インフルエンザ情報
’00〜’01シーズンの発信情報

Eメールでの健康相談を受け付けております。
 
E-mail to keiyukai@keiyukai-group.com

インフルエンザ 2000/2001年 シーズン のまとめ

 2000/2001 シーズンのインフルエンザウイルス分離報告をまとめると、A/香港(H3N2 )型が795 件、A/ソ連(H1N1 )型が1,856 件、B 型が2,346 件報告された。各型の最初の分離日(報告機関)およびピークの週は、A/香港型が2000 年9 月4 日(第36 週;広島県),2001 年第9 週、A/ソ連型が9 月25 日(第39 週;横浜市),第10 週、B 型が9 月25 日(第39 週;沖縄県),第10 〜11 週であった。分離・検出の最後に関しては今のところ、A/香港型は2001 年6 月1 日(第22 週;京都市)、A/ソ連型は6 月21 日(第25 週;横浜市)、B 型は6 月26 日(第26 週;長野県)であり、以後は報告がない。

IDWR 通巻第3巻 第31号より

(01-08-22)


変異するウイルスに備えを

 インフルエンザに対して多くの人が免疫をもち、ウイルスが人に感染しにくくなると、インフルエンザウイルスは再び人に感染しやすいように少しずつタイプを変えて生き延びる。この小さい変異が10年から数十年続くと、ウイルスは全く異なるタイプへ大きく形を変えるといわれている。今までの流行の中心であったA香港型ウイルスが出現してから30年近くが経っており、ウイルスのタイプが今後、大きく変わる可能性は強い。新型ウイルス登場という「嵐の前の静けさ」と考えられる。
 今年の冬から来春にかけてのシーズンも、A型は同じタイプのウイルスが流行すると予測されており、大規模流行は起こりにくいといわれている。しかし、これでインフルエンザは流行しなくなったという誤解を生じることのないよう、ウイルスが新しい型に変わったときの備えが必要である。
 今がちょうどインフルエンザの流行期である南半球のニュージーランドでは、かなり患者が増えているらしいく、新しいウイルスが見つかる可能性はあるという。形を変えて生き延び続けるインフルエンザウイルスと人類の戦いは、流行が小さくなってきたあとほど激化する。なによりも警戒を緩めないことが必要である。

Japan Medicine 8月10日 より

(01-08-14)


インフルエンザ脳炎・脳症 全国調査結果から

 1998〜1999年、1999〜2000年、2000〜2001年のインフルエンザ脳炎・脳症について調査した。それぞれ217例(202例について検討)、107例(91例について検討)、50数例の脳炎・脳症の発症があった。

年 齢:
1歳をピークに0〜5歳で80%

予 後:
極めて重篤で死亡31%、日常生活で介護を要する重度の後遺症9%、介護を要しない程度の後遺症17%、完治したもの43%

発 症:
神経症状発現まできわめて短い。発熱と同日に痙攣・意識障害を発現し、翌日には神経症状を示した。78.2%の患者がインフルエンザ発症と同日か翌日に脳炎・脳症を発症した。

症 状:
発熱・意識障害に加えて痙攣79.7%、発熱は40℃。検査所見では血小板の減少、sGOT(AST)、sGPT(ALT)、LDH などの肝機能の異常高値、およびプロトロンビン時間の延長など血液凝固系の異常を示す例が多くみられた。
肝機能値が数千から数万 IU/L 、血小板数5万/ul 以下でDIC症状を示す例は予後不良だった。脳炎・脳症の発症後0〜2日で急激に死の転帰をとった例が多かった。
HSE(出血性ショックを伴う脳症症候群)は、ショック、昏睡、痙攣、出血傾向を示す脳症で出血傾向が直接の死因になる場合が多い。

頻 度:
インフルエンザ罹患者のうち1万人に一人。

ワクチンとの関係:
ワクチンの効果は不明。1998/99 シーズンではワクチン接種202例に発症はなかった。1999/2000 では107例のうち、ワクチン接種例が3例あり、このうち2例が死亡している。2000/2001 は50数例の発症のうち、死亡例はなかった。

原 因:
はっきりとわかっていない。A香港型(H3N2)の時に多く脳炎・脳症が起きている。

薬との関係:

  生存 死亡
アセトアミノフェン 75% 25%
アセトアミノフェン+α 40% 60%
αはジクロフェナクナトリウム、その他
ジクロフェナクナトリウム 60% 40%
ジクロフェナクナトリウム+α 30% 70%
αはアセトアミノフェン、その他
メフェナム酸 60% 40%
メフェナム酸+α 0% 100%
αはジクロフェナクナトリウムとアセトアミノフェン

アセトアミノフェンはピリナジン、アンヒバ、ペレックス、ジクロフェナクナトリウムはボルタレン、メフェナム酸はポンタールの商品名で知られている。

今年5月30日に厚生労働省は15歳未満の小児においてインフルエンザ罹患中のポンタールの使用を原則禁忌。またボルタレンについては、ウイルス感染症における使用を原則禁忌と決定した。

