCが免疫力を強くして、風邪をひきにくくなるようなことを知ったので、摂っていたんですが、やっぱり風邪をひいてしまいました。今回(9月)は熱とのどの腫れがきました。もちろん声枯れも!!

どこがどうなったら、声枯れが起きるのですか?また声が枯れないようにすると言ったら少し変ですが、何か有効な方法や食べ物などあったらなんでもいいので教えてください。のどにいいもの、のどを守るもの、方法などもあったら教えてください。とりあえず、のどに関することならなんでも!あと、風邪予防に関することなども教えてください。お願いします!健康第一!!!!!

(回 答)

実際に診察が出来ませんので、メールの文面で予測される疾患についてご回答させていただきます。
一般的に、のどがかれる状態は咽頭炎に罹患しているものと思われます。咽頭炎は多くの場合ウイルス感染が原因です。ご存じの通り、風邪ウイルス感染に対しては、ウイルスそのものを死滅させる治療はありません。咽頭炎に罹患した場合は、対症療法を施行することになります。対症療法としては温めた生理食塩水あるいはイソジンガーグルでのうがい、トローチの外用が有効ですが、根治治療ではありません。最近ウイルス感染の多くは空気感染(飛沫感染)ではなく、汚染鼻汁が手から手へ感染し、鼻粘膜などから体内に侵入する経路が重要であるとされています。

そこで以下のような予防が必要です。

1)家族全員の手洗いとうがいの励行
2)外出後は必ず手洗いとうがいをする
3)十分な睡眠時間と規則的な生活
4)栄養、特にビタミンCを十分に摂取

また、冬季になる前に(11月頃)インフルエンザワクチンの予防接種を施行されることをお勧めします。
なお、診察していないので分かりませんが、もともと扁桃腺が大きくて、風邪のたびに扁桃腺肥大が起きるような場合は、内科ではなく、耳鼻咽喉科の専門病院を受診してはいかがでしょうか?(扁桃腺を摘出する場合もあります)

医療法人慶友会吉田病院
吉田 威

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