名古屋大学保健学科 森島恒雄 教授
Medical Tribune 8月9日 より 抜粋

コメント:

 一般に高齢者はインフルエンザ罹患率が多いように思われていますが、実際には抗体を持っているなどの理由から、インフルエンザにかかる人は少ないのです。ただし、インフルエンザにかかると気管支炎や肺炎を併発して死亡する例が多いので、罹患が多いと錯覚されます。
 実は乳幼児、特に小児はインフルエンザに罹患しやすいのです。ただ一般には一週間か10日で治療するので、それで死亡することはそれほど多くありません。しかし、インフルエンザに罹った0〜5歳児の1万人に1人が脳炎・脳症を発症し、しかもその31%が死亡するほど重篤な疾患です。
 どうして脳炎・脳症が発症するかその原因が未だつかめていません。今できることは、0〜5歳児はワクチン接種をすること。ワクチン接種により罹患しても比較的軽くすむからです。
 もしインフルエンザに罹ったかなと思ったら、出来るだけ早く抗インフルエンザ薬を使う。また、解熱剤でポンタール、ボルタレンは使用しないことなどが大切でしょう。
 研究所・大学で更に詳しい分析・解析により新しい知見が出てくると思います。

慶友会

(01-08-14)


Outbreak of chicken flu rattles Hong Kong
香港を脅かすニワトリインフルエンザの流行

 1997年に香港で6人の死者がでた。H5N1と同じタイプのインフルエンザウイルスが5月に見つかり、130万羽のニワトリが殺された。ところが7月5日に中国から輸入されたニワトリに同じタイプのウイルスが検出された。
 香港大学の食衛生学の専門家は、「このウイルス反応については完全に誇張しすぎている」と言っている。しかし、香港大学の分子生物学者 Nikolaus Sucher 、微生物学者 Ken Shortridge は、「1997年の死者を出したのと同じウイルスは、この春にもニワトリから見つかっていた」といっている。
 H5検出に DNA-based techniques を採用し早期に見つけだそうとしている。香港のニワトリは中国本土からのものがほとんどなので、輸出規制が十分にできるかどうか政治的に微妙なところにある。

nature vol.412 19 July  2001

(01-08-06)


インフルエンザHAワクチン

 平成13年度のインフルエンザHAワクチンの製造株は

A型株 A/ニューカレドニア/20/99(H1N1)
  A/パナマ/2007/99(H3N2)
B型株 B/ヨハネスバーグ/5/99

(01-07-13)


非流行期のB型インフルエンザ・・・沖縄県

 沖縄県の中学校2校で、発熱(37〜39℃)、頭痛、咽頭痛の症状を訴え欠席者が増加し、調査の結果B型インフルエンザであることが判明した。両校とも欠席者のピークは6月4日〜5日頃で、全校生徒の13%〜15%に達した。

IDWR 通巻第3巻 第23号より

(01-07-04)


非流行期にもB型インフルエンザウイルス

 7才5ヵ月と9才11ヵ月の児童が5月28日と6月1日に咽頭ぬぐい液からB型インフルエンザウイルスが分離された。
 このように、B型インフルエンザウイルスは夏季にも分離され、集団発生もみられることから今後の動向が注目される。

IDWR 通巻第3巻 第23号より

(01-06-25)


インフルエンザ解熱剤のメフェナム酸製剤投与禁止

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会は、小児のインフルエンザに伴う発熱に対し、メフェナム酸製剤の投与は基本的に行わないことが適当であるとの検討結果をまとめ、これを受けて同省は都道府県に通知、関係団体に周知徹底を要請する。
 昨年11月には、同じ非ステロイド系消炎剤「ジクロフェナクナトリウム」のインフルエンザ脳炎・脳症患者に対する投与を禁忌としている。

・メフェナム酸:(商品名)ポンタール
・ジクロフェナクナトリウム:(商品名)ボルタレン、ソファリン、ナボール、シグノール、サフラック、ボルマゲン

(01-06-01)


香港で鶏からインフルエンザA(H5N1)ウイルス検出

WHO/CSR 2001年5月17日

 香港で生きた鶏の小売を行っている3箇所の市場で、過去数日間で鶏の死亡数の増加が報告されており、インフルエンザA(H5N1)ウイルスが検出された。H5N1ウイルスは、他の小売市場では検出されていない。
 予防処置として3箇所の小売市場の鶏はすべて処分され、市場は消毒された。インフルエンザA(H5N1)ウイルスのヒト患者は発生していない。鶏から分離されたこの株は、1997年にヒトの感染原因となったH5N1とは遺伝的に異なっている。公衆衛生上問題ない。

WHO/CSR 2001年5月18日

 香港の他の小売市場でも、インフルエンザA(H5N1)ウイルスによる鶏の死亡数が増加している。
 その結果、香港行政府は卸売りおよび小売市場での鶏の販売を禁止し、鶏を処分すると発表した。生きた鶏の小売店は4週間営業を停止する予定である。養鶏場では屠殺の準備が出来しだい、2週間以内に鶏を処分する予定である。中国本土からの鶏の輸入は停止している。

IDWR 通巻第3巻 第19号より

(01-05-28)


インフルエンザに対してのリレンザの予防効果

 日本ではインフルエンザに関連した死亡が年間1万人を超えており、そのほとんどが65才以上の高齢者である。
 インフルエンザには A、B、C の3型のウイルスがあるが、A型は数年から数十年ごとにまったく別の亜型である新型インフルエンザウイルスに突然変化し、大流行を引き起こす。A香港型(H3N2)は33年間、Aソ連型(H1N1)は24年間を経過しており、そろそろ新型インフルエンザウイルスが出現する可能性が大きい。1997年に香港で新型のA型(H5N1)が出現したのは記憶に新しい。

 今のところ予防、治療に有効なのは、ワクチンと4種類の抗ウイルス薬『アマンタジン、リマンタジン(国内では未発売)、ザナミビル、オセルタミビル』である。

 ワクチン有効率は健康成人で70〜100%とされているが、実際には発症を予防することは難しい。しかし発症した時の症状を軽減し、合併症による入院や死亡の減少は期待できる。

 クスリについてみると、アマンタジン(商品名:シンメトレル)はA型に対してのみ有効で、成人と小児において予防効果と治療効果が証明されている。ザナミビル(商品名:リレンザ)はA型とB型に効果を示す。予防効果について結論はでていないが、症状の軽減と合併症を減少させる。吸入薬であり、副作用も少ない。

 対費用効果を考えるとCDC(米国疾病センター)の推奨するように、ワクチン投与は50才以上またはリスクがある場合がよい。抗ウイルス薬は家族内予防投与の効果を検討した「N Engl J Med」の論文が注目されている。

「内 科」 5月号 より

(01-04-27)


インフルエンザ患者の動向

患 者 数

前年(1月3日〜2月6日) 49万8101人
今年(1月1日〜2月4日) 1万6027人

 医療費への影響をみると、大幅減で金額にすると5.8%、件数では9.7%の減となっている。
 インフルエンザの医療費への影響がいかに大きいかがよくわかった。特に老人の医療費の前年比をみると1月は6.5%の大幅減となっている。
 今年は、たまたまインフルエンザが少なかったために、インフルエンザによる医療費の対比ができたが、このことから特に老人に対してのインフルエンザワクチンの接種を徹底したいと考えている。

日本医事新報 4月28日号より

(01-04-26)


インフルエンザ流行のピークは11週目?

 1988年からのデータ分析に基づくと、インフルエンザの流行ピークが11週以後に来たことはありませんでしたが、今シーズンは12週になっても一部の地域では患者発生の増加が報告され、油断できない状況にありました。しかし、全国的には12週以降の患者報告が2週続けて減少し、結果的に流行のピークは11週目だったようです。 

 今シーズンの分離ウイルスは4月6日現在、A/ソ連(H1N1)型が1203件、A/香港(H3N2)型が398件、B型が1229件報告されています。

 慶友会

(03-04-18)


インフルエンザ大流行に対する危機管理体制を

 今季のインフルエンザ流行の規模が小さいのは、日本ばかりでなく世界的な傾向です。この小流行は何を意味し、どう解釈したらいいでしょう。
 感染する側からみると、今年に限ってインフルエンザ・ウイルスに対してワクチン接種が特に多かったとか、一昨年・昨年の抗体が有効に働いたという事実はない。感染するヒトからこの現象を説明には無理がある。
 ウイルスからみてみましょう。今までもウイルスは、姿や形を少しづつ変えてきました(連続性変異)。そして一般には小〜中型の流行がみられています。また、ウイルスは大きな変化(不連続性変異、あるいは突然変異)を周期的にします。1918年のスペインかぜ、1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜです。1997年には、まったく新しいインフルエンザウイルスが香港で見つかり、6人の死者を出しましたが、ニワトリやシチメンチョウ3000万羽以上を殺して瀬戸際で大流行をくい止めました。鳥由来のこのウイルスがヒトには新型ウイルス(H5N1型)だったのかも知れません。
 今年のインフルエンザの流行が少ないのは、今年1月29日の当HP「なぜインフルエンザの流行が小規模か?」でも述べたように、正に嵐の前の静けさかも知れません。今は、ウイルス側の戦闘準備が整いつつあるが、将又H5N1型のように突然ヒトに感染する新種のウイルスの準備期間が終わり、大流行の前触れのための一時休止の年であったかも知れません。

いずれにしても過去の周期性を踏んでいないことに何か不自然さを感じさせます。

 慶友会では2001年から1〜2年のうちに大流行がくるのではないかと予測し、万全の態勢が必要と警告します。予測は外れるかも知れませんが、その外れも1〜2年が3〜4年のうちという誤差範囲ではないかと考えます。
 これからは、感染症には従来と違って罹らないように態勢を整える予防でなければなりません。大流行が来てからはどんな理屈もつけられます。
 慶友会は叱声を覚悟のうえで敢えて2001年から2002年に大流行がくると予測しました。予防的には、ワクチン(連続性変異であるなら)や各種抗インフルエンザ薬があります。
 インフルエンザ大流行に対する危機管理体制も考えなければなりません。

慶友会

(01-03-18)


インフルエンザ、週間患者数が最多

 厚生労働省結核感染症課は9日、学校などでの流行状況を調べる「インフルエンザ様疾患発生報告」の第12報(2月25日から3月3日)をまとめた。
 この週の患者数は2万人を越える2万962人(昨年同期1万205人)で、昨年同期の約2倍。累計では7万337人(同49万9004人)と、昨年同期の7分の1に過ぎないが、1週間の患者数としては今シーズンで最も多い数を記録した。

Japan Medicine 3月13日より

(01-03-15)


インフルエンザは小流行???

 IDWR(感染症週報)に掲載されている下記グラフによると、今シーズン(’01年)は’94年と同じような流行状況を呈している。このままいけば、稀にみる小流行になるか?

IDWR 通巻第3巻 第7号より

(01-03-06)


インフルエンザ、北海道で急上昇

 感染症発生動向調査週報によるインフルエンザ定点当たり報告数は、第8週(2月19〜25日)も札幌市で前週比2.17件増の4.88件、札幌市を除く北海道内が2.26件増の4.17件と急上昇してきた。保健所管内別では深川の18.00件を最高に小樽、倶知安、浦河、静内、北見が10件台である。

(01-03-05)


インフルエンザが国の勧める予防疾患に

 政府は20日の閣議で、予防接種法の一部を改正する法律案を了承した。インフルエンザを国が勧める予防対策疾患に追加し、法律の対象となる予防接種を類型化する。健康被害に対しては、一部公費負担による救済措置が適用される。今年10月1日に施行される。

Japan Medicine 2月21日 より

(01-02-21)


「インフルエンザ」について一考

 インフルエンザ(FLU)情報で、断片的に報告してきたことを、厚生省の「人口動態統計」を参考に少しまとめてみました。

1.患者でみると

 インフルエンザは、一般的にみると15才以下がほとんどです。小学生・中学生が対象となりますから、ワクチンによる予防と、かかったかなと思ったら早めに学校を休ませて流行を少しでも阻止するようにする。

2.死亡率でみると

 インフルエンザおよび肺炎による死亡者では、65才以上で94%とほとんどが高齢者です。15才以下の死亡率は0.5%です。死亡者が多いのでインフルエンザが高齢者の病気のように思われているのです。高齢者に対しては、子供に対してより以上にワクチン効果があります。65才以上の方は全てワクチン接種をうける心構えが大切です。さらに小学生・中学生の子供、お孫さんがインフルエンザにかかった時には空気感染ですから離れているなどの注意が必要です。また予防的に抗ウイルス剤を服用してもよろしいでしょう。
 インフルエンザにかかった時には、すぐに抗ウイルス剤を服用し、場合によっては2〜3日入院し輸液をうけるなどの治療が効果的です。
 こじらせてしまってからでは、2週間以上の入院、肺炎を合併すると65才では平均54日間の入院と報告されています。
 まさに早くインフルエンザに気付いて、早く治療を開始すれば時間と費用の節約になります。

3.医療費でみると

 入院にかかる費用では、297億円のうち65才以上で63億円(21.2%)、入院外は4,975億円のうち65才以上で420億円(8.4%)です。総数でみても、インフルエンザ治療にかかる5,272億円のうち65才以上で483億円(9.2%)です。
 平成9年の65才以上は15.7%です。その医療費が全体の48.9%ですから、インフルエンザに使われる高齢者の9.2%は一般医療費と比較すると有意に少ないことがわかります。

 

平成9年のインフルエンザおよび肺炎による
死亡患者の割合を年齢別にみた成績です

 Berker らの報告では65才未満のインフルエンザおよび肺炎の死亡率が0.006%に対して65才以上では13.2%と高率でした。
 また、インフルエンザと肺炎の合併も高齢者では小児・成年の5倍という報告もあります。

 インフルエンザの診断は38度以上の急激な発熱、筋肉痛、関節痛、全身のだるさと流行期であることから、自分でも疑ってみることは容易にできます。高齢者では、体力的に、免疫的に、あるいはまた脱水症状を伴い急激に悪化することがあります。
 インフルエンザはかぜと違って高齢者では、死亡する病気だという認識で、十分な治療をうけられるようにすすめています。

 

慶友会

(01-02-20)


インフルエンザの新薬発売の情報

1.リレンザ

 リレンザ(吸入薬)が、2月2日から保険が適用になりました。予防的には1日1回、治療には1日2回で吸入します。A型およびB型インフルエンザウィルスに有効です。

 


薬価 : 3868円/5日分

2.タミフル(経口薬、リン酸オセルタミビル)

 2月2日から保険適用で発売になります。1日2回で5日間服用します。発症後できるだけ早く使用します。少なくとも40時間以内に服用してください。 特に副作用はありませんが、新生児、幼児、小児に対しての安全性が国内では確立していないので専門医と相談してください。 A型およびB型インフルエンザウィルスに有効です。

 


薬価 : 3963円/5日分

コメント:

 これで抗インフルエンザウィルス剤で、保険適用で使用できるものは3剤になりました。シンメトレルについては、すでに適用になっていましたが,A型ウィルスだけに有効です。今年はまだ流行期をみていませんが、これらのクスリを上手に使われると予防、治療に期待以上の効果がでると思います。

慶友会

(01-02-01)


なぜインフルエンザの流行が小規模か?

 例年と比べて流行時期のおくれと、その規模も10分の1以下です。
 WHO の CSR や MMWR Weekly でもインフルエンザの活動性は低いと報告されています。活動性が低いのは世界的傾向といえます。
 分離されているウイルスは日本では、H3N2が優位でH1N1もみられます。米国ではH1N1が96%、H3N2が4%と圧倒的にH1N1が優位で、ヨーロッパ、アフリカも同じような傾向です。日本ではH3N2もH1N1も昨年のものとほとんど同じ抗原性を有しています。

 今年は何故活動性が低いのかを推理してみました。

  1. データにもあるようにH3N2とH1N1のウイルスがあまり大きく変異していないために、一昨年、昨年とインフルエンザにかかった人にまだ抗体が残っていて、それが感染を防ぐのに有効に働いている。

  2. ウイルスが全く変わってしまう(不連続性の変異)ための準備段階にあるのか。先年香港でみられたようなH5N1などの新種ウイルスが出現する前ぶれなのかも知れない。

  3. 地球規模での気象の変化が、ウイルスの活動性や他の動物による伝播に関係しているのか。

  4. ワクチン接種による効果も多少関係しているのかも知れない。

 1988、1991、1992、1994年には流行の始まりが遅れた年もありました。しかしこの5〜6年の流行からみると、「嵐の前の静けさ」ととらえて新種ウイルスの出現にも充分な注意をしていきたいと考えています。

慶友会

(01-01-29)


インフルエンザ流行予測(第2弾)

  今シーズンは、最近6年間の流行の様子と違って流行の始まりが大変遅くなっています。1988年から13年間の流行の様子(グラフ1)をみると、流行の始まりが遅かったのは、1987年暮れ〜1988年のシーズン(これを1988年のシーズンとします。以下同じ)、1991年、1992年、1994年の4シーズン(グラフ2)でした。今シーズンは、今のところこれらのシーズンと同じような流行の規模になっています。

 グラフ1

 グラフ2

これらのシーズンの特徴は、

@ 4週目頃から罹患者数の増加が顕著になってくる。
   しかし、大流行とはならない。

A 流行のピークは、8週(1シーズン)、10週(3シーズン)であった。
  因みに一般的な流行のピークは、4週から6週頃である。

  * したがって、今シーズンはまだワクチン接種は有効ということになります。

B 流行ウィルスと流行規模の関係は、

1988年  A(H3N2), B  多い 
1991年  A(H1N1), A(H3N2), B  少ない
1992年  A(H1N1), A(H3N2)   少ない
1994年  A(H3N2), B   極めて少ない

で、A(H1N1)が協調したときは、少なくなっています。また、1994年はこの13年間で例外的に極めて少ないシーズンでした。原因は特定されていませんが、流行したA(H3N2)ウィルスの型とワクチンの型が類似していたこと、またシーズン前の気象状況はかなり多い降水量があったという事実はあります。

 これらのことから、今シーズンこれからの流行予測をします。

 現在、インフルエンザはあまり流行ってはいませんがまだまだ安心できません。油断することなく、注意が必要です。 

慶友会

(01-01-17)


インフルエンザに関する健康相談メール
質問・解答事例

 インフルエンザに関する健康相談メールが慶友会宛に多数寄せられております。今回はその中からの事例をいくつか紹介します。

こちらをクリックしてご覧ください

(01-01-17)


Influenza Activity During 2000-2001 Season
Situation at week ending 6 January 2001

Influenza activity remained low at sporadic level although increasing number of countries have reported outbreaks since the first week of December, which are Finland, France, Germany, Islamic Republic of Iran, Israel, Slovakia, UK and USA. Outbreaks in Islamic Republic of Iran mainly affected children. Between October and November, the rate of influenza-like illness was below or at baseline levels in countries that reported with sporadic isolations of influenza A, A(H1N1), A(H3N2) and B viruses, except for a local outbreak of influenza A in a school in Northern England on the third week of November. Overall, majority of virus isolates reported so far are influenza B, mostly from north America and Asia, while influenza A(H1N1) viruses are significantly more than A(H3N2). 

2001年1月6日

WHOの報告をみても、例年よりインフルエンザの流行が遅れているようです。また、現時点で比較しても、例年よりずっと少ないと各国で報告しております。
A型ではH1N1型が多い(USAでみると96%がH1N1型、4%がH3N2型)、またB型も報告されています。


WHO ホームページ CSR (Communicable Disease Surveillance and Response) より 

(01-01-12)


インフルエンザ流行

 今シーズンは、昨年同期に比べて10分の1以下で、学年閉鎖、学級閉鎖も12月28日の報告では13件、31件となっています。
 これは流行の時期が遅れているだけで、このまま流行がなく過ぎると油断しないでください。
 1月末か2月はじめ頃から増えはじめるのではないかと予想しています。

慶友会

(01-01-11)


インフルエンザ脳症・脳炎について

 そろそろ各地からインフルエンザ罹患情報が聞かれる時期になりました。今年の対策はどうでしょうか?ワクチン接種は済ませたでしょうか?また、抗インフルエンザウイルス剤の知識は大丈夫でしょうか?
 インフルエンザによる脳炎・脳症は5歳未満の子供の死亡率が高いこと、後遺症を残すことから、もっと認識をもってもらいたいものです。

 解熱剤として最も一般的に使われていたアスピリンによる急性脳症に、より死亡率の高いライ症候群があります。この診断基準は

 @意識障害など脳症の存在
 A肝臓の異常
 Bそれらを他の理由で説明できない

 この三項目を満たせばライ症候群と診断されます。米国政府はアスピリンがライ症候群の原因である可能性が高いことがわかるとすぐに使用を控えるように勧告し、水痘症やインフルエンザでもアスピリンを使わなくなった結果、ライ症候群の発生は減少し今ではほぼゼロになっています。

 昨年厚生省がインフルエンザ脳症・脳炎と関係があるかも知れないと報じたジクロフェナク(ボルタレン)、メフェナム酸(ポンタール)がどうやらその原因薬剤である可能性があるようです。そしてインフルエンザ脳症・脳炎がライ症候群と同じ症状であり、ボルタレン、ポンタールにもアスピリンと同じような機序があることから同一疾患と考えられます。
 疑わしきは罰することからすると、インフルエンザの解熱剤としてボルタレン、ポンタールの使用はやめるべきです。
 感染による熱は、それがインフルエンザであっても体の防御のためのものであり無闇に下げればいいというものではありません。ただし41度以上または熱が続いて体力が落ちてくるような状況では、使用も仕方ないでしょう。そのときにはアセトアミノフェン(アンヒバ、ピリナジン)が副作用が少ないと考えられています。
 毎年恒例のインフルエンザの流行は12月末から3月末までみられます。繰り返し言っていることですが、ワクチン接種が第一の予防法。かかったかなと思ったらすぐに抗ウイルス剤(経口剤のシンメトレル、吸入剤のリレンザ)を使用してください。

 文芸春秋新年特別号378〜391頁に「告発レポート『インフルエンザ薬害』から子供を守れ」近藤誠氏が書いています。
 多少、過激なところはありますが、大筋としては正しいと思います。部分的には賛成できないところもありますが、5歳以下の子供をもつ親の方には今までの考えを変えてもらうためにも是非一読願いたいと思います。

慶友会

(00-12-29)


遊航船はインフルエンザの舞台になる
Crusing to the Flu

 1997年秋、ニューヨークからモントリオールへの10日間のクルーズの乗客74人中39人がインフルエンザに罹患。うち6名は入院した。どうやらオーストラリアからの乗客から皆に伝染したらしい。

Clin Infect Dis 2000 Aug ; 31 : 433-8

コメント:

 豪華客船による船旅を計画されている方も、20世紀から21世紀への瞬間を洋上でと期待されている方も多いと思います。
 ただし、インフルエンザウイルスはどこに潜んでいるか、誰が持ち込むかわかりません。
まだ、間に合います。インフルエンザワクチンの接種と、抗インフルエンザ薬を持参することをお勧めします。

慶友会

(00-11-27)


  新しいインフルエンザワクチン戦略は罹患率を下げる
New Flu Vaccination Strategies May Reduce

 1997〜98年と1998〜99年をインフルエンザワクチン接種で比較したところ、ワクチンが流行とマッチした1998〜99年では明らかに罹患率が少なく、また医師の往診や労働日数のロスでみてもはっきりと差がでていた。
 ネット価格でみても1997〜98年が1人あたり65.59ドルであったのに対して1998〜99年は11.17ドルであった。
 学童児でみても罹患率は有意に少なく、学校を休む日数、耳の痛み、医師の往診、抗生物質の投与も少ないという成績がみられた。

JAMA 2000 Oct 4;284:1677-82

(00-11-27)


インフルエンザに一部の解熱剤は禁忌

 厚生省は今年1月から3月までに全国で脳炎・脳症と報告された109人を分析した。そのた結果「ジクロフェナクナトリウム」(商品名:下表参照)を使用した患者の死亡が、ほかの解熱剤使用者に比べて高率だったことから、インフルエンザに脳炎・脳症を発症した患者へは投与しない「禁忌」扱いとすることに決めた。
 具体的には、ボルタレン投与者では6割(12人中7人)が死亡していたのに対し、ほかの解熱剤では1割(38人中5人)だった。

「ジクロフェナクナトリウム」商品名一覧
内服剤(25mg) 坐剤(12.5mg,25mg,50mg)
ボルタレン錠(日本チバガイギー)
アデフロニック錠(大洋薬品)
イリナトロン錠(辰巳化学)
サフラック錠(日本新薬)
サンナックス錠(三恵薬品)
ジクロフェナクナトリウム錠「ホクエイ」(大原)
シーコレン錠(日医工)
ソファリン錠(日本ケミファ)
ソレルモン錠(東和薬品)
ダイスパス錠(ダイト)
チカタレン錠(イセイ)
ドセル錠(日本化薬)
ニフレリール錠(模範)
ネリオジン錠(帝国化学)
バレタン錠(東菱)
フェナドシン錠(竹島製薬)
ブレシン錠(沢井製薬)
ボナフェック錠(日新山形)
ボラボミン錠(鶴原)
ボルマゲン錠(大正薬品)
ヨウフェナック錠(陽進堂)
ワンフェロン錠(東邦新薬)
プロフェナチンカプセル(菱山)
ボルタレンサポ(日本チバガイギー)
アデフロニックズポ(大洋薬品)
アナバン坐剤(富士化学)
ジクロフェノン坐剤(オリエンタル)
ネリオジン坐剤(帝国化学産業)
ピナナック坐剤(東光薬品工業)
フェナシドン坐剤(竹島)
フェニタレン坐剤(長生堂製薬)
ベギータ坐剤(シオノケミカル)
ボナフェック坐剤(日新山形)
ボラボミン坐剤(鶴原)
ボルマゲン坐剤(大正薬品工業)
ボンフェナック坐剤(京都薬品工業)
メクロフェン坐剤(日本ガレン)
メリカット坐剤(太田製薬)
アスピゾンズポ(協和薬品)
ジフェナック坐剤(小林化工)
ジクロニックズポ(大興製薬)

 

コメント:

 インフルエンザで脳炎・脳症が発症するかどうかは経過の中で診断されます。最初の診察の時にはわかりませんので、、原則としてインフルエンザには「ジクロフェナクナトリウム」は使用しないと理解されたらよろしいでしょう。
 同じように見える座薬でも、いろいろな種類があり、勿論錠剤も形や色からだけでは見分けがつきません。少しでも不安に思ったら、主治医に薬の内容をお聞きになるようにすすめます。

慶友会

(00-11-17)


インフルエンザ情報 2000年版

T. インフルエンザの診断は?

 @ 急に熱がでる(37.5℃以上)
 A 全身がだるい
 B ふしぶしが痛い、筋肉痛

A型・B型インフルエンザ検査薬
「インフルエンザOIA」

 12月以後にかぜ症状があり@ABを伴うようなら、インフルエンザを疑ってみましょう。
 病院では、のどからのぬぐい液や痰でインフルエンザウイルスの検査をしますが、約20分間位で結果が出ます。罹ったかなと思ってすぐに調べると70〜80%に陽性にでます。陽性にでたら確実にインフルエンザと診断されます。

 

U. インフルエンザの予防は?

 第一にインフルエンザワクチン接種です。これで70〜80%の予防効果があります。また、インフルエンザに罹っても軽くて済むことが証明されています。副作用は37℃以下の熱とか、注射したところの腫れ、発赤ですが、これらも一両日で回復します。
 インフルエンザワクチンの効果をみると、肺炎・インフルエンザによる入院を50%減少、呼吸器疾患による入院を30%減少、死亡率を40%減少、肺炎・インフルエンザ治療に要する医療費を50%減らすと推測されています。

 

V. インフルエンザの治療は?

 インフルエンザはまず第一に流行期のワクチンにより予防されるべきです。第二にはインフルエンザのハイリスク患者にとくに危険が大きいので予防と治療を兼ねて抗インフルエンザ薬があります。

*インフルエンザのハイリスク患者
65才以上の人、小児、心疾患、呼吸器疾患、腎不全、糖尿病、妊婦、老人ホーム入居者、老人病院の入院患者、医療関係者、社会を維持するために必要な職業の人(消防・救急、警察、運輸、自衛隊)、受験生

@アマンタジン(シンメトレル 50mg)

A型ウイルスに有効で、1日2回で5日間服用する。発症早期ほど効果があり、できれば24時間(36時間)以内に服用するのがよい。耐性ウイルスが生じやすい。副作用は不眠とふらつき、まれに不整脈が起こることがあるが、一時的なもので心配はありません。

Aザナミビル(リレンザ 10mg)

昨年12月に使用の認可がおりているが、健康保険適用が認められていないので、多くの医療機関では未だ使用できない。
健康保険の適用は、早ければ今年12月の流行に間に合うかどうか?
A型およびB型のウイルスに有効で、1日2回吸入で5日間使用する。発症早期ほど効果がある。副作用はほとんどないが喘息患者には慎重に使う。耐性ウイルスはほとんどない。

@Aともに新型ウイルスにも予防・治療効果があり、ザナミビルは今後の健康保険適用が待たれる。オセルタミビル(oseltamivir)とともにハイリスク患者への適用が期待される。

W. インフルエンザで死亡するのは誰?

 小児と高齢者が死亡するので、ハイリスク患者と考えてください。
 インフルエンザ脳炎・脳症は80%が5才以下の小児で、予後はきわめて悪く、死亡するのが30%にもなります。症状は発病から2日目までに痙攣を伴い、急速に意識障害が進行し、数日で死亡する経過です。インフルエンザワクチンが脳炎・脳症の発病予防にも効果がありそうだという成績が得られています。

 一方、インフルエンザとその終末像としての肺炎による死亡の90%が65才以上の高齢者です。インフルエンザワクチンは高齢者死亡を著しく防いでくれます。また65才以上の人で、インフルエンザに罹ったかなと思った時には、肺炎予防も考えて3日間の短期入院をすすめます。二次感染も考えて、早めに抗生剤や水分補給が望ましいという理由からです。

X. インフルエンザの大流行は? もし新型ウイルスが出現したら?

 世界的にみると、1回目は1918年のスペインかぜで、この時は世界中で2000万人の死亡者がでたといわれています。日本でも26万人が死亡している。

 2回目は 1957年 アジアかぜ
 3回目は 1968年 香港かぜ
 4回目は 1977年 ソ連かぜ    が有名です。

 インフルエンザは隔年で小流行を繰り返し、10年に1度は中流行、70年で新型ウイルスが出現する大流行がその周期性から予測されます。
 1997年に香港で鳥のインフルエンザウイルス(H5N1型)が直接ヒトに感染し、免疫のない患者の18人中6人が死亡しました。
 今は5〜10%の発病で済んでいますが、もし新型ウイルスが出現したら、人類全てに免疫がないので100%が発病する可能性があります。
 日本国内で考えてみます。一応、人口の25%が発病すると予測すると3000万人が発病し、新型インフルエンザの死亡率を0.1〜0.3%としても3万〜9万人が死亡します。
 H5N1型のように病毒性の強い新型ウイルスでは死亡率が1%という推計もあります。そうだとすると、日本では30万人(ほぼ、ガンの死亡数と同じ)で大パニックになるでしょう。

Y. 流行時期をみて対策を

 インフルエンザの流行は、例年12月のおわり頃から始まり、翌年の2月始め頃に流行のピークを迎え、だいたい3月いっぱいくらいまで続きます。
 流行のパターンを把握し、それに基づいた対策を実施することが大切です。
                                                            

過去10年間のインフルエンザ様疾患平均定点あたり報告数

  1. 11月、おそくとも12月上旬までにインフルエンザワクチン接種を受ける。

  2. ピーク時には予防的にアマンタジン、ザナミビルを使用する。

  3. 高齢者の方で、38度以上の熱がでたときには、3日間の短期入院をする。

インフルエンザに罹らないために

部屋の温度は23〜25℃、湿度は50〜70%になるようにし、充分な水分を補給することが大切です。

慶友会

(00-11-7)


インフルエンザ流行予測

今年(00’〜01’)は大流行か?


インフルエンザ流行予測(2000年から2001年にかけて)

  1. 周期的には昨シーズンが中流行であり、多くなる年です。
  2. ウィルスの型でいうと、昨年はAH1N1型(Aソ連型)とAH3N2(A香港型)の流行でした。AH1N1型(Aソ連型)はここ数年全く出ないか出てもほんのわずかの割合でしたが、昨年は流行の主流ウィルスとして久々の出現でした。ただ、AH1N1型(Aソ連型)は過去の例から2年連続して流行する可能性が低いので今年は出てこないと予測します。AH3N2(A香港型)はここ11年連続して流行していて今年も続くと考えられます。B型は、97年、99年と流行し98年、00年に認められなかったの で今年は可能性大です。これらのことにより、基本的にはAH3N2(A香港型)主導でB型と協調して流行すると考えられます。AH3N2(A香港型)とB型は、流行の多いときの組み合わせです。
  3. 今年の天気の様子をみますと「この夏(6〜8月)の降雨量は、北海道の一部、関東甲信、九州南部および南西諸島の一部で平年よりが多かった以外は、全国的に平年より少なかった。9月の降雨量は、ほぼ全国的に平年を上回り、特に東海、甲信の一部では平年の300%以上の所があった。一方、北海道、東北、中国、九州、南西諸島の一部などで平年を下回った。」となっています。トータルして考えますと、インフルエンザ流行を抑えるほどの多い降水量とはいえないようです。

以上のことから、今年の冬は周期、ウイルスの型、気象状況からすると基本的には大流行、ただAH1N1型(Aソ連型)が協調したり、今後の雨量が大量になれば少しは抑えられるかも しれません。
また、世界的に心配されている感染力の強い新型ウィルスが近々現れてくるだろうと予想されています。今後も注意が必要です。

予測根拠はこちらをご覧下さい

 

インフルエンザへの備え

今年の冬のインフルエンザは基本的に大流行と予測します。お年よりの方や小さなお子さん、受験生の方などは特にインフルエンザワクチンの接種で備えるのがよいでしょう。現在、インフルエンザワクチンの予防効果は決して100%ではありませんが、60%〜80%あると言われています。
接種は、インフルエンザ流行前の11月頃からがよいでしょう。

(00-10-5)


  前のページに戻る